やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです 「前線諸国」
87 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:32:25 ID:153Ltp2s0
1973年。
ボツワナ副大統領・マシーレは、
ザンビアにおいて
ボツワナ・ザンビア・タンザニア三国が協調姿勢を取る必要性を述べ、
こう語った。
この三国は、南部アフリカの白人差別主義者に対する
前線を形成するものだ。
つまり、三国は前線諸国(フロントライン・ステイツ)として、
協調していくべきだろ…
この発言がやる夫の承認のもとに行われていたのは間違いない。
88 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:32:25 ID:153Ltp2s0
この発言は、ザンビア・タンザニア両国にすぐに受け入れられた。
タンザニア大統領 ジュリウス・ニエレレ
フルォォォォントライィィィン!
実にすばらしい!
我々の力をもってすれば、
白人の差別主義者どもなど
鎧袖一触であろう!
フゥーハハハハハ!
ザンビア大統領 ケネス・カウンダ
人種差別なんかくだらねぇぜ!
俺の歌を聞けぇぇぇ!!
90 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 19:33:02 ID:fWGw58wM0
この時点までに3国の白人に対する姿勢は融和の方向で共通してたってことか
91 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:34:38 ID:153Ltp2s0
★が前線諸国
☆が白人諸国
こうして1974年、この三国は南の白人諸国に対抗するための共同戦線を張ることに合意する。
呼び名はマシーレの発言のまま、「前線諸国(フロントライン・ステイツ)」とされた。
93 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:36:39 ID:153Ltp2s0
(喧嘩にならねぇ…)
さて、こうして結成された前線諸国であるが、
実際のところ、当初は何の役にも立たなかった。
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95 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:38:49 ID:153Ltp2s0
大連合を組んではみても、所詮は自国の産業化すらままならない弱小国家の群れ。
連合してすらかなわないうえ、足並みもそろっていない。
南アフリカに各個撃破されて終わりである。
96 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 19:39:06 ID:PWOpettM0
貧乏だからなぁ…
97 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:40:28 ID:153Ltp2s0
マラウイ大統領 ヘイスティングス・カムズ・バンダ
あいつらと付き合ってられねーから。
ウチは親南アでいくから、
よろしく。
この状況に嫌気がさし、南アフリカとの友好関係を基本とする為政者まで現れた。
100 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:43:00 ID:153Ltp2s0
ポルトガル首相 アントニオ・サラザール
植民地はすべて死守するのだ!
ポルトガル植民地帝国に栄光を!
神、祖国、そして家族!
※なお、このころはすでに死んでます
加えて、白人諸国もこの当時は南アフリカだけではない。
南部アフリカに残るポルトガルとローデシア、それに南アフリカの白人三ヶ国は、
強固な同盟関係にあった。
この三国は、自分たちが黒人だらけのこの地で浮かぶ孤島のようなものだということを、
これ以上ないほどに認識していたのである。
101 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:45:32 ID:153Ltp2s0
ローデシア共和国首相 イアン・スミス
諸君!
わがローデシアの白人人口は黒人に比べ20分の一以下である。
にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か?
102 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:46:22 ID:153Ltp2s0
我がローデシアの目的が正義だからだ!
我らローデシア国国民こそ選ばれた民であることを
忘れないでほしいのだ。
優良種である我ら白人こそ人類を救い得るのである。
ジーク・ローデシア!
