後味の悪い話

【後味の悪い話】TONO「博士の魚たち」

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ききたがり

224: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 22:49:34 ID:Fc8PFY3+0
昔読んだ漫画の短編。
うろ覚え。台詞はねつ造も入っていると思う。けどだいたいこんな感じ。

主人公は高学年ぐらい。幼稚園ぐらいの弟がいた。
幼い弟はいつも質問をしてくる。
「なんで空は青いの?」
「なんで鳥は空を飛ぶの?」
鬱陶しいことこの上ない。
母は「そういう時期なのよ。答えてあげてね」と笑顔で言う。
「面倒見てあげてね。弟なんだから」

毎日毎日質問尽くしだ。
「なんで道は続いていくの?」
俺は友達とも遊びたい。弟ばかりにかまっていられない。

ある時から弟の質問は不思議なものになった。
「なんで僕はびしょぬれなの?」
「なんで大人はお兄ちゃんを怒っているの?」
「なんでママは泣いているの?」

留守番を頼まれていた。
短時間だから大丈夫だと思った。
「お兄ちゃんどこへ行くの?」
「おとなしくしてろよ」
そして俺は友達と出かけたのだ。

俺が聞きたい。
「なんで俺は弟から目を離したのか?」「なんで俺は弟から目を離したのか?」

水場に浮かぶ弟の姿。
「なんでこの世には取り返しのつかないことがあるのか?」
答えのない質問を、俺はこれからも聞き続ける…。

226: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 23:04:27 ID:klda1xGG0
>>224
うわぁ、後味悪いー。
まさにこのスレにふさわしい作品ですな…

229: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/17(日) 00:34:00 ID:aWYQUAw/0
>>224
親が悪いのに責められるお兄ちゃんかわいそうだぬ

鳥の羽ばたき

225: 自治スレでローカルルール他を議論中 2010/10/16(土) 22:54:15 ID:+YbtbfqrP
その人のもう一つの短編で鳥の羽ばたきの音が聞こえる奴もなかなか後味悪いよね

228: 224 2010/10/17(日) 00:13:07 ID:x8HZ+06M0
>>225
えっ、誰?
めちゃくちゃ昔に読んだ記憶だけなんで、作者誰かも覚えてません。
有名?

236: 鳥のはばたき1/2 2010/10/17(日) 10:19:47 ID:bsUhl/AvP
>>228
作者はTONO
作品は博士の魚たちに収録されてる「ききたがり」

折角なんで別の短編集から「鳥のはばたき」
長くなったんで分割します。

主人公は女子高生。
ある朝、主人公の姉(社会人)が毎晩鳥のはばたく音が聞こえると言った。
それは姉にだけ聞こえるらしく主人公は聞いたことが無かった。

学校では友人がそれは幸せの青い鳥だという。
姉はもうすぐ大好きな人と結婚するのだ。

帰りに主人公は病院に向かう。
母に会うためだ。
兄が亡くなった後、母は精神を病んで入院していた。
主人公姉妹が友人を連れてくるたび、母は友人を叩いて激昂した。
うちの子供たちは天使様だからあんたたちとは違う、
勝也は空を飛んだ、うちの子にはみんな翼があるんだから
あんたたちなんかとは付き合わない!

母には姉の事は言えない。
今でも友人を持つことを許していないのだから。

母が入院した後世話になっていたおば宅。
おばはそうでも思わないと長男が小3でビルから飛び降りて死んだことをやり過ごせなかったのだろうという。
不幸続きの家だったが、姉はこれから幸せになるのだ。主人公とおば夫婦は幸せそうに笑った。

その夜、姉は婚約者と食事をしていたホテルの屋上から飛び降りて死んでしまった。

237: 鳥のはばたき2/2 2010/10/17(日) 10:22:41 ID:bsUhl/AvP
泣き叫ぶ婚約者、ショックで声も出せずに泣く主人公。
姉は飛び降りる直前まで楽しげにこれからのことを話していたという。

その晩主人公は姉の夢を見る。
鳥のはばたきが聞こえる。
おねえちゃん、それは青い鳥がやってくる音よ。
ちがうの…あのはばたきは幸せが飛び去っていく音なのよ。
ほら、もう一羽もいなくなってしまった。
だからもう 私も おしまい。

姉を呼んで泣き叫ぶ主人公を起こしたのはおばだった。
夢よ、夢を見たのよ、そう言って正気づかせようとするおば。
おねえちゃんが鳥がはばたくっていうの 夜中にはばたくっていうの
でも家の中どこを探しても鳥なんていなかった どうして?
おねえちゃんはノイローゼだったの?!

おばは、一瞬呆然としてこう言った。
勝也が…同じこと言ってた…飛び降りる前に。
ずっと前に死んだ兄。
お前の父親も飛び降りた。自殺なんて信じなかったけれど…

主人公を寝かしつけて外したおばは回想する。
そう、姉(母のこと)が狂いだしたのは長男の時からではなかった。
「夫は天使だったのよ。だから私の子供たちもみんな天使なのよ」
夫の葬式の時からその兆候はあったのだ。
相手側の身内は一人も来なかった。皆、早くに亡くなったのだという。
「あのな、義兄さんの親戚ってな…全員自殺だって…しかも飛び降り」

そんなバカな、そんなことあるわけがない!
首を振って打ち消そうとするおばの後ろで
主人公の耳には鳥のはばたきが聞こえ始めていた。

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