世にも奇妙な物語

【世にも奇妙な物語】復讐クラブ

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平野は、仕事で課長にいつも怒鳴られ、
同僚には、面白みのない人・鈍いヤツと陰口をたたかれる
さえない中年サラリーマン。
そんな平野にもひそかな楽しみがあった。

それが「復讐クラブ」

復讐したい相手に対して、自分に代わって他人が復讐を代行するシステム。
復讐リストに復讐したい相手と遺恨内容を書きクラブに提出する。
クラブはリストの内容に応じて他のメンバーに復讐代行指令を送り、
復讐を代行。
後日、依頼したメンバーに復讐結果が通知される。

メンバーは、自らの復讐依頼枠とそれに相当する復讐代行義務を負う。
当然平野も復讐代行義務を負うが、復讐内容も手段も全てクラブが
指示してくれるため、何の心配もなく復讐代行を遂行できる。
そして、各会員が遂行している復讐現場を撮影班が映像に収め、
復讐後には、それを映写会で楽しめるというアフターサービス付き。
平野はストレスを解消し、徐々に熱中していった。

だが熱中すればするほど日々の些細な出来事が復讐の対象となっていく。
復讐依頼が増え、それにつれて復讐代行義務も増える。
限界に近い復讐代行義務を抱え、仕事は疎かになり課長に叱責される
毎日となった。

そんなある日、クラブから復讐代行指令を受ける。
ターゲットは・・課長だった・・。

「飲みに誘って酔い潰し、分かれたあとの帰り道を襲って一発後頭部を殴る」

偶然にも課長から飲みに誘われ、なんとか酔いつぶそうとする平野だったが
課長からもしきりに勧められ相当の酒量を飲んでしまう。
2人ともヘベレケとなり分かれた後、平野は道端の角材を手に課長の
後を追った。
そこで見たのはブロックを手にし自分の後を追ってきた課長。
一瞬の沈黙の後、2人は奇声を上げお互いに殴りかかっていった。

同じ頃、クラブではある失敗が報告されていた。
「ターゲット同士に同じ復讐指令をだしてしまった。」

殴り合い血まみれになった平野はやっと気付く。
日々の課長の叱責も、仕事のミスも、家でのちょっとしたトラブルも、
身の回りでおきた些細な出来事は、全てが誰かの復讐だったんだ・…。
こんなクラブがあれば誰もが入る・・・
誰もが…誰かに…復讐したがっているんだ…

この一部始終をスクリーンで観て爆笑するクラブの会員達。
妻、息子、同僚、ご近所、これまで平野が復讐した人たち・・・

「誰もが誰かに復讐を!」
「誰もが誰かに復讐を!」
「誰もが誰かに復讐を!」
「誰もが誰かに復讐を!」

誰もいなくなった部屋でタモリが映写機を止める。
「身近に起こる些細な不幸は、復讐クラブの仕業なのかもしれません
あなただけですよ。入ってないの。」

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