特にローデシアは、ローデシア・ニヤサランド連邦時代に蓄えた産業力で、
十分に自立が可能なまでに経済が成長していた。
経済制裁を受けながらも全く体制が揺らがなかったのは、
この産業力と、南アフリカ・ポルトガル両国の支援によるものである。
103 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 19:47:22 ID:gnEus9WM0
じゃあポルトガルの支えがなくなると・・・あっ(察し)
104 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:49:19 ID:153Ltp2s0
とはいえ、以前にも書いたとおり、このころにはローデシアにも黒人反政府勢力が出現し、
徐々に勢力を強めつつあった。
そして、その中で頭角を現してきたのが…
「可能だとお考えですか?」
106 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:50:47 ID:153Ltp2s0
ジンバブエ・アフリカ民族同盟 ンダバニンギ・シトレ
君にできなければ、他の誰にも不可能だろうと考えておるよ。
107 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 19:51:34 ID:RfWnbHTI0
まごうことなきシトレwww
109 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:52:26 ID:153Ltp2s0
…ロバート・ムガベ君。
ジンバブエ・アフリカ民族同盟
ロバート・ムガベ
111 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 19:54:49 ID:gnEus9WM0
インフレ大魔王キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
110 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:54:35 ID:153Ltp2s0
こんな状況だったが、
全般としてみれば黒人諸国の動きは低調だったというほかはない。
そして、その中でも最も動きが鈍かったのが…
あんまりやりすぎる必要はないお。
ほどほどにやっておけばいい。
我らがやる夫率いるボツワナである。
112 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:56:42 ID:153Ltp2s0
なにしろボツワナは、国土をすべて白人諸国に囲まれているのである。
おまけに南アフリカとは関税同盟を結んでいるうえ、
国土開発はほとんど南アフリカ系企業によって行われている。
南アフリカにそっぽを向かれたら、一日も国が持たないのだ。
自然、南アフリカおよび白人諸国に対する対応は
穏健なものにならざるを得なかった。
113 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 19:56:47 ID:fWGw58wM0
まぁ周囲が白人諸国だし無理はできんわ
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114 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 19:59:02 ID:153Ltp2s0
いいよいいよ!
しょうがないよねー!
うう…
ごめんだお…
救いだったのは、タンザニアもザンビアもこの状況を理解していたことである。
116 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:01:10 ID:153Ltp2s0
…というより、もともとボツワナは位置的にも経済的にも、
完全に白人諸国に取り込まれた存在だと考えられていた。
このため、両国にとっては前線諸国の結成そのものが外交的勝利である。
ボツワナに対し、そう厳しい要求が来るはずはなかった。
当然のことながら、やる夫はここまで読んでいた。
ボツワナとすれば、黒人解放派の2国との親密さをアピールできれば十分だったのである。
118 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:01:46 ID:gnEus9WM0
これが政治家というものか・・・
119 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:03:26 ID:fWGw58wM0
悪い顔してるwwwwww
121 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:05:44 ID:Ryo5mOec0
あまり南アべったりになりすぎて、周辺の黒人諸国から「アンクル・トム」(白人に従順な、卑屈な黒人)呼ばわりされて
ハブられないようにするための、予防線か。
そういうことです。
黒人国家内での孤立も避けたいところですからね。
120 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:03:43 ID:153Ltp2s0
綱渡りみたいなもんだおね、
実際…。
もちろん、やる夫としても黒人解放を望んでいないわけではない。
そうでなければ、そもそもザンビアやタンザニアには近づかない。
かといって、両国のように派手な動きをすればたちまち目を付けられてしまう。
自然、ボツワナの外交は、両派の反応を確かめながら
そろそろと限界点を歩いていく、
そういうものにならざるを得なかった。
122 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:05:45 ID:153Ltp2s0
それでもボツワナは、徐々に反アパルトヘイトの姿勢を鮮明にしていく。
1969年にはすでに国連のアパルトヘイト禁止案に賛成していたのだが、
1973年には国連の、植民地体制への軍事闘争の正統性を問う法案に賛成し、
さらに南アフリカ寄りのイスラエルとの国交断絶などを行い、
この年を境に黒人諸国寄りの政策を次々と打ち出していった。
上記の「前線国家」も、その流れに沿った動きの一つだった。
126 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:08:25 ID:153Ltp2s0
いやいやいや、
今年も稼がせていただきますよ!
もちろんだお!
どんどん稼いでいってくれお!
