師匠シリーズ

【師匠シリーズ】富士山

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【僕】 師匠シリーズを語るスレ 第8夜 【俺】

師匠シリーズセルフパロディ

386 :「富士山」:2009/03/19(木) 21:05:33 ID:FLVDnTuh0
師匠と道を歩いていると、小学生の一団とすれ違った。
集団下校だろうか。みんなランドセルを背負っている。
歌が聞こえる。

「1年生になったら
 1年生になったら
 ともだち100人できるかな
 100人でたべたいな
 富士山のうえで
 おにぎりを
 ぱっくん ぱっくん ぱっくんと」

思わず顔がほころぶ。
小学1年生だろうか。歩きながら、みんなで声を合わせて歌っている。
僕と同じようにそちらへ視線を向けていた師匠だが、なんだか様子がおかしい。
どうしたんですか、と訊くと「あの歌、嫌いなんだ」との答え。
心なしか顔が青ざめているようだ。
「どうしてです?」
「……怖いんだよ」
怖い? あんな可愛らしい歌が?
しかし冗談ではないというように、その顔はあくまで真剣だ。
「子どものころからのトラウマでな。こればっかりは未だに恐ろしい」
「なぜです?」
小学生の群は、もう一度その歌をリピートしながら僕らの視界から消えようとしていた。
師匠は、ふー、と長い息をついてから苦笑いするように唇をゆがめる。
「ともだち100人できるかな、ってのは別にいいんだよ。ともだちをたくさん作りたいっていう希望と期待に満ちている。
 問題はそのあとだ。
 100人でたべたいな。富士山の上で、おにぎりを。……って、どう考えても、1人ハブられてるよね」
「え?」
「自分と、ともだち100人。あわせて101人のはずなのに」
考えたことはなかったが、そういわれてみればそうだ。
「たったひとり、仲間はずれにされてしまったその誰かのことを思うと、怖いんだよ」
師匠の目は、最後まで笑っていなかった。

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