ホラー

【洒落怖】石じじいシリーズまとめ その2

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石じじいシリーズまとめ その1」の続き

578 :本当にあった怖い名無し:2018/05/22(火) 11:58:53.32 ID:rwSGpg8m0.net
石じじいの話です。

じじいの歩く山には猿がたくさんいましたが、なかなか賢いやつもいたようです。

山で石集めをして、石をハンマーで叩いて、小さく割っていた時に(形ではなく中身重視なときは軽くするために割ったとか)、
猿の群れと遭遇したそうです。
猿は弁当を盗るので警戒しました。
その場を離れて遠くで見ていると、群れのなかから一匹、ひ弱そうなやさがたの個体が、
おずおずとじじいが石を割っていたところに近寄ってきて、石の破片をひとかけら取り上げたそうです。
『それは食いもんやないがぁ』と思って見てると、
その猿はその石片を持って群れに戻って、それでいきなり近くの猿に切りつけたそうです。
すぐに群れは騒然となりました。
その刃物猿は別の個体にも襲いかかったようでしたが、
群れの混乱で、じじいはその後を見失ってしまいました。

『あがいなちいさな猿が、がいなことするもんよ』
『猿まね、ゆうけど、あがいなことお、どがいしておぼえたんやろうのう』

そのあと、猿を山で見かけるとちょっと怖かったそうです。

落石

598 :本当にあった怖い名無し:2018/05/28(月) 16:57:57.88 ID:hagv252p0.net
石じじいの話です。

不思議な落石にであったそうです。
細い林道を歩いていたときに、山の上から「どっすん、どっしん」と大きな音が響いてきたそうです。
「ばっきん、ばっきん、ずっしゃん」と木が折れる音もする。
じじいは、「これは落石か?!」と思い身構えました。
逃げようにも逃げ道はなく、音がしてくる(と思われる)方向と逆方向へ林道を走って逃げました。
すると、じじいの前方の山側の樹木が何本も折れて林道に倒れて落ちてきました。
同時に、林道の斜面側の端が、ざくっと崩れたそうです。
そして、斜面の下の方の樹木が倒れ始めて大きな音は、山斜面の下の方に遠ざかっっていったそうです。
つまり、「落石」はじじいの前を木々をなぎ倒しながら林道の一部を削って通り過ぎたのです。

『おおごとやったね』と私。
じじいは、
『そうよ、もうすこしでおだぶつよ。しかしのう、その落ちてきた石が見えんかったんよ。
 がいにおおきな石やったろうと思うが、見えんかったんで。
 こう、木がバ~っと倒れていくんよ。大きな石やったろうに見えんかったい』
そんな巨大な落石が見えないものでしょうか?
それが出す音から逆の方向へ逃げたのに、石(かどうか見えないので不明)はじじいの眼前を通ったそうです。
音が反響してじじいが音の方向の判断を誤ったのかもしれません。

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そこに行くと死ぬ

605 :本当にあった怖い名無し:2018/05/29(火) 12:12:03.11 ID:I3FbLpHN0.net
石じじいのはなしです。

石じじいが訪れた村の近くに、そこに行くと死ぬことがある、という場所があったそうです。
以前のトンネルの話と似たようなものです。
そこには、村人は恐れて安易に近づきませんでした。
ただ、村人が絶対に、まったく行かないかというとそうでもない。
近くを通ることはあったそうです。
しかし、子供がそこに行くことを厳に戒めていたということです。
そう言われていても、さすがに子供、ごくたまに遊びに行った子供がしばらくすると高熱を出して死ぬ、ということがあったと。

医学治療のおぼえがあったじじい曰く:
『あれは破傷風やったんかもしれんね。限られた場所にばいきんがおったんやないかなあ。
 子供はあそんどったら擦り傷なんかするけん、それで感染したんかもしれんで』

『かすべ』には宗教的な観点はまったくありませんでしたw
野外で作業したり、山歩きなどをする人は容易に理解されると思いますが、
開けた、空気の動きの大きな野外では、普通の蚊取り線香では虫除けの効果は少ない。
かすべを複数用意して、作業している場所(山のなかや畑)で、まわりに間隔を開けておいておきます。
もちろん置く場所は綺麗に草などを刈って取り除いて、土の状態にします。