一方でボツワナは、デ・ビアスをはじめとする
南アフリカ系企業の活動を制限することは一切行わなかった。
これはボツワナ経済を南アフリカ経済と強く結びつけることとなり、
経済制裁下の南アフリカにとってボツワナは貴重な貿易相手国となった。
経済面での結びつきを強くすることで、
政治面での南アフリカ離れとバランスを取ったわけである。
128 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:10:34 ID:153Ltp2s0
南アフリカ共和国首相 バルタザール・フォルスター
クズ
黒人どもに何ができるというのだ。
南部アフリカは白人のものだ…
ともあれ、1974年初頭の状況はこのようなものだった。
白人の優位は圧倒的なもので、
黒人諸国に対抗する手段はどこにもないように見えた。
だが、この状況は思わぬところから崩れていくこととなる。
130 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:13:35 ID:153Ltp2s0
カーネーション革命だゴルァ!
ポルトガル首相 マルセロ・カエターノ
1974年4月25日。
ポルトガル首都リスボンにて、カーネーション革命が勃発し、
カエターノ政権が転覆する。
これは同時に、サラザールの打ち立てた「エスタド・ノヴォ」体制の崩壊をも意味していた。
132 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:15:30 ID:153Ltp2s0
ポルトガル革命政権
軍事費が国家予算の40%とか、なんだよゴルァ!
植民地からは手を引くからな!
政権を掌握した臨時政府は植民地の反政府勢力と講和し、
1975年にはモザンビークとアンゴラ、
ギニアビサウ、カーボ・ヴェルデ、サントメ・プリンシペの5か国が独立。
ポルトガル植民地帝国は崩壊した。
133 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:17:34 ID:Ryo5mOec0
植民地経営で得られる収入より、独立運動鎮圧のための予算の方がはるかに高くつくように
なってしまえば、植民地なんてまさに不良債権の金食い虫だもんな。
138 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:20:40 ID:RfWnbHTI0
>>133
オマケに、独立後も援助を求められるわ、移民がやってくるわで
あらゆる面でコストがかかる存在になるというw
135 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:18:05 ID:isWUBmyo0
植民地経営って無茶できない時代だと結構負担かかるしねえ
136 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:18:59 ID:RfWnbHTI0
日本人にはピンと来ないけど
ほんの30年くらい前までの西ヨーロッパは軍事政権だったりするからなあ
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134 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:18:00 ID:153Ltp2s0
★が前線諸国
☆が白人諸国
独立したアンゴラとモザンビークは前線諸国へと加入し、
ここに南部アフリカの勢力図は激変した。
そのうえ、良港をもっておりローデシアの貿易を一手に担っていたモザンビークの独立は、
ローデシアに巨大なダメージを与えた。
だが、新独立国の未来はいずれも厳しかった。
137 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:20:12 ID:153Ltp2s0
モザンビーク共和国大統領 サモラ・マシェル
モザンビークは、滑り出しは順調と思われていた。
モザンビークの支配政党となったモザンビーク解放戦線(FRELIMO、フレリモ)は、
地方解放区での行政、特に教育の見事さで知られていたからである、
139 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:22:43 ID:153Ltp2s0
しかし、希望はすぐに失望へと変わった。
モザンビーク独立に伴いポルトガル人の99%が大量出国したため、
経済及び行政組織が崩壊。
それを埋め合わせるために共産主義を導入したものの、
モザンビークは共産主義を導入しすぎてしまった。
このため、地方の農業生産が文字通り壊滅した。
142 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:24:17 ID:153Ltp2s0
さらにこれに不満を持った右派が、
南アフリカとローデシアの支援を受けて
モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO、 レナモ)を結成し、
1977年に武装闘争を開始。
内戦と1981年からの飢饉で、モザンビーク国内は大混乱に陥った。
144 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:24:46 ID:ZSCNCQWY0
新独立国の失敗パターンの典型やなあ
147 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:26:16 ID:153Ltp2s0
モザンビークはこんな状況だったが、
アンゴラはもっと悲惨だった。
一応統一武装組織のあったモザンビークと違い、
アンゴラの反政府勢力は三派に分かれて絶賛内紛中だったのである。
アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA) ジョナス・サビンビ
ヘッ
政治家が武力使って
どこがワルいンでェ・・・・・・
