【師匠の】師匠シリーズを語るスレ第六夜【行方】
師匠シリーズセルフパロディ。
215 :本当にあった怖い名無し:2008/03/29(土) 00:39:07 ID:3Bao7i9s0
師匠と京介さんは俺を通して喧嘩をする。
面と向かって何故言わないのか、こちらにとっては実に迷惑である。
「あのオトコオンナ、車ヘコましたんだって? ヘタクソって言っといて」
「死ねって言っとけ」
「また背が伸びたんじゃないか、アイツ」
「死ねって言っとけ」
「自力で呪い殺せば? って言っといて」
「死ねって言っとけ」
……
すべて俺を介したやりとりである。
律儀に伝える俺も俺だが。
しかしある時、師匠がこう言った。
「夢が見れないとか、バカじゃないの。高卒脳だからかな」
いくらなんでもさすがにこれは伝えられない。
2日後。なんとかオブラードに包んで翻訳しようかと思ったが、
なんだかこんなことで俺が苦悩するのもバカバカしくなり、投げやりになってしまった。
「うるさい、ブスって言ってました。でも笑ったら結構かわいいとも言ってました」
京介さんはきょとんとして、それから「ハァ? ふざけるな」と俺の胸倉を掴んだ。
「あいつがそう言ったのか?」
思わぬ剣幕にしどろもどろになって「ウソ。ウソですウソ」と繰り返していると、
「死ねって言っとけ」と突き飛ばされた。
京介さんのマンションから追い出されて、なんだかムカムカしながら階段を降る。
駐輪場でぼーっとしながら自転車のチェーンを外していると、背後に誰かの気配を感じてビクッとする。
おずおずと階段の陰から出て来た彼女が何を言うのかと身構えていると、
「なあ、あいつがほんとにそう言ったのか」
もうね。お前ら二人とも死ねよ。