後味の悪い話

【後味の悪い話】井上雅彦「よけいなものが」

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879:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/23(水) 17:30:47.29 ID:wFjqRtCc0.net
井上雅彦「よけいなものが」 1/2

「嘘だね。僕は絶対信じない」
「あら。そんなに強調するのは、信じてる証拠じゃないの」
「僕は目で見たことしか信じないのさ。むしろそんなものを怖がる事の出来る君が羨ましいね。
君は怖がる事を楽しんでいるようだしね」
「あら、どうしてそう思うの?」
「怖がってる時の君が一番魅力的だからさ。
そんな君が見たくて、わざわざこんな真夜中についてきたんだから……あれ? 変だな」
「どうしたの?」
「今の台詞、さっきも言わなかったっけ……」
「さあ、覚えてないわ。それより、あなた本当に信じないの?」
「ああ。ここみたいに昔処刑場だった場所には有りがちだよ。迷信さ」
「そうでもないわ。つい最近、この祠の辺りでパトロールに出かけた駐在さんが、この場所を放心しながらぐるぐる回ってたんですって。本人の話によると、いくら署に帰ろうと歩いても、元の道に戻るばかりだったって……狐に化かされたのよ」
「狐?」
「本で読んだんだけど、狐に憑かれた旅人は片足が何寸か短くなるのよ。それで本人はまっすぐ歩いてるつもりでも、弧を描いて歩くことになるんですって」
「ははは。コンパスみたいだね」

880:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/23(水) 17:31:44.59 ID:wFjqRtCc0.net
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「それにね、この近くの分校には座敷童子が出るらしいわよ」
「座敷童子?」
「朝礼で、生徒たちの点呼をするでしょ? そうすると、生徒が一人増えている」
「よけいなものが、混じっている」
「その一人が座敷童子なんだ。もう一つ、不思議な話があるよ」
「もう飽きてきたわ」
「例えば、真夜中に男と女がふたりきりで話をしてるんだ。辺りには誰もいない。
それなのに、いつの間にかふたりの会話に何か別のものが入り込んでいる。
でも二人はその事に気付かない……」
「嫌な話ね」
「しかも二人はいつの間にか、中身を摩り替えられてしまうんだって……」
「嘘よ。私は絶対信じない」
「あれ。そんなに強調するのは、信じてる証拠じゃないかい」
「私は目で見たことしか信じないのよ。むしろそんなものを怖がる事の出来るあなたが羨ましいわ。
あなたは怖がる事を楽しんでいるようだもの」
「おや、どうしてそう思うの?」

「怖がってる時のあなたが一番魅力的だからよ。
そんなあなたが見たくて、わざわざこんな真夜中についてきたんだから……あら? 変ね」
「どうしたの?」
「今の台詞、さっきも言わなかったかしら……」

終わり

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