山野を生活の場にしているひとのほうがかえって、山の魔のものの存在については否定的でした。
彼らは日常的に山の現象に接していたのですから。
むしろ、そのような自然を知らない町(都会)の人のほうが、神秘を想像で感じて、「それらしいおはなし」を作ってしまっていたようです。
そのほうが知識と経験のない人にとってはわかりやすいから。

忘れ得ぬ人

620 :本当にあった怖い名無し:2018/05/31(木) 11:56:34.47 ID:/VxmCgFn0.net
石じじいの話です。

みなさんには忘れ得ぬ人はいますか?
じじいが子どもの頃。戦争のずっと前。
じじいの部落の近くに片腕で炭焼きをやっている男性がいたそうです。土佐から移り住んできた人だったとか。
彼は左手首がありませんでしたが、片手でナタをもって木を割ったり、器用に仕事をこなしていたそうです。
独り者だったので、生活もすべて片腕でこなしていたのでしょう。
明るく気さくで身持ちの良い人物だったので周りからも好かれていました。酒もタバコもやりませんでした。
噂では、「彼は、他人のために、自分の手首を自分で切り落としたのだ」ということだったそうです。
曰く:暴漢に襲われた人を助けるために闘って負傷したのだ;他人の借金を返すためだ(どういう理由で?);病気の人を看病していて、その病気がうつって腕を切り落としたのだ;などと。
また曰く:彼は、もともと僧侶で、自分の求道のために自らの肉体の一部を絶ったのだ、とか。
片腕の理由を彼自身は語らなかったので、村人の勝手な推量の話かありませんでした。
村人のなかには真実を知っていたものもいたのかもしれませんが。

数回、きれいな女性が彼の元を訪ねてきたことがあったそうですが、
それがだれで彼とどのような関係だったのかは、こどものじじいには知るすべはありませんでした。

彼は若死をしました。炭焼きのための小屋で倒れていたそうです。
その際、彼の親戚と連絡がついたのかどうか、じじいは知らないと。

『どがいな生まれの人やったんかのう。物腰のおだやかなええひとやったが。習字がうもうてのう。
 その人のお墓は今もこの近くにあるんで』

石に魂を込める方法

622 :本当にあった怖い名無し:2018/06/01(金) 17:28:10.15 ID:A7LE3hpG0.net
石じじいの話です。

石に魂を込める方法というのがあるそうとか。
じじいが人から聞いたそうです。
まず、深い山に分け入って綺麗な小石を求めます。清浄な地の石でないとだめだとか。それは、どんな色でも形でも良いらしいのです。
それを持ち帰って、綺麗に洗って布に包み手に持って「念を込める」のだそうです。
石は握らず手に持って、その石の中に自分が入っていく;自分がその石の内部の匂いを嗅ぐ、ような気持ちを強く持つのだそうです。
そうしていると、その手に持っている石の重さを自分で調整できるようになるそうです。
重くなれ、と念じると手に重さを感じる。(こっくりさんみたいですが)
そういうことができるようになると、その石を離れて、
家の障子や家具、柱、樹木の枝などの他の物体を自分の意思で振動させる、揺らせることができるようになるそうです。
この聞くと、「石」というものは念力を集中させる訓練のための道具にすぎないと思うのですが、
道具としての石を清浄の地で自分で見つけなければならない。
じじいにそれを教えてくれた行者のような人は、自分もできる、と宣っていたそうですが、やって見せてくれたことはなかったそうです。
同じようなことは、紀州に行ったときにも聞いたことがあったそうです。
『そがいなことができるようなってなにんやくにたつんかのう。ありゃ自分で自分にまじないをかけるようなもんやのう』

自分の記憶を蘇らせてくれる石

624 :本当にあった怖い名無し:2018/06/02(土) 13:44:11.43 ID:pwUkWiVj0.net
石じじいの話です。

石に魂を込めるというのと似ていますが、自分の記憶を蘇らせてくれる石というものがあったそうです。

未来を予言してくれる石があったと以前お話ししましたが、過去を見せてくれるものもあるという。
なんのへんてつもない小さな青い泥岩だったそうですが、それを頭の脇において眠ると、とてもはっきりとした正確な(どうですかね?)昔の記憶が夢の中で蘇ると。
昼寝で、手に持ったり衣服のポケットなどに入れて、うとうとしても同じ効果がえられるとか。
ただ、楽しい思い出だけを復元する、というように記憶の種類を選択することはできなかったといいます。
特定の年代の記憶を選んだり、同じ記憶の重複復元を避けたりすることはできたそうなのですが、
その方法については、私のメモにはありません。
『その石をもっちょった人は、暇があればうとうとねとって昔の夢をみとったわい。
 それでええんかのう?忘れたい思い出はなかったんかね』

