後味の悪い話

【後味の悪い話】弁当のない女の子

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236:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/06/28(土) 15:42:32.54 ID:LQ47StVii.net
俺の友人が小学校の教師なんだが(友人は男ね)
この前の保護者面談の時の話が
「身につまされる思いがした」と酒の席で話してくれた

遠足とか給食のない日に、弁当を持ってくるのが小学校の決まり。
だけどそいつのクラスの中に、
いつも菓子パンやランチパックしか持ってこない女の子がいた。
成長期の子供がそれだけじゃ栄養がかたよると思って
友人は自分の弁当から、いつも一品か二品あげてるんだが、
その子はいつも「先生ありがとう」ととても嬉しそうな顔をする。

「たまにはお弁当を持たせてあげてくれませんか」と
差し出がましいのは分かっているが、一言いうつもりで
友人は彼女の母を待った。

237:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/06/28(土) 15:46:10.00 ID:LQ47StVii.net
時間が来て、彼女の母親がやってきた。
いまどき珍しくない共働きの母親は、
全身をきちんとスーツでまとめた女性。

だが、彼女が一歩教室に入った途端
ものすごい胃酸の匂いがした。
友人は顔には出さなかったが、
「あれは忙しく働き過ぎて、ストレス過多になってる
 母親に共通する匂いだ」そうだ。

母親は物腰も柔らかく、きびきびと質問に答えた。
その姿と胃酸の匂いのギャップに友人は
弁当のことを切り出せずにいた。
おそらく家でも、彼女はまともな食事を作る余裕はないだろうと
容易に想像がついた。
だからこそ余計に言えなかった。

面談の最後に、友人は一言、世間話のつもりで聞いた。
「お仕事なさってるんですが」
「はい」
「どうです、調子は」
「とっても楽しいです。わたし働くの大好きなので」
しかし、母親の目は笑っていなかった。
生活に余裕が無いせいで働き詰めの母親特有の、
年齢以上にシワのよった顔がそこにあった。
友人はとっさに目をそらしたそうだ。

238:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/06/28(土) 15:49:08.41 ID:LQ47StVii.net
「俺、思うんだよ。
 女の幸せってなんだろうって。
 結婚して子供産んで働いて家事もして…
 最近のお母さんって、みんなオーバーワークなんだよ。
 
 男にしてみりゃ、働いてくれる妻の方がいいだろうけどさ。
 なんだろ…ものすごくすり減ってる気がして。
 あのお母さんの幸せって何なんだろうって考えた」と友人は落ち込んでいた。

教師やってると、世の中の暗部を覗き込むことも多いんだと
別の友人が言って、その話は終わった。
彼女の母親に最近家庭訪問で会ったそうだが、
やはり胃酸の匂いがかわらず漂っていたという。

そして彼女は、相変わらず弁当を持ってこない。

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