後味の悪い話

【後味の悪い話】野ブタ。をプロデュース

スポンサーリンク

520: 1/3:2008/06/14(土) 17:15:17 ID:rWb732o70
「野ブタ。をプロデュース」

主人公はイケメン・秀才・運動もでき、友達もたくさんな完璧少年。
だが中2病で自分を特別な存在だと思っており、友達たちと騒ぎながらも内心では
「くだらねー奴らだな でもガキなこいつらに比べて大人で完璧な俺は仕方なくつきあってやんよ」
と嘲っていた。そんな主人公が唯一認める存在は、賢くて清楚な美人のクラスメートだった。
主人公と美人は仲が良く、周囲は二人がラブラブで一線も越しているだろうと思っているが、
実はまだ付き合ってすらいない。恋愛面では主人公はやや奥手なのだった。

時期外れの転校生がやってくるとの噂を聞き、クラスメートたちはどんな奴だろうと盛り上がるが、
現れたのは巨デブで髪がもさもさと長い、見るからに根暗そうな少年だった。
名前は「伸太」で、ノブタ→野豚と変換され、皆は伸太を影で豚扱いして避けた。

主人公も友人たちと共に伸太を笑い話のネタにしていたりしたが、
影で伸太がDQN連中に恐喝の対象にされ、時には暴力を奮われているとも知り、
これは流石に洒落にならないと思う。
そこで、みんなの嫌われ者である伸太を人気者にする、という遊びを思い付く。

伸太は優しく話しかけてきた主人公にすぐに心を開いた。
前の学校でいじめられて転校してきたのだという。
伸太は間違ってもイケメンキャラにはできない外見なので、
「嘲笑われる」のではなく、自分から笑いを誘う「道化キャラ」に変貌させようと考える主人公。
まず、意外に伸太は愛嬌のある顔つきをしていたので、フルフェイスヘルメット状態の髪をばっさり坊主頭させる。

そして主人公は伸太に様々なネタを仕込み、それをクラスメートの前で披露させた。
以前はみんなのいらつきの対象でしかなかった伸太の口べたでおどおどとした態度が
主人公の作戦によって、絡みがいのあるいじりやすいものに皆には思えるようになり、一躍伸太は人気者に。

伸太を気持悪がっていた女子連中ですら「かわいい」などと評価を一変させるようになり、
「みんな俺の手のひらで踊ってるぜ」と影でほくそ笑む主人公。
DQNの恐喝もおさまった。伸太は泣いて主人公に感謝した。

521: 2/3:2008/06/14(土) 17:16:19 ID:rWb732o70
コンビニで立ち読みをしていた主人公は、駐車場で誰かがケンカしているのを見る。
見るからにケンカ慣れしていそうなヤンキー数人が、
主人公と同じ学校の制服を着た少年をよってたかってリンチしているようだった。

「うわ、誰だか知らないけど災難だなーなにやってあんな目にあってんだ」
と思いつつ見ていた主人公は、殴られている少年が友達の一人であることに気づく。
かなりひどくやられており、救急車を呼ぶべきレベルの怪我を負っているだろう友達。
助けにいくべきかと思うが、そんなことをしたら自分もやられてしまう。

びびりながら、体を張って助けにいくほどの相手じゃないし仕方ないと自分に言い聞かせる主人公。
やがて、店側が呼んだのか警察や救急車がやってきて、主人公はホッとする。
だが、運ばれていくボロボロの友達と、一瞬目があったような気がししてどきりとするのだった。

翌日、友達は学校にこなかった。連絡がつかないしどうしたのだろうと心配するクラスメートたち。
冷汗をかきながら主人公は数日をすごし、やがて友達は登校してきた。
友達の顔はぼこぼこに腫れており、片手にギブスをつけていた。

どうしたのだと声をかける皆に、因縁つけられて暴行されたのだと友達は言い、
現場にいたのに主人公は助けもしなかったと叫んだ。
「あんな状況だったら助けに入れないのはわかる でも他にもやることはできたはず
 前から見下した態度をとられることはよくあったが、それでも友情はあると思っていたのに」
実は主人公の中2病は以前からバレバレだったのだ。
友達たちはそれを知っての上で主人公を温かく見守っていたのだが、今回のことで大きな溝ができてしまった。

522: 3/3:2008/06/14(土) 17:18:13 ID:rWb732o70
そのことが噂になり孤立した主人公は、それでも主人公に話しかけてくる美人すら避けるようになった。
根っからのいい子で、主人公のこともそうであると信じている美人に、
噂はなにもかも本当で、自分はひきょう者だと知られたくなかったからだ。
伸太は「主人公が自分をプロデュースしたことを話そう 主人公は本当に親切な人だっていうことを」と言ってくるがそれもスルーした。

ある時、主人公のことで悩んで泣いている美人を、伸太が慰めている現場を主人公は発見した。
伸太は今や道化キャラ以上に、元々の真面目で思いやりのある性格が評価されるようになっていた。
本性が暴露された自分とは真反対だと主人公は思い、もうこの状況に耐えられないと感じ始めた。

みんなの前で自己紹介をする主人公。他の高校に転校したのであった。
なにもかもリセットして、今度は自分自身をプロデュースして馬鹿どもをだましきってやると新たな決意をして。

523: 本当にあった怖い名無し:2008/06/14(土) 17:26:58 ID:CtIqZVsZO
乙!面白かった~

525: 本当にあった怖い名無し:2008/06/14(土) 17:38:45 ID:BjmFkk040
ドラマとはえらい違うんだね
あれはあれで、何だかなあって感じだったけど。

526: 本当にあった怖い名無し:2008/06/14(土) 18:04:47 ID:U9Oyly0s0
そんなに悪いことしたんかね、この主人公は。

527: 本当にあった怖い名無し:2008/06/14(土) 18:17:24 ID:3j2RbzeW0
糾弾されるほどわるいことはしてないが、まずいことはしてるな。
溝をつくったら、それを修復するべく動かないと人間関係なんて悪化するだけだし。
まあ、一切省みることなく、それまでのものを切り捨てて新しいところへ行っちゃう
くらいだからなあ。

スポンサーリンク

-後味の悪い話