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遺書のような書きつけ

632 :本当にあった怖い名無し:2018/06/03(日) 20:51:58.52 ID:gLLvxdFu0.net
山での遭難のニュースは、独特の不安感と恐怖をもたらすものですね。
どうやって亡くなったのだろうと考えてしまいます。
一瞬だったのか?じわじわだったのか?
亡くなるまでの記録(遺書のようなものも)があるとこれまた怖い。
航空事故でもそのようなものを残された方がいましたね。

633 :本当にあった怖い名無し:2018/06/03(日) 20:52:26.56 ID:gLLvxdFu0.net
石じじいの話です。

じじいは、そのような遺書のような書きつけを山で見つけたことがあるそうです。
目指していた石が露出する尾根近くの岩場に到着して休憩していたじじいは、
ちょっと先にひらひらと布のようなものが風にはためいているのに気がつきました。
みてみると、ゴムの雨合羽がぼろぼろになっていました。古いものだったのでしょう。
石をどけてみてみると、中に油紙で包まれた手帳が入っていたそうです。
もしやとおもってじじいはそれを読んでみました。
それは登山の時の記録ノートのようなものだったそうです。
万年筆で書かれていました。(昔のインクは耐久性があって消えませんでした)
西日本の幾つかの山を登った時の記録や感想、そこまでの交通の経費のメモがおもでした。
山に登った時にその持ち主が作ったであろう俳句もいくつか書かれていました。
最後のページまでめくってみてじじいはぎょっとしました。
そこには、最後の言葉と思われる文章が記してあったそうです。

635 :本当にあった怖い名無し:2018/06/03(日) 20:53:13.88 ID:gLLvxdFu0.net
女性に向けた文章だったとか。
女性へ、幸福な結婚を祝うことば;
楽しかった思い出を得たことへの感謝のことば;
手の届かないところへ彼女がいってしまうことへのさびしさと無念;
と。
文章から察するに、持ち主は、その女性と付き合っていて結ばれなかったのでしょう。

詳しい内容はわかりません。
じじいが話してくれたときには、私が子供だったのであまり理解できなかったし、
じじいもその内容を詳しく私に語ることを避けたのでしょう。

自分の母親への感謝の気持ちをあらわす文章もありました。
その手帳には持ち主の住所氏名が記されていました。紛失した場合の拾得者へ返送の願いも書かれていました。
じじいは、それを読んで大慌てで雨合羽のあった場所の周りをさがしまわりました。他の残留物を探すためです。
何もありませんでした。もちろん遺体の一部なども。
ただ、その雨合羽の近くに、ピッケルの頭と思われる金属があったそうです。
それにはローマ字と数字が刻印されていましたが、じじいには読めませんでした。
数字のみ1935と読めたそうです。

636 :本当にあった怖い名無し:2018/06/03(日) 20:53:34.09 ID:gLLvxdFu0.net
『その手帳は遺書やったんかのう。気持ちを整理するために書くだけ書いておいていったゆうこともあったかもしれんのう。
 ぼくにはまだわからんやろうけどのう』
『それで、その手帳はどうしたん?』私
『手帳も合羽もピッケルも持って帰ったで。ピッケルはその手帳を持っとった人のものかはわからんかったけどな。
 その住所に手紙を出したんやけどとどかんかったわい。電話もなかったしな』

