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400: 阿部一族1/2 2012/07/24(火) 19:18:08.54 ID:0z6Sw9/tP
森鴎外 阿部一族
殿様が病床につき、もう亡くなるという時、殿様に特に可愛がられた家来は
死出の旅のお供として殉職を願って出る。
殉職するには殿様の許可が必要なのだ。
殿様も殉職させたくはないが、許さず生き残った家来は
「不忠義者」と周りに恥辱を受ける為、仕方なく18名ほどの殉職を許可をする。
許可された家は名誉として家族の面倒一式を上から見てもらえる。
阿部という家臣も殉職を願い出るが、殿様は何故か昔から阿部が好かず、
仕事は完璧にするし、働きは良いのだが、顔をみるとどうしても逆らいたくなる。
犬の散歩役などの下役の者にすら許しを与えたのに、
遂に阿部に殉職の許しをしないまま、殿様は亡くなる。
401: 阿部一族2/2 2012/07/24(火) 19:18:59.39 ID:0z6Sw9/tP
そのうち殉職を許された者が全員が切腹し、皆は彼等は立派だと褒め称える。
それにひきかえ、と阿部は不忠義者だと陰口を叩かれる。
許されない殉職はただの犬死と扱われる為、暫くは気にせずにいるが、
あまりの誹謗中傷に耐えかねて息子と一族の目の前で切腹する。
しかし、殿様の跡を継いだ子息は、他の殉職者とは違うからと、
阿部一族には何の恩赦も取り計らいもしない。
周りは新しい殿様も軽んじたのだからと、
一層阿部一族を軽んじ、犬死にだのと揶揄する。
長男は肩身を狭くして過ごさなければいけなくなった。
一年経ち、先代の殿の一周忌の法要の場、皆の前で阿部長男は自分の髷を切る。
(武士を辞め仏門に入るというパフォーマンス)
顔を潰されたと殿様の怒りを買い、
乱心として、切腹も許さず、罪人のように縛り首にされる。
余りの非情の沙汰に、阿部一族は長男の屋敷に死を覚悟して立て籠もる。
殿様は上に逆らう不届き者として阿部家に討ち入り、一家血縁者を全滅させた。
426: 本当にあった怖い名無し 2012/07/25(水) 06:44:17.57 ID:I3TXddM/O
>>400ドラマになったやつ?
あの白装束で屋敷に突撃して、火縄銃で蜂の巣になったシーンはトラウマだわ。
ラストの新しい殿様の物分かりの無い一言も後味悪かったな。
402: 阿部一族 2012/07/24(火) 19:24:29.73 ID:0z6Sw9/tP
因みに史実を元に作られているので、因果関係は兎も角本当にあった出来事
403: 本当にあった怖い名無し 2012/07/24(火) 19:41:25.96 ID:PIfsIdrB0
阿部一族が可哀そうすぎるやん。
406: 本当にあった怖い名無し 2012/07/24(火) 21:35:09.19 ID:JOmdqxm50
史実だと、
・殉死は全員許されていなかったが、それでも決行。
・阿部氏も他の皆と同日に切腹している。
・殉死した家臣らは亡君に取り立てられた新参者(阿部氏は元は庄屋だったとか何とか)
古株の家臣らにとっては目障りな邪魔で、殿様の後ろ盾が無くなると後追いせざるを得ない雰囲気の立場になった。
・息子の代になってからの阿部家の没落は、殉死騒動とは直接の関係は無い勢力争い。
(髷を切る際に、新藩主へ何かの直訴状を提出したらしい? 反抗的な態度とみなされた。)
という感じらしい。
森鴎外が下敷きにしたタネ本の時点で既にけっこう脚色されていたっぽい。