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55:本当にあった怖い名無し:2013/08/21(水) 19:53:05.04 ID:DZUYDzAN0
ウィリアム・イースタリー『エコノミスト、南の貧困と戦う』
著者は、15年間世界銀行で貧困国への支援プロジェクトなんかを担当していた人物で、
この本はその経験をまとめたもの。
過去の貧困国支援が失敗した経緯を分析して改善策を提案する本なので
全体的に重いんだけど、その中でも特に読んでて痛かったのが
「貧困層が多く困窮度合いのひどい国ほど優先的に手厚く支援する」
方針が破綻する経緯をつづった箇所。
失敗する原因はとても単純。
この方針では、国民の困窮が深刻なほど多くの支援が受けられる。
ここでこうした国の指導者の立場に立って考えてみると、
国内の貧困層が減れば自分が受け取る資金が減り、
貧困層が増えれば自分が受け取る資金は増えることになる。
さて、この指導者は、国内の貧困層を減らすほうに努力するか、
それとも増やすほうに努力するか?
言うまでもないよね、と。
筆者の結論
「逆説的にだが、もし(貧困撲滅を目的とした)援助供与の決定が、
貧困層に配慮しない冷酷な機関にゆだねられたとしたら、
援助受取国における貧困層の生活水準は上がるだろうと考えられる。」
・・・・苦いよ('A`)
61:本当にあった怖い名無し:2013/08/22(木) 18:27:38.12 ID:dtPzDaIv0
支援を受けてる貧困層が楽しようとしてるんじゃなくて、
支援から中間搾取の甘い汁を吸い続けたい支配者層があえて生活水準の向上を妨害している
結果としていくら支援を投じても支配者を太らせるだけに終わる
だから、人道的に支援するよりはいっそ放置したほうがいいかもしれない
っていうやや冷笑的なことを言ってるんだよな
62:本当にあった怖い名無し:2013/08/22(木) 18:53:07.69 ID:SdP5diN20
>>61
単に支配者が悪徳だから貧困層を苦しめる、なら別に普通のことだし、支配者が太るために
中間搾取をするなら単にそのバカを変えればなんとかなるって希望はある。
でも、たとえば病院を建てないといけないとか産業を興して国民が働ける場を作りたいとか
学校を整備して国民の教育水準を上げたいとか考えてる現地政府に向かって、
「もっと支援が必要なら、国内の貧困層がもっと悲惨な目にあっていないといけません」って
言う状況だと、支配者が真剣に国の発展を願っていれば願っているほど、
貧困層を苦しめる選択肢を取らざるを得なくなるじゃない。
でも、貧困層支援を基準にした途上国援助って、そういってるも同然だってこと。
先進国の人間は貧困層を救うって善意から、貧困層をターゲットにした支援ガイドを作った。
それは絶対に間違いない。でも、実際に運用したら、貧困層を苦しめるように現地政府を
誘導するだけの支援規準でしかなかった。
そういうことだと思う。