  そこに置く 朱の登山帽 雲と行く

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見つけると死ぬ石

645 :本当にあった怖い名無し:2018/06/04(月) 19:30:11.45 ID:4YT9SpKW0.net
石じじいの話です。

見つけると死ぬ石があったそうです。
どういうものか?
山林作業などで山に入った大人や、遊びにいった子供が死んでいる。
その死体は例外なく、赤茶色の珪石を握っているのだそうです。
あるいは近くにそれが落ちている。
当然、現場検証が行われるので、その石もほとんどの場合、警察によって発見され回収されます。
ある刑事が、その共通性に気がついて、警察にも知己の多かったじじいに尋ねたそうです。
じじいは「石は、上記の通り赤茶色の珪石であり、そのあたり一帯ではまず見つからない石だ」ということを教えました。
石は4個ほど警察に保管されていたそうですが、どれも同じような石でピンポン球くらい。
『その石ひろた警察の人はだいじょうぶやったん?』と私。
じじい曰く、
『そうよ、そのことよ。警察の人や死体見つけた人らは皆、死ななんだ。
 あれは、最初に山で見つけて手に持ったら死ぬんかもしれん、ちゅうことやったね』
事件性は認められず、そのような珪石に関わる死亡事案はいつのまにか起こらなくなりました。
死亡と石は偶然だったのかもしれませんが、偶然がそれほど重なるものでしょうか?
『なあ、気いつけんさいよ。その赤い石は、なにも山にだけあるとはかぎりゃせんので。
 学校へいく道端に落ちとるかもしれんし、泳ぎにいった浜におちとるかもしれんが』
おどかすなよ、じじい!と怯えたものです。

でも、いまこう書いて考えてみると、
その石は、死んだ人たちだけがあらかじめ持っていて、その石の効力で皆死んだ、とも考えられるのではないでしょうか?
その人たちが、その石を入手した時期が同じくらいであれば、それによって死ぬ時期も似通ったものになるのでは?
しかし、そうなると、なぜ彼らが同時期に石をどうやって入手したのか?どうして同じような時間経過で死ぬのか?がわからない。

死にたくなる場所

650 :本当にあった怖い名無し:2018/06/06(水) 20:16:49.41 ID:fW71Uw8e0.net
石じじいの話です。

山中に、「死にたくなる場所」があったそうです。
春先の清々しい晴れの日に山を歩いていたじじいは、急に死にたくなったそうです。
地面から風が吹いた様に感じたそうですが、そのあと急に気分がふさぎ込んで、
いろいろと過去の嫌な思い出が浮かび、絶望感が湧き上がったそうです。
『いい年をした自分は、こんな石探しのようなバカなことをして世間様に顔向けができない恥ずかしい人間で、死んだ親もこんな息子では成仏できない・・・・
 ほらほら、あの時に、朝鮮人に言った言葉が、あとであんなことを・・・・』
ロープを持っていたので、それで首をくくろうとしたようでした。
急に「きぃっーっ!」という鳴き声(?)が聞こえて、真っ黒な鳥が近くを飛び去りました。
それで、我にかえったそうです。
気づいた時に、その鳥が鳴いたのだと思った、と。
その時、ロープをアノ輪っかの形にして持って立っていました。
すると、再び気分がふさぎ込みはじめたそうです。
じじいは慌てて山中を走りました。走れば大丈夫だろうと思ったそうです。
大汗をかいて、じじいは何かにつまずいて倒れました。
もう死にたい気持ちは全く無くなっていて、かえって強い幸福感につつまれていたそうです。
村に降りて話をきいたら、その山のなかでは、昔から何人も自殺した人がいたということでした。

『じぶんの本当のこころのなかが出たんかのう?別に悲観しとったわけじゃないけんどな。そういう場所やったんかねえ。
 そうよ、そのあとにな、がいにお腹が空いてな、ようけ飯食うたで』

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ミサキ

657 :本当にあった怖い名無し:2018/06/09(土) 17:35:08.44 ID:XdB9zOHY0.net
石じじいの話です。

人にとり憑き禍をなす悪霊として「ミサキ」というものがあります。
じじいの故郷の近くの土佐などでは「七人ミサキ」という話がありました。
名前は、今では全国でも知られているでしょう。
じじいがミサキについて私に語ってくれたことや、私の祖父母が語ってくれたことを書いてみましょう。

この死霊は、非業の死をとげた人が成仏できずにさまよっているものらしいのです。
水死者、焼死者、自殺者、行き倒れの霊。
地方によって違いがありますが、ミサキには海の沖や磯、川で出会うことが多く、水と縁が深いようです。
これに取り憑かれると、医者にかかるのは二の次で、呪禁によりとり払うとか。
送り念仏、神職による祓い、僧侶による祈祷などで落とし、その後に医者にかかります。
結局、医者の手当を受けることは外せない、ということが現代的です。
巫女によって、そのとり憑いたミサキの無念を語らせることもあったそうです。
ミサキは、夕方暗くなった時に海の近くの山を歩いていると、とり憑いて海へ誘い込むのだそうです。
犬の鳴き声がすると、それに憑かれたことに気がつくとか。

