後味の悪い話

【後味の悪い話】相棒『ボーダーライン』

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420: ボーダーライン1 2011/01/07(金) 11:58:00 ID:H7s5m2ZQ0
去年の12月に放送された右京・神部というペアが活躍する刑事もの
「相棒」で「ボーダーライン」という回は救いようもなく後味悪かった

歳の暮れの朝、ビルの下で男性の投身死体が発見される。
身体中に付いていた防御創から、男性はビルの屋上で何者かに襲われ
必死の抵抗中にビルから転落した模様。

屋上に残っていたバックから、男性は柴田(37歳)と判り、バックの中には
殆ど残金の無い財布、期限切れギリギリの保険証、大中小の3つの鍵が残されていた。
また、胃の内容物は「ワカメ」「パン」等、そこからメニューが想像できない
バラバラの食材ばかりだった。
右京達は、柴田が死ぬまでの足跡を追っていく事となった。

右京達が保険証の住所のアパート訪ねると、大家は「柴田さんは11ヶ月も前に
寮付きの職場が決まったと、引っ越されましたよ」と答え
柴田が死んだ前日に彼が住んでいた部屋に新しい入居者が入っていた。

3つの鍵のうち、大きい鍵がレンタルコンテナのものだと判り、そこへ行くと管理会社は
「柴田さんは契約違反をして、このコンテナの中で寝泊まりしていた事が判ったので
契約を打ち切った」という。
柴田は寮付きの仕事についたはずなのにどうして倉庫に寝泊まりを?と
柴田が退職前には派遣社員として長年働いていて、将来的には正社員の話もあったという
イベント会社を訪ねると、柴田は11ヶ月前に派遣切りに遭っていた。
会社の幹部は「住みこみ寮のある仕事を紹介したからうちは関係ない」とうそぶくが
右京達が調べると、その「紹介先」は、寮の話も嘘で、こういう派遣切りに遭った人達を
日当もピンはねして悪条件で働かせた挙句、短期間で放り出すという悪徳業者で
柴田もそこを一ヶ月で辞めさせられていた。
(会社は全て承知で柴田を追い出すためにそこを紹介していた)

421: 420 ボーダーライン2 2011/01/07(金) 11:58:28 ID:H7s5m2ZQ0
第2の鍵は私書箱の鍵だと判明。
そこには柴田がハローワークに通い、熱心に就職活動を
していた事が伺えた。

ハローワークを訪ねると、柴田の担当だったという職員は
「柴田さんは元気で前向きに就職活動をしていました」と。
第3の鍵は、そのハローワーク内のロッカーの鍵である事が判り
中には、柴田が「医療事務」の資格を取った際の参考書と
プリベイド式の携帯電話、未届けの婚姻届が残されていた。

婚姻届に記載されていた女性を訪ねると、彼女は既に柴田と
別れていた。彼女は柴田がいつまでも正社員で就職出来ずに
いることで彼をなじり、喧嘩となって判れが決定的になった時に
「あなたは社会では必要とされていないのよ!」という言葉を
柴田に投げつけていた。

柴田には老母と兄が一人いたので、神部達がその兄を訪ねると
兄もこの不況の中、自分の家庭やローン、寝たきりの老母の
入院費等、自分達の生活を守る事が精いっぱいで
一度だけ訪ねてきた弟(柴田)を冷たく追い返していて、その際に
「いつまでも定職に就けないのはお前の努力が足りないからだ」
という言葉を投げつけていた。

携帯の内容から、柴田が古物商の事業者の免許を取っていることが判り
その古物商を訪ねると、そこは「盗品」を扱う曰くつきの店であり
柴田は路上で名義売買の男に声を掛けられた事から、切羽詰まっていた
柴田が自分の名義を10万円で何度か売っていた事が判ったが
その名義売りももう限界に来ていて、最近は売人から名義売りを
断られるまでになっていて「もうお前の名前には価値がねぇよ!w」と
罵られていた。

422: 420 ボーダーライン3 2011/01/07(金) 11:58:52 ID:H7s5m2ZQ0
この名義売人からの情報で、柴田は医療事務の資格を取っても
年齢と実務経験の無さがネックとなり、就職先が見つからず
お金も寝るところも無く、最後の手段として生活保護の申請をハローワークの
担当者に申し込んだが、担当者からは申請の受理もされずに門残払いを
されていた事が判明した。

