594:本当にあった怖い名無し 2018/09/05(水) 21:50:26.68ID:aZPf+hge0
諸星大二郎『バイオの黙示録』の最後のエピソード「風が吹くとき」
バイオテクノロジー汚染によって人類の遺伝子に動植物の遺伝子が混ざってしまった近未来
遺伝子に異常が発生した人間はやがて獣人のような姿に変異するため、人々から差別され、やがて人間の街を追い出されて「荒れ地」の住人となる
一人の男が荒れ地を歩いていた
男は失踪した恋人を探していた
彼女は美しいモデルだったが、一風変わった女だった
ある時、彼女はDNA検査を受け、結果が出るまでの何日もの間、既に絶滅した動物の映像ばかり眺めるようになった
そして検査結果は陽性だった
しかし彼女はまるで動じず、孔雀の映像を見ながら「きっと私は美しい動物に姿を変える」と語った
そして彼女は消息を絶った。荒れ地へと向かったのだ
男は荒れ地の住人たちに聞き込みをしながら、荒れ地の奥地を目指した
奥地は非常に汚染が強く、特に変異が強い者が暮らす危険地帯なのだが、男は恋人がそこにいると直感的に信じていた
たとえ動物に姿を変えてもいい。男は彼女と一緒にいたかった
男は荒れ地の奥へと進むうちに肉体が汚染されてしまい、姿が変異し始める
それでも男は進み続けた
そしてついに彼女を見付けた
彼女は美しい「ヒョウ」に姿を変えていた
そして男は「ウサギ」に姿を変えつつあった
二人は互いに歩み寄る
強い風が吹く
最後のシーンでは、彼女が一人で佇んでいる
595:本当にあった怖い名無し 2018/09/05(水) 22:42:46.48ID:yV+3kGY50
食われた?