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【後味の悪い話】ジョナサン・キャロルの短編「卒業生」

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661: 1/2@\(^o^)/ 2014/09/02(火) 16:06:48.75 ID:owdgzS/W0.net
ジョナサン・キャロルの短編「卒業生」

32才で、妻も可愛い子もいて仕事も順調な男性が主人公。
ある日男性が朝目覚めると、高校時代の寮の部屋だった。
同室だったクラスメートが寝坊したと騒いでる。
ああ夢なんだと思う主人公。
この私立高校時代の思い出はあまりよくないらしい。

そのうち目が覚めるだろうと思って適当に合わせた。
着替えて授業に出る。
クラスは高校時代のそのまま、嫌な教師もそのまま。
自分だけが32才になっており、誰もそれを気にしないという夢独特の世界に思えた。

ところがいつまでたっても目が覚めない。
授業内容も今となってはほとんどついていけないし
高校生よりも遥かに体力が落ちた身体で体育の授業も受ける。
心臓が破裂しそうな苦しみ。でも目は覚めない。

その日一日を過ごし、寮のベッドに入る。
次に目が覚めたらさすがにいつも通りの世界だろうと思って寝る。

662: 2/2@\(^o^)/ 2014/09/02(火) 16:07:28.74 ID:owdgzS/W0.net
目が覚めてもまだ、寮の部屋。
それが続きさすがに気が狂いそうになる主人公。
自分の32才の容貌を指し示しながら教師やクラスメートに
自分はここの卒業生でもう32才になるのだと主張しても相手にされない。
おかしくなったのか?みたいな目で見られる。精神病を疑われる。
クラスメートが15年後にどうしているかも言えるのに。

テストで酷い点をとり、体育の授業でめちゃくちゃにされる主人公。
でも目は覚めない。
 
ある時ふっと気付く。
家に電話してみるとどうだ。妻が、幼い娘がいればそれが証明となる。
(結婚したのは高校を卒業し大学を出てからだったんだと思う)

電話口には「パパー」という幼い娘の声。
喜びと安心。幸せな気持ちで娘と話し妻と代わる。

「ひさしぶり、学校はどう?」

凍り付く主人公。
電話の向こうでは妻が心配そうに言っている。
「どうしたの?具合が悪いの? あなた・・・微積分のテスト赤点だったの?」

そっと受話器をおく主人公。
しばらく動かずにいたがやがてしっかりとした足取りで図書室に向かい
差し迫っている討論会の参考書を探すのだった。

以上です。
終わらない夢が一番の恐怖だー

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