後味の悪い話

【後味の悪い話】あずみきしの漫画『死役所』の話

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676:1/2@\(^o^)/:2014/07/15(火) 17:17:01.91 ID:vDycTc+QO.net
あずみきしの漫画『死役所』の一話

『死役所』とは、あの世とこの世の境目に存在し、すべての死者が訪れる場所。
死者たちはここで生前の行いを調査され、行く末を決められる。

死役所を訪れた頭の欠けている女性・A子は、案内役の男に成仏を促されて迷っていた。
彼女が死に至った経緯はこうだった。

生前、わけあって前科持ちだったA子はなかなか就職することができずにいた。
なんとか面接にこぎつけても、やはり前科のために不意となってしまうのだ。
だがある時、公園で落ち込むA子を拾ってくれる男が現れた。
小さいながらも工場の経営者である男は、寛大にもA子の前科を知ったうえで自分の工場で働くことをすすめてくれた。
感激したA子は二つ返事で了承し、工場に勤めるようになる。

工場の従業員は老若男女様々だった。
そしてその誰もがA子と同じ『わけあり』な経歴の持ち主で、工場長に拾われて働いているのだという。
皆、働き先を与えてくれた工場長には感謝しているようだった。
A子も優しい工場長のもと、仲間たちに囲まれながら社会復帰を目指して働き続けた。

そんなある日、不慮の事故は起きた。
作業場にいた工場長の頭上高く吊り下げられていた鉄板が落下したのだ。
現場に居合わせたA子はとっさに工場長を突き飛ばした。
身代わりとなったA子は頭を鉄板に押し潰され、帰らぬ人となった。

そして話はA子が死役所を訪れるまでに至る。
A子の心中は複雑で、恩人である工場長が助かってよかったと思う反面、なぜ工場長よりも若くて先の長い自分が……とも考えてしまう。
だからこんな自分には新しい人生を歩む資格はないと成仏を拒んでいた。
しかし、案内役の男と話すうちに後悔は晴れていき、A子はついに成仏するのだった……と、ここで終われば綺麗に終わるんだけど、まだ続きがある。

677:2/2@\(^o^)/:2014/07/15(火) 17:19:37.28 ID:vDycTc+QO.net
A子の葬式会場に集まった仕事仲間たちはA子の死について「かわいそうなことをした」と残念がっていた。

実はあの鉄板落下事故は、従業員たちが結託して仕組んだものだったのだ。
狙いは工場長一人で、あの場にA子が居合わせたのは誤算だった。
「仕方ないよ。A子は工場長に一番懐いてたんだから」と一人が言う。
彼らにとって、工場長は恩人などではなかった。
むしろ自分たちの弱みにつけ込んで安い給金で働かせる、自分の利益しか考えていない悪人だったのだ。
「あんなやつを庇って死ぬことはなかった」「あいつが死ねばよかったのに」と口々に呟く従業員たちとは離れたところで、工場長は座している。
彼は後悔や悲しみなど欠片もない無表情でA子の棺桶を見下ろしていた。

で、終わり。
急激に上げて落とすラストが衝撃的だった。
お試し用の冊子でこの話を読んだんだけど、単行本に収録されているこの他の話も後味悪いのが揃い踏みらしい。
ちなみにA子の前科は「人間の子どもにいじめられている犬を助けようとして子どもをどうにかしてしまった」とかなんとか。

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イマイズミ

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