658 :本当にあった怖い名無し:2018/06/09(土) 17:35:26.96 ID:XdB9zOHY0.net
ミサキのためには、お盆に軒下に芭蕉の葉っぱを置いて、その上に「おしょらいだな」でお供えするものと同じものをお供えするのだそうです。
また、あるところでは、寺の近くの丘の東南の斜面にある墓地の端に、墓石ではない自然石を積んで塚とし、ミサキを祀っていたそうです。
「七人ミサキ」とは、山に狩りにいった七人の狩人が遭難して死んだのを弔うためのものだったという話もあったそうです。七人塚とも言った。
その時に、犬が七匹同時に死んだそうです。
また、昔、殿様の鷹狩のさいに、無礼があったとして七人の村人が殺害されましたが、
そうしてむごたらしい殺されかたをした人は成仏できず、人を道づれに殺すのだそうです。
そうすることで成仏できるのだそうです。七人の6倍、42人殺すのだとか。
この言い伝えがある地方には、「七霊の合祀」という碑が建っているそうです。

『昔はな、お遍路さんの行き倒れもようけあったんで。健康な人ばっかりやなかったけんね。死に場所を探して歩きよった人もおんさったようよ。
 わしが子供の頃も、行き倒れた人が何人もおってな、村でお葬式したもんよ』

ドウロクジン

659 :本当にあった怖い名無し:2018/06/09(土) 17:36:56.83 ID:XdB9zOHY0.net
石じじいの話です。

じじいのふるさと(=私のふるさと)には、ミサキという悪霊の他に、
「ドウロクジン」、「ホウカイ様」という存在があります。これらも無縁仏です。
「ミサキ」と同じ存在ですね。
『おやじらがな、道の四辻で「道の端のドウロクジン」いうて唱えよったい。
 それなに?いうてきいたら、行き倒れのお遍路さんのことよ、いうて教えてくれたい』
ドウロクジンは、無縁仏で、家に帰れない人、帰っても誰も祀ってくれない人の霊が道の四辻に、うろうろしているものなのだそうです。
四辻には、おにぎりなどの食べ物を供えます。これは、その霊が餓鬼である、という認識があったからだと。
四辻におにぎりが供えてあっても絶対にとってはいけない::というのが親からの言いつけだったそうです。
太平洋戦争はるか以前の話ですからね。
「ホウカイ様」も同じような存在です。うら盆に焚く松明をホウカイと呼んでいました。

葬式の帰りは、悪霊が家についてくる危険性のある時だったそうです。
「七人ミサキがついちょるかもしれん」といって、からだを箕で扇いでもらうことがあったそうです。
また、外で具合が悪くなって帰って家に入る時に、その直前に、おなじように箕で扇いでもらう風習もありました。
これは七人ミサキがいる四辻を通ったから、それにとり憑かれたのだ:ということでした。

『犬神はとり憑くわ、ミサキは来るわ、ホウカイ様は四辻に待ち伏せしとるわ、油断できんかったで。昔わな。
 戦争があって、みんなおらんなったなw』

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死者に会ったかもしれない

664 :本当にあった怖い名無し:2018/06/11(月) 12:09:30.86 ID:GXGKmeJX0.net
石じじいの話です。

死者に会ったかもしれないということです。。
村里近くの丘で少年に会いました。(生きてる)
かれは、快活で、ちょっとはにかむ、かわいい少年だったと。
いろいろと自分の生活や周りの山のことを教えてくれて、じじいのことをたずねてくるので、
石をさがしていること、このあたりには珍しい石がある、と教えました。
少年はたいそう喜んで、自分も見つけたいと目を輝かせていたそうです。
じじいは、少年と山をおりて、少年が求めるので彼の家に立ち寄りました。
そこで、彼の祖父、祖母と会い話をしました。
少年は、病気療養のために両親の元を離れて、いなかで自分たちと一緒に生活しているのだ、ということでした。
世間話をして、食事をいただいて、少年と別れました。
少年は、自分も石を見つける、といい、じじいは、また来年会おうと約束をしました。
その時に、珍しいきれいな石をもってきてやると。

一年たって、じじいは少年の家を再訪しました。
が、少年には会えませんでした。
前年、じじいと別れたあと急にやみつき回復することなくなくなったと。
じじいと会うことをたのしみにしていた、と。