148 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:28:12 ID:153Ltp2s0
アンゴラ国民解放戦線(FNLA) ホールデン・ロベルト
私は一向に構わんッッ
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149 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:29:07 ID:153Ltp2s0
アンゴラ解放人民運動(MPLA) ジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス
勝ち残ったほうがGIKAIの支配権を握る
わかりやすくていいじゃねえか
(この時代はアゴスティーニョ・ネトなんだけど、面倒なのでこいつで行く)
152 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:30:29 ID:153Ltp2s0
おうよ、選挙なんかいらねえ
勝ったほうがこの国を分捕りゃアいいのさ
156 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:30:57 ID:153Ltp2s0
戦争だな
157 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 20:31:56 ID:153Ltp2s0
ああ
正気にては大業ならず。
アンゴラ政治はシグルイなり。
こうして、アンゴラでは各大国の支援を受けつつ、
軍事勢力三派による凄惨な内戦が20年以上にもわたって続くこととなる。
一応首都ルアンダを抑えたMPLAが中央政権ということにはなったが、
他国ににちょっかいをかけられるような状況ではなかった。
159 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 20:34:34 ID:gnEus9WM0
モザンビーク、アンゴラ、東ティモールなど、旧ポルトガル領の植民地は軒並み悲惨な道たどってるなあ・・・
大陸中国の圧力で返還が遅れたマカオなんか幸運な方か。
171 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:01:54 ID:153Ltp2s0
こうした動きを陰で操っている勢力は、もちろん存在した。
南アフリカ共和国である。
南アフリカとしては、このあたりの諸国が安定化すれば
間違いなく南アフリカと敵対してくるわけである。
座視しているわけにはいかなかった。
172 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:03:57 ID:153Ltp2s0
ククク…我々の役に立つというのであれば、
エサを投げてやるのはやぶさかではない…
とはいえ、敵対ばかりというのも能がない。
懐柔できれば懐柔するに越したことはない。
こうしてこの時期、「外向政策」と呼ばれる
黒人諸国への懐柔策も実行に移された。
明確に敵対しなければ、南アからの支援が期待できたのである。
この懐柔策のおもな標的になったのはマラウイと、
旧イギリス保護領諸国…レソト、スワジランド、そしてボツワナである。
このため、ボツワナに対しては、こちらからも厳しい条件がつきつけられることはなかった。
173 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:05:31 ID:153Ltp2s0
アンゴラとモザンビークの反政府勢力に支援を与えろ!
ローデシア情勢をなんとか軟着陸させるんだ!
しかし、全般的に見ればこのころの南アの目は、
ローデシア、モザンビーク、アンゴラといった
紛争地域に向いていたことは否定できない。
つまり、ボツワナはさほど重視されていたわけではない。
178 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:08:31 ID:153Ltp2s0
さて、次は黒人どもにどんな手を打っていくか…
その隙に、ボツワナは南アフリカの顔色をうかがいながら、
少しずつ前線諸国寄りの姿勢を明らかにしていった。
180 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:11:02 ID:153Ltp2s0
(さすがに、この状況はまずいな…)
一方、南アフリカよりもっと深刻に事態を受け止めている国が存在した。
言わずと知れた、ローデシアである。
181 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:13:28 ID:153Ltp2s0
もともとモザンビーク経済は、
ローデシアおよび南アフリカの外港としての機能が
大きな部分を占めていた。
つまり、モザンビークが独立すれば、
内陸国であるローデシアの貿易ルートが絶たれてしまう。
貿易のほとんどを南アフリカおよびボツワナ経由に振り替えることで
当座はしのいだものの、
輸送ルートの減少と距離の長大化によって輸送コストが跳ね上がり、
さらにこの状況を想定していなかった南アフリカの港湾機能がパンクの兆しを見せ始めた。
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182 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:15:12 ID:PWOpettM0
モノはあるのに流れなくなってるのか…
184 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:16:39 ID:IeHKwSjM0
>もともとモザンビーク経済は、
>ローデシアおよび南アフリカの外港としての機能が
>大きな部分を占めていた。
ローデシアとの取引を止めたら、モザンビーク経済にも相応の悪影響(関税や港湾使用が入らなくなる、など)が出そうなんですけど
そこは黒人国家としてのイデオロギーで解決(ぶっちゃけ無視)したのでしょうか?
