後味の悪い話

【後味の悪い話】星新一「地球」

675: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/01/03(土) 09:39:37.14 ID:AA4axlI1O.net
星新一の作品

その惑星は地球以上に文明が発達し、また住民は不老不死の秘法を持ち独自の文化を築き上げていた。
彼らは自分の意思で好きなときに不老不死になり、好きなだけ生きて好きなときに死ぬのだった。
彼らは地球初の太陽系外探査船を温かく迎え、乗務員に秘法を施し噛んで含めるように教えてくれた。

帰還する船内では、地球の人々はさぞ喜ぶだろう、次にあの惑星に行くときは何を土産にしようか、自殺と殺人方法のリストしかないだろ案外喜ぶかも、などと賑やかだ。

船外に金属製のカプセルが漂っていたので、安全性を確かめてから確保し開けてみた。
中身は懐かしい日本の新聞や雑誌、絵ハガキにガム。
みな歓声をあげたが、一人の隊員の顔色が悪くなった。
「おかしい、どれもみんな見覚えがある。
(ありがたいよな、少々古いが懐かしい。子供の頃を思い出すよ。君もそうだろ)
このカプセルも。そうだ、小学校の卒業式で、クラスのみんなで校庭に埋めたタイムカプセルだ」

彼は口が利けなくなった。
その症状は船が太陽系に近づくにつれ、全員にひろがった。
あるものを見た、いやあるものを見なかったせいで。

地球があるべき軌道には何もなかった。

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