たらればさんFGO記

【FGO・亜種特異点Ⅰ新宿】重厚で良質なサスペンス小説を読んだ気分!【たらればさん感想・評価まとめ】

ツイッターで有名なたらればさんが、Fate/Grand Order 第1.5部 亜種特異点Ⅰ悪性隔絶魔境『新宿』新宿幻霊事件の感想をつぶやいていました。

いつもながらとても勉強になる内容です。


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※以下、たらればさんの「FGO・新宿」に関する話題まとめです。

たらればさん 亜種特異点『新宿』感想

新宿の全体の感想

・最初に全体像をば。この「新宿」は、文学編と読んでもよいと思うほどフィクション愛にあふれたシナリオでした。

重厚で良質なサスペンス小説を読んだような気分です。いやーこれはすばらしい。あんまりすばらしくて関連書籍に片っ端から言及してたら永遠に感想を書けなくなる気がしました。

・さて第1節。「主人公の落下」と「見知らぬ相手からの救命」から始まります。この冒頭演出ってインパクト抜群で、FGO第1部七章もそうなんですけど、『天空の城ラピュタ』もこの手法を使ってますよね

・主人公の命を救った謎のアラフィフ、このおっさんを知っている…(懐古イベントで会いました)

モリアーティについて

・モリアーティって(カルデアの検索でも出てこないように)存在があやふやなんですよね。

・原作でもホームズとマクドナルド警部(『恐怖の谷』)しか目撃していない。

・「ホームズの妄想か」という説もあるほどです。FGOではそうした存在を逆手にとった演出が多々あり(後述)、心がほくほくしました。

巌窟王について

第1節最後半部で『巌窟王』エドモン・ダンテス(?)、影だけで登場。よく読むと本節最後のセリフで「よし、これでらしくなったろう」と言っていて、おおおおいこれ変装中の練習やんけ…と気づく仕掛けでした。

・前から思ってたんですけども
・このゲーム
・「伏線」の張り方が全般的に鬼

第2節を終わった時点で「よっしゃ今回は『巌窟王』回か、岩波文庫版『モンテ・クリスト伯』全七巻再読したろ!」と思って再読したらまさかの。お、おもしろかったです……。

森山絵凪先生が描かれた白泉社版『モンテクリスト伯爵』も初心者向けとして充分面白いです(よくぞ12話でおまとめに)

岩波文庫版も(新聞掲載の大衆小説だし)セリフが多いラノベっぽい構成です。

復讐鬼とか呼ばれますが、原作では巌窟王、わりと巌窟に居ないしわりと人の話に耳を貸す大金持ちです。

読む際は敬虔なキリスト教徒特有の「復讐するは我(神)にあり」という意識を頭に入れて読むと一段深く読めます。

第4節、カヴァス二世登場!!

・カヴァス二世! カヴァス二世!! 原作(アーサー王物語)ではアーサーが犬(カヴァス)を連れ、マーリンが猫(キャスパリーグ)を飼っており、両者の性格というかキャラ付けの一環になっている気が。英霊として実装されてたら出るまでガチャを回してました。危ない!

・アルトリア(セイバーオルタ)に続きジャンヌ・オルタも登場。二人が張り合うのは、それぞれイギリスとフランスを代表するキャラクターで、英仏両国の仲の悪さを反映しているんでしょうね。

・その競合関係がダンスへの執着につながり、それがラストの演出に効いてくる仕掛け、感動しました。

第8節、「新宿のバーサーカー」ことファントム(『オペラ座の怪人』)撃破

・この一連、「愛する者が狂ったり壊れた場合、一緒に狂ったり壊れるのは愛か?」という非常に文学的なテーマがあり、しびれました。本シナリオで言うと「愛ではあるが狂っている」となります。愛と狂気は相性抜群ですね。

・モリアーティ(善)の説教が刺さる。「それは責任をとったのではない。責任を放棄し、互いに壊れ壊れて落ちていく無惨な心中者だ」

・容赦ない正論ですが、『オペラ座の怪人』原作を踏まえるともう一段深く沁みます。ファントムは他ならぬクリスティーヌに原作内で心中を否定されてるんですよね。

第9節

・第9節で新宿のアーチャーが宿敵をシャーロック・ホームズと名指し(モリアーティ確定)。そして新宿のアサシン、燕青が主人公を拉致。

・「1999年に世界は終わる。かつての与太話が現実に成り代わるのだよ」

・おお、「地球に恐怖の大王(小惑星)を降らせる」から舞台が1999年なのか!! 若い人は『ノストラダムスの大予言』とか知っているのでしょうか。

・アジトで虜囚シェイクスピア登場し、手紙を預かっていることに気づく主人公。ああそうか、モリアーティ(善)が主人公の拉致を黙認したのは巌窟王(ホームズ)を介入させるためだったのですね。脱走後ホームズが変装解除

ホームズによるモリアーティとこの特異点の解説

・『シャーロック・ホームズ』シリーズ全体でモリアーティの記述が少なく、会った人間が少ないのは、ホームズがわざとワトソンにそう書かせたとのこと。

・記述が増えるほどモリアーティが世界に干渉できる余地が広まるからと。すげえ構成考えるなー

・ちなみにシャーロック・ホームズの関連書籍は山ほど出ているので紹介が難しいのですが、入門編とか世界観を俯瞰するのに向いているのは河出書房から出ている『図説 シャーロック・ホームズ』小林司、東山あかね著が親切だと思います。