そういうことです。
なので、モザンビークの方がダメージがでかいんです、これ。
183 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:15:49 ID:153Ltp2s0
しかたあるまい。
黒人勢力と
講和しようではないか。
むろん我々の優位のもとで、な。
こうして、ローデシア政府は国内反政府勢力との講和を模索し始める。
1974年12月、ザンビアの首都ルサカで前線諸国首脳とスミスのと会談が開かれ、
翌年の講和会議開催が決定される。
だが…
185 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:17:22 ID:153Ltp2s0
1975年3月4日。
…首相。
これはいったい、どういうことですかな?
188 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:20:07 ID:153Ltp2s0
どうもこうもない。
あなたが政敵を暗殺するという密告があったのでね。
あなたを逮捕する。
189 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:22:04 ID:153Ltp2s0
…あからさま過ぎて話にもなりませんな。
これで講和会議はおしまいだ。
…後悔しますぞ。
この日、政敵暗殺計画の咎でスミスはシトレを逮捕する。
3月25日には裁判が行われ、4月2日には拘禁が発表された。
190 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:23:12 ID:RfWnbHTI0
こんなの反発を買うだけなのに、何考えてんだ
192 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:24:24 ID:153Ltp2s0
スミス首相。
今すぐシトレ氏を釈放していただけませんかお?
ニエレレ、カウンダ、マシェル、そしてやる夫の
連名で要求しますお。
この知らせを聞いた前線諸国首脳は連名でシトレの即時釈放を求めた。
195 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:26:36 ID:153Ltp2s0
尊敬すべき各国の首脳には申し訳ないが、
これは国内問題だ。
内政干渉は困るのだよ。
要求は拒否させていただく。
196 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:27:37 ID:153Ltp2s0
そうですか、それは残念ですお。
…あとひとり、釈放を要求している人がいるんですが、
お呼びしてもよろしいですかお?
197 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:28:08 ID:153Ltp2s0
かまわぬよ。
もっとも、誰が要求しようと、
この決定を覆すことはできんがね。
200 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:30:10 ID:153Ltp2s0
…わかりました。
それでは、お入りください。
201 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:31:09 ID:153Ltp2s0
南アフリカ共和国首相 バルタザール・フォルスター
…やあ、スミス首相。
すぐにシトレ氏を釈放したまえ。
204 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:32:24 ID:fD1GJzAA0
親分が来ちゃったじゃないですかーやだー
205 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:32:45 ID:isWUBmyo0
ローデシア完全包囲網キタコレ?
206 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:34:02 ID:occT9xL60
黒幕自らwwww
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207 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:34:16 ID:153Ltp2s0
ば、ばかな…
フォルスター、貴様がなぜここに…
211 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:36:29 ID:153Ltp2s0
なぜ…?
これは異なことを。
我々南アフリカは、
南部アフリカの安定を何よりも望んでおるのですぞ…?
南アフリカは、ポルトガル撤退の時点で
ローデシア情勢に対し何らかの譲歩が不可欠と判断していた。
このため、ローデシアをしゃにむに支援するよりも、
情勢を軟着陸させて少しでも白人の影響力を残すべきと考えていたのだ。
以後の南アフリカは、この路線に従って両派の仲裁に奔走することとなる。
212 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:37:12 ID:fWGw58wM0
この白々しさwww
213 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:39:12 ID:153Ltp2s0
214 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:40:15 ID:i1g4zJnc0
3!