右京達に「柴田の現状で嘘の供述をした」事を責められたハローワークの担当者は
ヒステリックに「だって今、ハローワークは人手不足で自分一人で100名を超える
受け持ちが居るんです!柴田さんの申請など手が回りませんよ!
それに国は生活保護費を抑える方針がから、若い柴田さんの申請など
通らないに決まっているし、余計な申請者など出したら私が上から
責められるんです!私が悪いんじゃない!」と訴える。

右京が答える
「そうですね。もしかしたら柴田さんの申請は通らなかったかも知れない。
でも受理されていたら、調査が行われてお兄さんの所にも柴田さんの窮状が
もっとはっきり伝わっていたでしょうね」

派遣切りで職を失い、アパートを出て、寮住まいの仕事話も嘘で、コンテナから追い出され
折角取った医療事務の資格も役に立たず、収入もない、名義売りも限界
お金も住むところもない柴田は、最近は食品の試食売り場を回って
食欲を満たすようになったらしく(胃のバラバラの内容物はこのため)柴田の手帳には
同じ試食売り場を短期間で回らないように、几帳面に回った試食売り場が逐一書き込まれていた。

それでも、何度も回っていると顔を覚えられてしまい
死ぬ直前に回ったパンの試食会場では、販売員の若い女性に
「(試食ばかりでなく)気に入ったら買って下さいね~」とチクリと嫌味を言われて
試食のパンを掴むと、その場を逃げ去っていた事が判る。

423: 420 ボーダーライン4 2011/01/07(金) 11:59:20 ID:H7s5m2ZQ0
それでも最後まで就職に望みをかけていたらしい柴田は、多くの履歴書を
求職先に送っていた。
その際に書きこまれていた住所は、まだ次の入居者のなかった
11ヶ月前まで昔住んでいた、最初に右京達が訪ねたアパートだったが
柴田が死ぬ前日は、新しい入居者がやってきた日だった。

柴田の兄に右京は言う。「誰が柴田さんを殺したか判りました」
柴田を殺したのは柴田自身の自殺だった。

正社員を餌に長年派遣で勤めていた会社にはには、あっさり裏切られ
苦しい中必死で医療事務の資格を取ったのに、役に立たない。
必死の就職活動も37歳という年齢では「高齢過ぎて」雇って貰えない。
恋人にも去られ、名義貸しをするまで落ちぶれたのに
その自分の名前すら価値がなくなった。
兄には頼れない、頼った行政には「若すぎで」門前払いされ
唯一就職の希望だった、履歴書に書きこむ住所も失った。

医療事務の知識で「防御創」の知識をもっていた柴田は、最後の力を振り絞って
ビルの屋上で、自分に深い防御創を作り、ナイフをビル横の川に投げ棄ててから
自分も屋上から飛び降りた・・というのが真相だった。
「彼は一体誰に殺されたのだと訴えたかったのでしょうね」という
右京の台詞が深かったよ。

悪徳派遣業者や名義売買人という悪人もいたけど
柴田の兄だとか、ハローワークの担当者などは、自分の生活を守るのが
精いっぱいなだけで柴田に対して悪意があったわけではなく
元の恋人にしても、自分ももう若くない状況で、生活の安定しない柴田を
いつまでも待ち続けられなかったのも判る。
パン試食で柴田を嘲笑った販売員の女の子も悪気はなかった。
それでもリアルに柴田が追い詰められていく原因になっていくのが怖いドラマだったな。

437: 本当にあった怖い名無し 2011/01/08(土) 01:05:16 ID:WcsYTMJC0
>>423
防御創作ってる時の様子が迫真の演技でトラウマになりそうだった
すごく痛いけど止められない、止めてももう後がないって感じで
ヒーッヒーッって悲鳴上げながらザックザック腕とか切るの
それで「これでやっと…」って感じで身を投げる
ただ投身自殺するだけでなく、あれをやり遂げるほどの心境って…と
身に迫って泣きたくなったわ

424: 本当にあった怖い名無し 2011/01/07(金) 13:05:19 ID:RtNhKbLB0
うちの病院だったら37歳だろうが無経験だろうがとりあえず雇うのに。
贅沢な病院多いんだなって思った。これ観て後味悪かったポイント。

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