665 :本当にあった怖い名無し:2018/06/11(月) 12:09:58.98 ID:GXGKmeJX0.net
ちょっとおせんちになったじじいは、前の年に少年と出会った丘に立ち寄りました。
そよ風が吹く、すがすがしい夏の昼下がりだったそうです。
頂上にたたずみ「人の人生などわからないものだ、かわいそうに」を考えていたそうです。
急に、後ろでがさっと音がしました。
じじいはふりむきましたが、だれもいません。待っていてもそのあと音はしない。
じじいは、リュックに手を伸ばしましたが、そのときにまたがさっと音が。
ふりむくとなにもいない。そのあと無音。
じじいは、再びリュックに視線を戻して、じっと待ちました。
すると、ガサっ
もう、じじいは振り向きませんでした。
すると、さらにガサっ
ガサっ
ガサっ
人が歩いて近づいてきていると思ったそうです。
じじいはちょっと怖くなりましたが、がまんして顔を伏せていました。
その「足おと」はどんどん近づいてきます。
じじいはがまんしました。
その人物は彼の背後で立ち止まったそうです。
じじいはふりむきませんでした。
『どがいなかな?ええ石はみつかったかな?
 おっちゃんはきれいな石をもってきてあげたで。あげるけんもっていったらええが』
背後の人物はなにも答えなかったそうです。
『おじいちゃんらにおうてきたで。たいへんやったな。ようこらえたな』
『さてぇ、おっちゃんもそろそろいこうまい。元気でおりんさいよ』
そういって、じじいは、少年へのおみやげとして持ってきた青い石をそこに置いて、ゆっくりと立ち上がりました。
そして振り向かず手を振ってそこを離れました。
足おとは、すこしのあいだじじいのあとをついてきたように思えたそうですが、その気配はすぐに消えたそうです。
セミが喧しく鳴いていることに、歩き始めて気がついたそうです。

666 :本当にあった怖い名無し:2018/06/11(月) 12:10:18.00 ID:GXGKmeJX0.net
『それは、そのおとこのこのゆうれいやったん?お経となえたん?』私
『わからん、人みたいやったけど。お経はとなえなんだよ。唱えんといけんような相手とは思えんかったんよ』じじい
『そのあと、そこにまたいったんかな?』私
『いったで。次の年も、その次の年もな。そやけどな、もうその足音ちゅうか人は来んかったい』じじい
安堵したと同時にさみしかったそうです。

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遍路(辺土)巡礼

670 :本当にあった怖い名無し:2018/06/11(月) 19:26:50.58 ID:GXGKmeJX0.net
石じじいの話です。

四国には遍路(辺土)巡礼というものがあり、じじいが住む集落の近くにも札所がありました。
札所とは、スタンプラリーのスタンプポイントのような寺院です。
昔から遍路みちというお遍路さん(巡礼をする人々をそう呼ぶ)が通るルートがありました。
山を歩いているとじじいもお遍路さんによく会ったそうです。

その日も夕刻に近く、じじいは山を降りていました。
よく開けた山道を下っていると前からお遍路さんが登って来ました。
「こんな夕刻に山を登るとは?山中で野営だろうか?」と思いました。
しかし、じじいは根本的な疑問を持ちました。
ここは遍路路ではない。この道をいっても札所にはでない。かなりきつい山道で山奥の標高の高いところに行く道だ。
その男性はかなり必死で登っていて、近づいて来るじじいに気がついても歩調を緩めず歩いています。
じじいが声をかけました。
『こんにちは、せいがでますのう、まだ山にのぼんなさるかな?これからやったら暗ろうなりますろうが』
その男性は息を弾ませて、『ああ、ありがとうございます。その人が次の札所の近くまで案内してくれるので大丈夫です』
[はあ?そがいな人?わしら以外にひとおらんがな??]

671 :本当にあった怖い名無し:2018/06/11(月) 19:27:11.11 ID:GXGKmeJX0.net
じじいは怪しんで、その男性を呼び止めて、そのような案内人がどこにいるのか?と尋ねました。
「ほら、あそこに、待ってくれています」とその男性が指差した先には、誰もいない。
じじいは、敵愾心を持たれないように諭しました。
『よう見てみんさい。あそこに人がおるかな。よーに見てみんさい』
『はあ、あそこにおられますが。ちょっと不機嫌そうにしてらっしゃいます』男性
じじいは、そこで般若心経を唱え始めました。
男性は非常に訝しんでいたようすでしたが、急にはっと後ろに退き、自分でも般若心経を唱え始めました。
二人で必死に唱えたそうです。
真っ白な顔をしたその男性は、急に読経をやめました。
『どうかな、あの人、見えんようになったかな?』じじいが尋ねると、その男性は大きく頷いて、そこに座り込みました。
じじいはその男性に、この路がまちがったルートであること;自分が正しい遍路路に案内すること;
しかし、この時刻では夜になって真っ暗で往生すること;を説明して、自分の家に泊まってはどうか?と提案しました。
男性はそれに同意して、二人は麓から少し離れたじじいの家に向かいました。