215 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:40:31 ID:RfWnbHTI0
答え④ ソーラ・レイをぶっ放してなかったコトにする
216 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:40:52 ID:isWUBmyo0
①に1ジンバブエドル
217 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:41:39 ID:153Ltp2s0
貴様っ…
…しかたあるまい。
シトレ氏は釈放し、
講和会議は8月にでも開催しよう…
…覚えていろよ。
答えは③。
ローデシアは、南アフリカのこの意向を断るだけの体力を持っていなかった。
シトレは収監の2日後に釈放され、講和会議も8月に開催される。
…しかし、会議は1日で決裂し、
ローデシアは再び内戦状態に戻っていった。
218 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:42:41 ID:fWGw58wM0
1日で決裂ってもう少し持たせられんのかwww
219 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:44:15 ID:3raURrHA0
シトレを拘束した時点で結果が見えてた
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220 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:44:19 ID:153Ltp2s0
…これ以上闘争を続けても、
うまくいくとは思えん。
ある程度のところで交渉のテーブルに着くべきだ。
何を言っている!
あくまで白人どもを追い払い、
黒人による国家を建設するのだ!
が、この過程で黒人反政府運動は、
シトレやアベル・ムゾレワを中心とする穏健派と
ムガベやジョシュア・ヌコモを中心とする急進派に分かれ、
内紛を繰り返すようになった。
この内戦では前線諸国はムガベら急進派を支援したのだが、
この過程で問題が起きた。
222 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:46:11 ID:153Ltp2s0
ボツワナにわが軍の軍事拠点を置かせてほしいのだが…
225 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:48:07 ID:153Ltp2s0
待て待て待て!
ダメに決まってるだろ!
ボツワナには軍がないのに、
隣国の軍事衝突に巻き込まれちゃたまんねーお!
国がつぶれるじゃねーか!
226 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:49:13 ID:isWUBmyo0
国を乗っ取りに来たって思われてもしょうがないよなwこれw
227 :24から短編祭りだお 2013/08/26(月) 21:50:14 ID:i1g4zJnc0
軍無いの?武装警察止まりなのか
229 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:51:14 ID:153Ltp2s0
なんだと!
神聖な黒人解放の戦いに
協力しないというのか!
ザンビアやモザンビークは置いてくれてるぞ!
(だからうちは巻き込まれたくないんだっつーの!)
230 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:54:25 ID:153Ltp2s0
(とはいえ、全く協力しないわけにもいかんか…)
わかったお。
軍事施設は絶対ダメだけど、
連絡拠点くらいならかまわないお…
こうしてボツワナは、
国境のローデシア難民キャンプに、
ローデシア反政府勢力の拠点を置くことを
認めざるを得なくなった。
これはのちに大問題に発展するのだが、
しかし、ローデシア情勢にやる夫はしばらく関与しなくなる。
それより先にボツワナの内政において、大問題が勃発したのだ。
235 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:57:21 ID:153Ltp2s0
1975年10月20日。
レソト王国・ロマ、
ボツワナ・レソト・スワジランド大学。
237 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 21:59:13 ID:153Ltp2s0
いったい、なにごとですか!
ここはボツワナ・レソト・スワジランド三国によって
自治を認められた大学です!
部外者は、ただちに立ち去りなさい!
239 :Opqr ◆XLjdU8ssbY 2013/08/26(月) 22:02:09 ID:153Ltp2s0
おっと、動くな。
この大学は、只今よりレソト王国政府が接収し、
レソト国立大学とさせてもらう!
この日、ボツワナ・レソト・スワジランド大学がレソト軍によって接収され、
ボツワナとスワジランドは唯一の高等教育機関を失ったのである…
南部アフリカ (紛争地域現代史) 同文舘出版 (1993/04) 中津孝司
南部アフリカ―解放への新たな戦略 岩波書店 (1979/11) バジル・デビットソン他著、北沢正雄他訳
世界現代史 (13) 総説・南部アフリカ 山川出版社 (1979/01) 星 昭、林 晃史
南部アフリカ―ポスト・アパルトヘイトと日本 勁草書房 (1992/07) 川端 正久、佐々木 建編
「二〇世紀アフリカの個体形成」真島一郎編 内「セレツェ・カーマ」遠藤貢 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 (2011/1/24)
南部アフリカ政治経済論 日本貿易振興会アジア経済研究所 (1999/05) 林 晃史
新書アフリカ史 講談社 (1997/7/18) 宮本 正興、松田 素二編
苦悶するアフリカ 岩波書店 (1985/3/20) 篠田豊