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707:1/2@\(^o^)/:2014/07/16(水) 15:11:29.42 ID:mXbn9ywU0.net
藤子F不二雄の漫画『エスパー魔美』から『黒い手』
主人公の魔美はエスパーの中学生
近くに困った人がいると思念を感知し、いつも超能力で人助けをしている
今回も思念をキャッチし、100回目の記念すべき出勤だと張り切る魔美
テレポーテーションで駆け付けると、帽子にヒゲの不気味なおじさんが
指を1本立てて若者の前に立っている
若者に話を聞くと、おじさんは10日前から毎日若者の前に現れ
日を追うごとに3・2・1本…と指の数を減らしているとのこと
その理由は、実は若者はおじさんの幼い一人息子を不注意で車ではねて死なせて
既に刑期を終えて出所しており、明日がその息子の命日
10日前からカウントダウンをし、おじさんは復讐のため若者を殺す気でいるらしい
過去に奥さんも別件の交通事故で失っているおじさんは
1人息子の成長だけが楽しみだったのだ
魔美は急いでおじさんの元へも赴き説得を試みるが
テレパシーで読み取った心の中は息子との楽しい思い出で満ち溢れていた
そして、事故は若者の信号無視によるもので、
息子はちゃんと手を挙げて横断歩道を歩いていたことも判明
超能力でおじさんを物理的に多少足止めをすることはできたが
復讐の気持ちを止めることまではできない
遂に命日はやって来て、おじさんはヒゲを綺麗に剃り若者の前に現れた
説得も虚しく、おじさんの持ったナイフは逃げる若者を刺し血が噴き出す
復讐を果たしたかと思われたが、おじさんは直後に我に返り
「君!おい君!」と若者を揺さぶる
708:2/2@\(^o^)/:2014/07/16(水) 15:12:04.16 ID:mXbn9ywU0.net
実はおじさんが刺したのは事前に魔美たちがすり替えておいた人形で
超能力で動かし血糊を吹き出させていた
なのでおじさんの殺人はなんとか食い止めたことになるのだが
かと言っておじさんはすぐに息子の死を受け入れられるはずもなく
犯人を許すことも殺すこともできず、その場を力なく後にする
魔美の友人の天才少年高畑さん曰く
「元々人殺しなんかできる人じゃないんだよ、僕らがしてあげられることは何もない
時間だけがあの人の心を癒してくれるさ」
そして魔美が日記に
「記念すべき100回目の出勤。だが何一つ解決できなかった。
頬を流れるのは、汗だろうか、涙だろうか…」
と書き記しているところでラスト
エスパー魔美って、毎回テーマ自体は重くても
スッキリと解決させる流れが基本なんだが
たまにこういう、超能力を使っても解決できない無力さを感じるような
後味の悪い話をぶっこんでくる
更におじさんは知らないんだが、加害者の若者が遊び仲間に
「俺だって悪かったけど、あの男の子が確認せずに出てきたのも悪かった
だいたい俺らが車で憂さ晴らししたくなるような社会にした大人も悪い」
と話す、全然反省している様子がないシーンも出てきて後味の悪さに拍車をかけてた,