後味の悪い話

【後味の悪い話】NiaR:Automata(ニーアオートマタ)「パスカルの絶望」

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※「NiaR:Automata」のネタバレ注意

817: 1/3 2020/05/22(金) 19:43:58.99ID:uqPY6BH00
ゲーム『NiaR:Automata(ニーアオートマタ)』より
登場人物パスカル、及びチャプター「パスカルの絶望」

知らない人にわかりやすくするため外堀から埋める話し方をするので
知ってる人は最初あれっと思うかもしれないけどスルーしてほしい

地球を狙う異星人の送り込んだロボット「機械生命体」と
月に逃げた人類が地球に残し、さらに送り込む「アンドロイド」が
命もないのに殺し合う戦いを何千年と続けている廃墟だらけの地球
機械生命体は人類の廃工場を利用してすでに地球上で増殖を続けていた

機械生命体は高度な知能は持たないものも多いが、地球環境に
合わせて進化し、さまざまな大きさや形状のものが増えていった
しかしゲーム中に「パスカル」の同型機が全く登場しないのと
彼のみ背中にボイラーみたいなのがある事から、どうやら彼は旧型で
彼の同型機はみな破壊されたか廃棄されたかしたものと思われる

機械生命体は人類の残した文化なども電子データで研究していたため
大型で知能も高い個体には「マルクス」「エンゲルス」「ヘーゲル」
「荘子」「孔子」など歴史上の思想家哲学者の名前がつくようになった
しかし「パスカル」は、350年ほど前にネットワークから外れて脱走した

彼らはネットワークで戦況や情報を共有しなるべく何も考えずに戦っている
仲間が死ぬのが悲しいと思う事はあってもネットワークに思考を委ねれば楽だった
しかしパスカルは、次第に仲間の死自体に何も感じなくなってきた事に気づき
そんな自分と戦争とに嫌気がさして機械生命体の軍を抜けたのだった

818: 2/3 2020/05/22(金) 19:45:08.98ID:uqPY6BH00
地球人類の肉体のような姿・構造と高度なAIを持つアンドロイド達は
おもちゃのような外観の機械生命体達には自我や思考なんてないと思っていた
実際、機械生命体においては、知能や感情が複雑な個体はいてもごく稀で
ほとんどは自我はあっても幼児のように未発達なので
砂漠を彷徨っては誰彼構わず襲ったり、ままごとのような家族を作る程度

それでもパスカルは、自分と同じようにネットワークから外れた同族を
自分の作った村に迎え、根気よくさまざまな知識や感情を教え、
家族になりたい者達の集まり一つ一つを家族と認め、村の子供達を教育し
平和主義を貫く機械生命体達の村として安住の地を作り上げた

ネットワークで繋がっていない機械同士は会話で相互理解をするしかない
パスカルは粘り強く交渉を続け、ついにはアンドロイドの信頼すらも得た
戦争を続ける機械生命体達とは変わらず戦い続けるアンドロイド達の
レジスタンスの長も、パスカルの村と交易をするようになる

その一方で、パスカル達は会話と相互理解の難しさも痛感していた
同族の、しかも同じように戦線離脱したはずの機械生命体達ですら
廃工場や廃城など別の場所で異なるコミュニティを立ち上げ数百年を経ると
文化や価値観の違いから交易や同盟などを組むのも難しくなる

それもあってパスカルは村の子供達にはさまざまな事を教えた
機械生命体はコアが破壊されたら復活できないのでそれは怖いということ
同様にできる限り他の機械生命体のコアを傷つけようとはしないこと
さまざまな事を学び、自分で考え、相手を理解しようとつとめること

819: 3/3 2020/05/22(金) 19:45:54.84ID:uqPY6BH00
主人公のアンドロイド達と敵性機械生命体の戦いが激化するにつれて
それまで機械生命体のネットワークから放置されていたパスカルの村も
危険だとみなされたのか数度に渡って深刻な攻撃を受けるようになる

ついにはハッキング的な何かで狂わされたのか、村人達が殺し合いを始める
村は焼失し、パスカルは村の子供達20体ほどを連れて逃げるしかなかった
知り合いのはぐれアンドロイド・A2に狂った村人を倒すのを任せて

しかし避難先も、空を埋め尽くすほどの敵性機械生命体が押し寄せる
A2一人では撃退しきれないと判断したパスカルは子供達を守るため
ついに平和主義を放棄し殺意をみなぎらせながら敵を全滅させた

(私は、殺意みなぎるパスカルを見て子供達の心が離れてしまうオチが
待ってるんじゃないかと思ったが、いっそその方が遥かにマシだった)

満身創痍のパスカルとA2が子供達の避難場所に入ると
暗い室内にゴロゴロと転がるもはや物言わぬ小さな機械達
父母と故郷を失い、大軍で攻められ、恐怖に押しつぶされた子供達は
自ら鉄パイプや剣などでコアを貫いて集団自決していた

守る者を、築いてきたものを全て失ったパスカルは絶望し
自分を殺すか記憶を消去するかしてくれとA2に懇願する
ここでプレイヤーは放置も含め三択になり、放置するとパスカルは失踪
破壊しても特に展開はなく、そして記憶をリセットした場合は

自分の名がパスカルだということも忘れた彼は村の廃墟にたどり着き
大量のガラクタを片付ければ住みやすそうな場所だと語った
そしてそれらガラクタを素材としてプレイヤーに売るのだが、品が

「機械生命体の頭」「機械生命体の腕」「機械生命体の脚」

840: 本当にあった怖い名無し2020/05/24(日) 03:00:30.13ID:rSSKlZj+0
>>819
記憶をリセットしたことで、大切な子供達だった物が只の「ガラクタ」になってしまったということか

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