672 :本当にあった怖い名無し:2018/06/11(月) 19:27:37.17 ID:GXGKmeJX0.net
簡単な夕食をとって、そのお遍路さんの身の上などを聞かせてもらったそうです。それはなかなか厳しいものでした。
話はさっきの「案内人」のことにうつりました。
あれはなんだったのだろう?あらためて考えてみると、
その男性は、その案内人の性別も、顔も、風体も覚えていなかったそうです。
『タヌキにでもだまされたのでしょうか?』と男性。
『そがいなもんやったら、まあ、ええですがのう・・・』じじいはちょっと嫌な感じがしていたそうです。
禍々しいものについては、その正体を知ろうとせず、追求せず、触れないようにすることにしました。
「自分の心の中に、その良くないモノ」をはっきりと形づくってしまうのを避けるようにと。
じじいと男性は寝る前に、いっしょに観世音菩薩普門品を唱えたそうです。

次の日、じじいは男性を正しい遍路路の入り口まで案内しました。
男性と別れて山をおりて帰る時、さらに一人のお遍路さんが歩いて登って来ました。
『遍路みちは、むこうの三叉路の左やけん。左ですで。間違わんようにいきんさいよ。きいつけて。左よ』
と、じじいは声をかけましたが、そのお遍路さんはじじいを全く無視して歩いていったそうです。
『あの山に、なんかようないもんがおったんかのう?』
『そうよ、あの最後に会うたお遍路さん、男か女かわからんかったい。顔見た思うけど』

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呼び声

678 :本当にあった怖い名無し:2018/06/12(火) 12:04:47.18 ID:h215GSjC0.net
石じじいの話です。

じじいが子どもの頃、山で不思議な呼び声を聞いたそうです。
一人遊びで山を歩いていたときに、「おーい、おーい」とかなり大きな呼び声がしたそうです。
だれかいるのかとあたりを見渡してもだれもいない。
山で作業をしている人だろう、と思って歩き始めると、また、「おーい、おーい」。
見渡すと誰もいない。
それから、歩いて行くと、なんども「おーい、おーい」と。
樹木がすくなく開けた場所に出たときに、空を見ると真っ青な空に真っ白な入道雲(積乱雲)がもくもくと立ちのぼっていました。
よく見ると、その雲のくっきりとした「稜線」の上に「人」が立っていて手を振っていたそうです。
その「人」は小さく見えたそうですが、実際はかなり大きなものだったのでしょう。
どうも、その雲の上に立つ「人」が「おーい、おーい」と呼んでいるようだったと。
こどもだったじじいは、その人物に向かって、同じように「おーい、おーい」と呼び返しました。
すると、その雲の上の人物は、さらに「おーい、おーい」と叫んで、「わー、はっ、はっ、はっ!」と笑い、その後沈黙したそうです。
相変わらずその人物は湧き上がる雲の上に立っていました。
すぐにと、あたりが暗くなり、激しい夕立に襲われたそうです。
じじいはびしょ濡れになりましたが、まあ、田舎ではよくあることです。
雨の後、雲にその人物は見かけられなかったそうです。
その雲の人を見たのは、それ一回きりだったということです。

『あれはなんやったんかのう?声は男の人のもんやったがのう。雷神様かのう。それにしては人なつっこかったね』
妖怪に「やろか水」というのがあるそうです。
山の上から「やろか、やろか」という声がする。
村人が、「やるなら、よこせ!」と呼び返すと、鉄砲水が襲ってくる:という。
山の怪には答えるな、かかわりあうな、ということでしょう。

