後味の悪い話

【後味の悪い話】ドキュメンタリー「まさか、2年も経つなんて 遙かなるソロモン」

360: 本当にあった怖い名無し 2022/06/24(金) 21:01:40.24ID:sORDbj140
深夜、なにげに観たドキュメンタリー番組が衝撃的に後味が悪かった。
番組タイトルは「まさか、2年も経つなんて 遙かなるソロモン」

NGOの職員として働く日本人男性。
赴任したソロモン諸島で出会ったソロモン人の女性と結婚する。
そして日本に帰ってきてから娘を2人授かる。
家族4人幸せに暮らしていたのだが、2019年子宮頚がんが見つかり、
年末には転移していた事が分かる。

先は長く無いと感じた男性。
奥さんの最後の願は、母と9人の兄弟の中でも
1番仲の良かった兄に会いたい、というものだった。
その願いを叶えるため、はるばるソロモン諸島から縁もゆかりも無い日本へと来日してもらった71歳と老齢の母親と兄の2人。

まもなくして奥さんは家族みんなに看取られながら息を引き取る。
そして悲しみの中、母親と兄はソロモン諸島に帰ろうとするが、
折しも日本は2020年5月。
新型コロナの感染拡大でソロモンが日本からの入国を拒否。
2人は帰国出来なくなる。持っているのは「観光ビザ」のみ。
働く事も出来ず、家で過ごすしか無い。
電気もガスも無いソロモン出身の2人。
初めて触れる日本に戸惑いを隠せないが、
故郷にも帰れず仕方なく何とか日本での滞在を続ける。

しかし数ヶ月も経つとお互いのストレスも溜まり、
母親も故郷に帰りたいと涙を流す。

361: 本当にあった怖い名無し 2022/06/24(金) 21:10:03.00ID:sORDbj140

番組の中では近所の方の好意もあり、
畑仕事の手伝いをしながら気晴らしをしている様子なども撮影されていた。
だが、ソロモンの大使館すら無い日本。
ソロモンの直行便などあるはずも無く、シンガポール、オーストラリアの2つの国を経由しないと帰国出来ない。
そしてその2つの国も島国であり、
新型コロナウイルスに対する入国制限も厳しい。

男性も家族が増え、出費もかさみ忙しい仕事の合間に2人の帰国の手続きをするも難航する。そしてついに2年の月日が流れる。
兄にはソロモンに残した妻と子供たちも居た。しかし、家に電話も無い、もちろんインターネットすら無い。
2年近くの間連絡が取れたのは2回だけ。
なぜ帰れないのかと聞かれ、コロナウイルスの為だと説明するも、情報が無いソロモン。
コロナウイルスとは何だ?なぜ帰ってこない?と言われる始末。

362: 本当にあった怖い名無し 2022/06/24(金) 21:12:14.36ID:sORDbj140

そんな中2022年になり、
経由地のオーストリアのビザの申請さえ通れば帰国出来るという所まで来た。
だが、兄の申請は通ったのだが母親の申請は通らなかった。
カメラの前でも憤りを隠せない母親。
あなたが申請をしなかったのでは無いかと男性に怒りをぶつける。
兄の出発のギリギリまで待つが、結局母親のビザは間に合わず。
2人でキャンセルするか兄だけ帰国するかの2択を迫られる。
兄の帰った後、母親のビザが通ったと連絡が来た。

その日の夜に母親は笑顔でソロモン諸島に帰国する。
苦難はありつつも2人は故郷に戻り、
奥さんの生まれた地にお墓を作ってあげたと連絡が来る。

363: 本当にあった怖い名無し 2022/06/24(金) 21:12:48.45ID:sORDbj140

そして最後のナレーションで、
兄の妻は別の男性と結婚し、4歳の息子はその兄が
引き取って育てているという衝撃の事実が伝えられる。

誰ひとり悪意は無いのに
周りが不幸になるという救われなさに後味の悪さを感じる。

ソロモンで待って居た妻にしてみれば、
テレビもインターネットも無い中、コロナウイルスによって帰国出来ないと説明されても理解に苦しんだだろうし、お金の送金も無い中、子どもを育てていくためにも別の男性との結婚は仕方なかったのかとも思う。

娘の、妹を看取りたいという善意の気持ちに動かされた2人と
奥さんの最後の願いを叶えたいという善意の男性。
医療の発達して居ない島国だからこそ、国民を守るため
感染を広めるわけにはいかず、帰国の許可を出せない政府。
誰にも悪意が無いからこそラストの衝撃が強い。

番組の終わりに兄からのメッセージが心に響いたので
記して終わりにしたいと思う。

「日本のみなさん ソロモン諸島に帰りました 妻は去りましたが 人生は美しい」

364: 本当にあった怖い名無し 2022/06/24(金) 21:33:19.83ID:srlEwtQ90

それ愛知県の話だよね? 中日新聞が追跡取材をしていたから、帰国までの経緯は知っていた
しかし、兄の妻の後日譚は知らなかったな
意外なところで「その後」がわかって驚き、ありがとう

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