207:本当にあった怖い名無し:2006/05/02(火) 15:09:58 ID:lD/99RmC0
それで、昔読んだマンガ思い出したな。
大昔、二つの国が戦争していて、片方の国が劣性になる。
その国には、大きな石の巨人の像があって、そこにうがたれた穴の中に、
勇気ある少年を入れて潰して殺して生け贄にすると、
その魂が巨人に宿り、動き出して国を救うという言い伝えがあった。
幼い王子が、自ら生け贄を申し出る。国王はじめ人々は嘆き悲しむが、
王子はこれで国が救われる、言い伝えを信じると言って穴に入る。
少年は生きたままつぶされ、人々は泣きながら、かたずを飲んで石像を見守る。
だが石像は動かなかった。それでも人々は、いつか動いて救ってくれると信じ、
この上で闘うと言い伝えを信じてない裏切り者に見えるせいか、敵の来襲にも手が出せず、
そうこうするウチ戦争には負け、その国はほろびてしまった。
しかし生き残った者たちは、石像が動くのをそれからも、何年も何年も待ち続ける。
当時、その場に居合わせた物心つくかつかないかだった子供も、老いていく。
更に何年も後、すっかりすりきれた石像を見上げながら、老人はつぶやく。
「石像が……動くはずはないのだ……」