後味の悪い話

【後味の悪い話】昔のグルメ漫画「ザ・シェフ」

スポンサーリンク

304:本当にあった怖い名無し2021/02/18(木) 03:06:47.98ID:ConCDs4E0
昔のグルメ漫画「ザ・シェフ」から
主人公味沢匠は天才的な腕を持つ孤高の天才料理人
依頼を受けて短期で店で働くこともあるが個人宅への出張料理も引き受ける
とある海辺の地方の資産家皇(すめらぎ)家からの依頼で泊まり掛けの仕事が入り、味沢は弟子で居候の太一も連れて出向く
駅から皇邸への道を地元民に尋ねるが
「行くのはやめろ、あそこは死んだお嬢さんの幽霊が出る」と脅される
ビビる太一と意にも介さない味沢は無事皇邸に到着

305:本当にあった怖い名無し2021/02/18(木) 03:15:22.16ID:ConCDs4E0
皇家の息子と執事に出迎えられるが、息子の父である当主は目の焦点が合っておらず、一目でメンタルのヤバさが分かる顔つきだった
「七海(なみ)はどうした?」とその場にいない娘の名を呼び、邸内を探し回る当主
息子によると七海とは妹の名で、恋人との交際を父に反対されて発作的に海に身を投げ、遺体は見つかっていないという
父は娘の死に責任を感じ、以来記憶が混乱して七海の死も理解していない
父の記憶を取り戻すため、七海の得意だった料理を再現してくれないかという依頼だった

306:本当にあった怖い名無し2021/02/18(木) 03:20:24.10ID:ConCDs4E0>>310
味沢は見事に七海の得意料理を再現し、投手も息子も感激の涙を流す
その夜は皇邸に泊まることになった味沢と太一
夜中太一がトイレに起きると、ワンピース姿の髪の長い女が邸内を歩き回るのを目撃
パニック状態で「娘さんの霊が!」と味沢を叩き起こす太一
んなわけあるか、と起き出した味沢が太一と共に邸内を捜索すると流れてくるピアノの音色

307:本当にあった怖い名無し2021/02/18(木) 03:25:56.38ID:ConCDs4E0
音色を辿って行くと明かりの着いた部屋があり、中を覗くと女が弾くピアノにうっとりと耳を傾ける当主の姿
女は当主を「パパ」と呼び、二人は父娘の会話を楽しんでいるように見えた
室内に入って確かめようと太一がドアに手を掛けたとき、「お二人をそっとしておいてください」と言う執事の姿が

308:本当にあった怖い名無し2021/02/18(木) 03:34:58.68ID:ConCDs4E0
女に見えたのはカツラをかぶり、死んだ妹の服を着た息子でその顔つきも父と同じくメンタルは正常ではなかった
「旦那さまのために坊っちゃまは亡くなったお嬢さまになりきってお芝居をしておられたんです、でもいつの間にかお芝居をお芝居と認識できなくなってしまわれた、ご自分がお嬢さまになりきることでお嬢さまが亡くなられ、旦那さまがおかしくなられた現実から逃避しようとしてらっしゃるのです」と語る執事
翌朝皇邸を辞し「あの息子さんの髪になんか跡がついてたからカツラか? って検討はついてたよ」と語る味沢に「真夏の夜の夢ですね、早く忘れよう」とやりきれない思いで振り返る太一であった

スポンサーリンク

-後味の悪い話