構造物

694 :本当にあった怖い名無し:2018/06/14(木) 00:03:51.44 ID:Csuw0uvY0.net
石じじいの話です。

じじいは、石を求めて海岸も歩きました。
海岸には石が露出していて、面白い化石をさがすには都合がよかったからです。
岩石で挟まれた砂浜を歩いていた時に、砂に埋まった金属の「構造物」を見つけたそうです。
それは真っ赤に錆びており、かなり大きなものでした。
なにか船体の一部のように見えたそうです。
外装面と思われる部分は曲面で、それが壊れて内部が見えていました。
内部には見たことがない部品がぎっしりと詰まっていたそうです。
外装の一部には関節のような可動部があったとか。
じじいの表現では「カニの足」のような構造だったと。
大きさは砂から露出している部分だけで長さ5メートル四方、高さは2メートル以上あって、
表面にはなんの表示も無く、文字も描かれてなかったそうです。
漂着したのか? と思ったそうですが、水に浮くようなものには見えなかったそうです。
漂着後、他の部分が壊れて波でさらわれたのか?
『くず鉄で売ったらお金になったかもしれんね。そやけど、あがいなおおきなもんを持って帰れるかい』

今考えると、ラピュタのロボット兵のようですね。
実は、じじいはこの「機械?」の一部を拾ってきていました。
私が今、持っているので写真を載せておきます。

https://i.imgur.com/BkdbGs8.jpg
https://i.imgur.com/yEJUBmA.jpg

じじいが死んだとき、じじいのものだと言って、1つの箱を大人たちがくれました。
そのなかに、いろいろなものが入っていたのですが、そのアイテムの一つです。
それぞれのアイテムには、半紙に墨で書いたじじいの説明が添えてありました。

海岸で全裸の白人女性

703 :本当にあった怖い名無し:2018/06/16(土) 18:16:49.02 ID:fxoj3WsF0.net
石じじいの話です。

海岸で、全裸の白人女性(と思われる)にあったことがあるそうです。
その人は、背が高く髪の毛が黄色、目が水色だったそうです。
彫りが深く、外国映画の女優のような顔でした。
肌は真っ赤でしたが、ひやけしていたのだろうということです。
全裸だったのでじじいはあわてました。
女性は、じじいを無言で、じっと見つめてきました。
気を取り直して、すこしかじったロシア語(白人のしゃべる言葉でじじいが多少とも知っていたのはそれしかなかった)で「クトー、トゥィー」と尋ねたところ、
女性はほほえんで、流暢な日本語で答えたそうです。
曰く:
自分は怪しいものではない。(じじいは、そう信じることができませんでしたが)
疲れたのでここですこし休んでいる。
友人たちが迎えに来るので、このままでよい。

704 :本当にあった怖い名無し:2018/06/16(土) 18:17:08.53 ID:fxoj3WsF0.net
服も持っておらず、水筒なども持っていなかったので、じじいは水筒を与えて水を飲んではどうか?と尋ねました。
女性は、それを受け取って水を一口含み飲み、「ああ、久しぶりだ」といったそうです。
彼女は、脇に置いていた黒い瀬戸物(のように見えたと)の箱を取り上げて、
それから赤いあめ玉のようなものを取り出して、「食べてみろ」とじじいに差し出してきました。
これには、じじいも警戒しましたが、彼女は、大丈夫、毒ではないと言いました。
まあ、「毒だ食べてみろ」というやつはいない。
受け取らないでいると、女性は、それを半分に割って、自分がまず食べました。
それは柔らかかったのです。おいしそうに食べます。
じじいは、彼女が食べた部分が無毒で、自分に勧めてくる半分が毒では?と疑いました。
猜疑心の強いじじいです。
彼女は、微笑んで、もうすぐ迎えが来るので立ち去るがよい、とじじいに言いました。
その言葉はちょっと強圧的なことがあったので、じじいは押されてその場を立ち去りました。
しかし、じじいは、離れた岩陰に隠れてその女を見はることにしたそうです。

705 :本当にあった怖い名無し:2018/06/16(土) 18:17:31.43 ID:fxoj3WsF0.net
ちょっと待っていると、いきなり海風がやみ海がなぎました。
無音になったそうです。
じじいがおかしいとおもったときに、大きな波がじじいを襲いました。
じじいは、砂浜に転がりました。
あわてて女性がいたところをみると、すでに女性は消えていたそうです。

『あのおなごはなんやったんかのう?おとひめさまかのう?w
 にっぽんじんにはみえんかったがのう。びびあんりーみたいやったで』
『びびあんりー?だれ、それ?そのあめ玉みたいなんはもろうてこんかったん?』
『もろてきたで、たべずにな。ほれこれよ、ぼくたべてみるかな?』
じじいは、みずやの引き出しを開けて急須の中から赤いキャラメルのようなものを出して私に差し出しました。
たべませんでした。

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