92: 本当にあった怖い名無し 2017/09/09(土) 15:10:31.87
宇宙兄弟という漫画
かつてブライアンという名の偉大な宇宙飛行士がいた。ブライアンは誰からも愛される最高の宇宙飛行士だった
そんなブライアンだったが、宇宙から帰還する際に帰還船のパラシュートが開かなかったために墜落事故死してしまった
しかしブライアンの存在は人々の心に残り続けている
ピコといういつも飲んだくれているアル中の男が登場する。彼は一見すると全く頼り無さそうにしか見えないオッサンなのだが、実はとても腕の良い技術者である
ピコがアル中になってしまったのには理由があった
ピコはブライアンの事故死に関わっていた
まだブライアンが生存していた頃、ピコはNASAに依頼されて帰還船のパラシュートを設計していた
「本気でした失敗には価値がある」「失敗を乗り越えた物は良い物だ」という心情の持ち主だったピコは、大金のかかる実験の失敗を繰り返していた
いよいよ成功させるつもりで本番の実験を行うのだが、予想外の事故が発生したため数千万という損失を出してしまう
(後に明らかになるが、この失敗の原因はパラシュートを折り畳んだ従業員の中にいた左利きの者がパラシュートを反対方向に折り畳んでいたためであり、ピコの技術には何の問題は無かった)
NASAの責任者はピコに見切りを付け、ピコより低予算で帰還船のパラシュートを作れるという他社に仕事を依頼すると決定
ピコは「人の命がかかっているものに金の糸目を付けるのかよ!?」と必死に食い下がるも、責任者の決定は覆らなかった
意気消沈するピコにブライアンは「俺が地球に還ってきたら、一緒に飲もう」と約束してくれた
しかし案の定事故が発生し、ブライアンは帰らぬ人に。ピコは泣きながら一人で酒を飲んだ
それ以来、ピコはブライアンの死に責任を感じ、
宇宙飛行士が宇宙から地球に帰還する時期が近付くと、
またブライアンの時のような事故が起きるのではないかという恐怖から、酒を飲まずにいられなくなってしまった