・実在するライヘンバッハの滝のガイドもあってお薦め。

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燕青について

・燕青は『水滸伝』におけるナランチャ(JOJO)的存在だととらえております。

とはいえわたくしの『水滸伝』関連知識は横山光輝先生の作品がほぼすべてなので……勉強します。

・西洋史だけでなく東洋史にも造詣が深い人がシナリオを担当しているんですね…すごいなあ……。。どんな怪物が監修してるんだ。

第10節、バレル計画全貌判明

・原作(『最後の事件』)のモリアーティ執筆論文『小惑星の力学』からとってるんですよね。この論文の中身は原作でも触れられていないんですが、どんな内容かはシャーロキアンのあいだで活発に議論されています(「E=mc2と書かれていた」などという二次作品もある)

第12節でアルトリアとダンス

・この一瞬を永遠にしたいと思うとき、人は何をするのでしょうか。刹那を生きる英霊とマスターの関係性を思うと、かなりグッとくるシーンでした。

・さらっと出てくるけど「タワーリング炎熱地獄」って『タワーリング・インフェルノ』(1974年)に引っ掛けてますよね。

第13節「狼王リターン」

・ジャンヌ・オルタの述懐が深い…「私は贋作で、人工で、捏造だ」

・これは第1部1章「オルレアン」でも言及されていたことですが、彼女は反転(オルタ)した存在であり、だからこそ「善と悪に分かれた」というモリアーティに対して懐疑的な態度を取り続けるわけですね。

・ジャンヌ・オルタがあのシーンであの場所に残ったのは、あの集団のなかでジャンヌだけがロボの(人間に対する)絶望に共感できたからなのでしょう。

・『狼の王 ロボ』はシートン動物記のなかでも屈指の名編です。青空文庫で読めるのでぜひ一読をお薦めします

・このシナリオ、ファントム、燕青、狼王ロボ、エミヤ、ホームズ(エドモン)、モリアーティと、登場人物がほとんど創作上の人物なんですよね。

例外はジャンヌ(オルタ)とシェイクスピアとアンデルセンで、あれ、けっこう多いな…。書く者と書かれる者、「虚構対現実」というテーマを読みとりました

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第18節で隕石解説

・『魔弾の射手』における7発目の(悪魔の)弾丸は射手の大切なものへ命中する、というルールを利用したと告解。

だから善のモリアーティは記憶をなくし、主人公とともに戦うことで、大切な主人公に命中するよう誘導したと。

何食ったらこんなシナリオ考えつくんだ(褒めてます)

・これ、だから本シナリオ中盤で燕青がマスターを拉致した時も、モリアーティ(悪)はまったく手を出そうとしなかったわけか。

あの拉致→脱出はホームズを盤上に呼ぶためであり、今回の襲撃は魔弾(隕石)の召喚のためだったと。

動機は『小惑星の力学』の証明か。などと感動してたらガチ巌窟王登場

・おおあああなるほど永遠の悪役であり必然的敗者であるモリアーティが、その運命を回天させるために「キャラの分離と再構築」という禁じ手を使ったのに対し、主人公側は「作者を召喚して物語そのものを書き換える(キャラも追加)」という手段で対抗。

すっげぇ、、、賢すぎて禿げる、(褒めてます)

・これは作者とキャラクターが混在するFGO世界観だからこそ可能な展開ですねえ。

・しかも宝具の使用順序が粋。アンデルセンが「貴方のための物語」で逆転の物語を用意し、シェイクスピアが「開演の刻は来たれり、ここに万雷の喝采を」で召喚を完了する。

このために用意した宝具名かと思うほどすごい

胸熱の名探偵アベンジャーズ展開

そして胸熱の名探偵アベンジャーズ展開

・わかった順でいうと、丸顔の神父(ブラウン神父)、紐を弄る老人(わかりませんでした!)、モジャ髮の博士(ソーンダイク教授? 自信なし)、高慢なベルギー人(これはポアロで即確定)、生真面目な紳士(わかりません…)むずかしい…。でも楽しい……

・鼻息荒くメモりながら「検索したら負けな気が…」と何と戦っているんだわたくし。

・モリアーティ撃破、最後のロジックは「犯人として名指すことの意味」と「これまで一度も正義の魅力を味わったことがなかった」

「一歩足りなかったが満ち足りた」という矛盾は、すべての敗れざる者たちへ送りたい

そしてエピローグへ

・感無量のエピローグ、最後にジャンヌ・オルタとダンスし、アルトリア・オルタと犬で閉幕・帰還。ジャンヌ(とロボ)、アルトリアと犬の恩讐を昇華したと。

ガチ泣きそうになりました。第18節だけで一本の冒険活劇みたい。

・その後種火周回してたらマスター礼装が変更できることに気づきました!マジかこれすっげえ便利

・戦術の幅がいきなり広がりますね! と興奮しながら全体法具もちバーサーカーを慌てて育成。種火3Tキルの最大の利点は(時短ではなく)快感と見つけたり。

次はイベント走ります。わーい紫式部先輩だー!

・フレンドの皆さまいつもありがとうございます頑張ります!(了)

参照元:https://twitter.com/tarareba722/status/1128496625247064064

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