後味の悪い話

【後味の悪い話】読み切り漫画『無貌の人』

583:本当にあった怖い名無し2021/10/03(日) 17:42:29.87ID:S3fDwzpr0
ジャンプ+に掲載された読み切り「無貌の人」

主人公には名前も家族も戸籍もなく、そして顔すらもなかった
しかし他人からは主人公の顔が「心から求めている人の顔」に見えるという能力を持っていた
主人公はその能力を利用して大切な人を失った人間の下を渡り歩いて暮らしてきた
そして相手の依存が強くなりすぎたり金を使わせすぎた時には相手の下を去っていた
大切な人と再会できたのにまた失う人間の気持ちなど主人公にはどうでもいい事だった

ある日主人公はニュースで世界的大富豪が亡くなったというニュースを聞く
その大富豪の妻もだいぶ前に亡くなっていたのだが、その遺産を息子である青年が受け継いだという事を知り
その青年につけ入ってしばらく楽に暮らそうと考える
そして青年の住む屋敷を訪れる主人公だったが、青年は主人公の顔を見て「君どうして顔が無いの」と聞いてきた
今までにないパターンに戸惑う主人公だったが、顔がない主人公に興味を持った青年は主人公を屋敷に招き入れる
青年は主人公に色々質問をし、適当に受け流す主人公だったが、一層興味を持たれてしまい、名前を付けられ一緒に屋敷で暮らす事になる
自分自身に興味を持たれる事に慣れていなかった主人公は居心地の悪さを感じ、青年に大事な人を作らせてその関係が破綻した時にその大事な人に成り代わろうと考える
それから主人公は青年を色々なパーティーなどに連れ出すが、人の目に慣れていない青年は帰り道に気分を悪くして吐くのだった
そして主人公に話をせがみ、主人公も少しずつ色々な自分の話をするようになり、逆に青年の話を聞くようにもなってきた
ある日主人公と青年がコンビニに買い物に行くと、幼い子供を連れた若い女性が不良に絡まれている現場を目撃する
青年はその親子を助けようとして逆に自分がボコボコにされるも、親子から感謝され、それ以来青年と親子は仲良くなり
ほぼ一日中親子の住むアパートに入り浸るようになり、主人公と話す機会が減っていった
主人公はあの女性が大事な人になったのだと感じ目的を達成したと感じる
そして青年と女性の関係が破綻するのを待てず女性を殺す事を決意する

584:本当にあった怖い名無し2021/10/03(日) 17:44:08.02ID:S3fDwzpr0
ある日の夜、主人公は親子の前に姿を見せる
親子の目には主人公の顔は青年に見えており嬉しそうな顔を見せる女性だったが、主人公はそのまま女性を刺し殺す
主人公は逃げながらあの屋敷より青年こそが自分の居場所なのだという事、そしてそこを誰にも奪われたくないのだという事を実感していた
そして青年の下へ戻ってきた主人公は恐らく自分の顔が青年にはあの女性の顔に見えるのだと思い、そのように振る舞おうとする
しかし青年の目には主人公は相変わらず顔がないままであった
主人公は青年にあの女性の事が好きだったのではないかと問うが、青年は女性が「夫のいない母親」であるから気にしていただけだった
それによって不幸になって子供に影響を与えたら自分のような人間になってしまうのではないかと
そして、青年は自らの過去を話し始める
青年の父親は妻、青年の母親をとても愛しており、故に亡くなった時は非常に悲しんだ
しかし、ある時父親は帰ってくるなり狂喜して「母さんが帰ってきた!」と告げるのだった
帰ってきた母は屋敷には来たがらなかったらしく、父としばらく別邸で暮らしていたとの事だったが
青年には父親が狂ったとしか思えなかった
そして、その母が突然消えてしまったらしく、一度戻ってきたと掴んだ幻が再び消えた事で父は母に固執する事しかできなくなっていた
それ以来、父は息子である青年に母の格好をさせてはやはり母ではないと青年に折檻を続けるようになり
その時の父の母に固執する目がトラウマになり青年は誰かに固執する事ができなくなっていた
だからこそ主人公の事が誰でもないから誰よりも好きだったと語る青年
その頃屋敷の周りには主人公が刺殺した女性の子供の証言で青年を犯人と断定した警官が集まっていた

その後、青年が戻らなくなった屋敷を出て街を彷徨う主人公
すると主人公は街中青年の顔を見かけ、喜んで駆け寄りもう自分を置いてどこにも行かないようにと懇願する
主人公はガラスに映った自分の顔を見ながらいつまでも嬉しそうに語りかけるのだった

▼無料で読めます。

無貌の人 - 空空北野田 - 少年ジャンプ+
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496478577544

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