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83: 本当にあった怖い名無し2019/06/24(月) 12:14:06.80ID:aZlWGg8V0
ミステリーボニータか何かで読んだ話。
(1/2)
夜、意識のない息子を連れて車を走らせる主人公。
息子は事故で頭に大怪我をし、もはや手の施しようのない状態だった。
そんな息子を主人公は病院から連れ出し、かつて祖母が住んでいた村へ連れて行く。
この村の外れにある神社には神様がいて、どんな怪我でも治してくれるのだ。
事実、幼い主人公が手にひどい怪我をした時も、神様のおかげですっかり治っていた。
後日、奇跡的に回復した息子が退院し、家に帰ってくる。
「まさかこんなに元気になるなんてな。お前がこの子を黙って病院から連れ出した時は、どうなることかと思ったよ」
そう言って喜ぶ夫に、「母の愛は強しよ」と微笑む主人公。
息子は後遺症もなく、小学校にも元気に通うようになり、誰もが安堵する。
ある日、息子と一緒に風呂に入っていた夫が火傷をする。
頭を洗っている時、シャワーから突然熱湯が出てきたのだ。
「すぐ止めたから大したことないよ。お湯がかかったのが俺で良かった」
そう言う夫だが、主人公はなんとなく嫌な予感を覚える。
一瞬、死んだ祖母の言葉が頭をよぎる。
ーーーーーあの神社の神様はどんな怪我でも治してくれる。ただ・・・・・
小学校で友達と遊ぶ息子。
「元気になって良かったね。大怪我したなんて信じられないくらいだよ」
そう友達から言われた息子は、「嘘じゃないさ。見てみる?」と返す。
影だけで、息子が自分の頭部を胴体から外してみせる様子が描かれる。
夜、友達の一人が親の前で呟く。
「今日、〇〇君(息子の名前)の怪我を見せてもらったの。すごく怖かった」
「そんなこと言っちゃいけません。大怪我だったんだから、傷が残っていて当然でしょ。優しくしてあげなくちゃ」
「でも、〇〇君、首が・・・・・」
84:本当にあった怖い名無し2019/06/24(月) 12:15:35.66ID:aZlWGg8V0>>86>>97
(2/2)
その後も主人公宅では不可解な事故や怪我が相次ぐ。
最初は半信半疑だったが、徐々にそれらが息子の仕業だと気づく主人公。
とうとう夫が事故に遭い、意識不明の重体になってしまう(車の事故か何かだった気がする)。
もう耐えられない。
ついに我慢の限界に達した主人公は、息子を連れて再び神社に赴く。
社の中には、体は人間ながら歪な頭部を持つ生き物が鎖で繋がれていた。
この生き物は強い再生能力を持っていて、住民は怪我をするとその部分を切り落とし、生き物の体と交換していたのだ。
かつて手を怪我した主人公も、自分の手と生き物の手を切断・交換して怪我を治していた。
あの日、主人公は大怪我をした息子の頭部と生き物の頭部を交換した。
ーーーーー頭の怪我だけはだめだ。頭だけは交換しちゃいけない。化け物になるよ。
祖母からはそう忠告されていたが、何としても息子を助けたかった。
だが、祖母は正しかった。
ここにいるのは姿形は息子だが、災厄をまき散らす化け物だ。
「あなたは私の子どもじゃない。うちで起こった事故は全部あなたの仕業でしょう」
そう叫び、息子に向かって斧を振りかざす主人公。
その時、鎖に繋がれた生き物が、主人公を見て呟いた。
「・・・ママ・・・」
愕然とする主人公は気づく。
頭を交換したせいで、息子の体はこの生き物に乗っ取られてしまった。
では、ここで鎖に繋がれている生き物の中身は、もしかしたら・・・・・
凍りつく主人公の体に、隙を見て息子が取り上げた斧が振り下ろされた。
社の中に放置された主人公の遺体。
繋がれたままの生き物は、「たすけて・・・」と呟く。
息子は異形の生き物と成り果て、ずっと社の中に監禁されたまま。
たぶん、訪れた怪我人に体を切断・交換され続けるという運命を辿る。
息子になり替わった生き物のその後も分からずという結末がすごく後味悪かった。
85: 本当にあった怖い名無し2019/06/24(月) 14:02:09.33ID:Ch3WyEED0
面白い
でも顔交換してたら周りも違和感ありそうだけど
86: 本当にあった怖い名無し2019/06/24(月) 14:15:02.94ID:kmSbfmdy0
>>84
素晴らしいな。作者が誰なのか気になる
97: 本当にあった怖い名無し2019/06/25(火) 13:17:52.92ID:AD4mOmk50
>>84
祖母が「頭を交換すると化物になる」ってわかってるってことは前例があったのだろうか?
興味深い作品だ
87: 本当にあった怖い名無し2019/06/24(月) 15:15:12.99ID:7SgCR6hGO
成毛厚子あたりの耽美系で脳内再生
久々に正統派の後味悪い話をありがとう