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544:本当にあった怖い名無し:2013/01/03(木) 11:29:23.28 ID:9hlTlp94O
C・S・フォスター「戦慄の生理学」
ヒトラー政権下のドイツで、若くして生理学教授になった優秀な青年が重要な研究をしていた。
軍医の叔父は強制収容所に奉職していたが
元々研究者志望だったので、研究内容を知らずに青年を応援していた。
青年は叔父に、研究内容は「恐怖の生理学的考察」で
政府が実験材料を提供してくれる、と説明し、実験室に案内する。
実験材料はポーランド人(山岳)とチェコ人(地中海)とユダヤ人(セム人)だった。
我がゲルマン民族(北欧)が世界最強だと証明するためノルウェー人を実験に加えたい、と力説する青年を、叔父は褒め称え励ますしかできなかった。
何しろ実験は親衛隊の衛兵も手伝っていたし、学長は学者でもない宣伝省の将軍なのだ。
(被験者にルーレットを回させ、7回連続で赤が出れば処刑すると伝え、
体温や心拍数を計測する実験)
その後、青年は強制収容所で拷問死した。
叔父は一介の軍医なのでどうすることもできなかった。
面識のあった学長から昼餐会の招待状が届いた。
宣伝相ゲッペルスが糸を引いた、知識人の動向を探るためのパーティーである。
学長は叔父に愛想よく話しかけた。
「君の甥のことはまったく残念だ、大いに期待しておったのに」
「事もあろうに、我がゲルマン民族が死の恐怖には、劣等民族どもと同じ生理的反応を示すことを立証した、と主張したのだ」
「これほど狂った馬鹿馬鹿しい意見があるかね」