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消しゴムをくれた女子を好きになった 大学編
295: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:52:42.82 ID:TF9i6mg0
さあ一気に投下していきまっす
297: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:53:35.69 ID:TF9i6mg0
大学生になった俺は近場の大学ではあったが一人暮らしを始めた。
板倉と森君とは大学で離れ離れになったが、それでも頻繁に会う。
てか、毎日会っていた。
二人は俺の一人暮らしの家に入り浸りで、
何故か合鍵までも持っていたのであった。
俺ら三人はどうやら他に友達が出来ないらしい・・・
299: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:54:27.19 ID:TF9i6mg0
たまに、あの高二の夏を思い出す。
サトミを見送った後、俺は無人駅にずっと居続けた。
するとチリンチリン、自転車のベルの音が聞こえた。
俺が振り向くと板倉と森君がいた。
俺はなんか情けない顔で手を振ったと思う。
二人は俺の情けない顔を見ても何も言わなかった。
300: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:55:55.76 ID:TF9i6mg0
その後の俺はまたもや厨二病患者となりボーッと海を見て過ごしていた。
ミユキも何故かそれ以降は俺に絡んで来なかった。
俺はミユキに対してはコチラからは一切話し掛け無い様にしたんだ。
ミユキには悪いがなんかちょっとした抵抗だったのかもしれない。
女の子達も地元に帰り、俺ら三人だけは八月のギリギリまで海にいた。
海水浴客もいなくなり、浜はガランとしていた。
夏の終わりをスゲエ感じれたよ。
なんかあのサトミ達と過ごした二週間が夢の様な気がした。
301: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:56:53.88 ID:TF9i6mg0
九月になり新学期が始まってもサトミからの電話は無かった。
そして俺からサトミにも電話はしなかった。
俺は後悔した。
告白した事を凄く後悔した。
告白しなければ俺はまだサトミと接点を持てたかも知れない。
だがもう後の祭だった。
それから俺は余り妄想をしなくなった。
302: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:57:48.53 ID:TF9i6mg0
現実に目を向けて、来たるべく受験に備えた。
もちろん板倉や森君達とは馬鹿な事をして盛り上がる。
だが、もう妄想はしない・・・
すみません。
嘘です。
めちゃくちゃ妄想全開でした。
俺はサトミを思い続けた・・・
サトミが俺の元に現れる妄想しまくってました・・・
303: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:58:39.81 ID:TF9i6mg0
大学生になりサークルにも入り仲間は増えた。
女子共一緒に遊んだりしたりするからか、
俺は女の子にも少し慣れてきた。
だが、女の子と雑魚寝したりする時はドキドキしたし、
普通に俺の家に遊びに来たりするだけなのに、
コイツ俺に気が有るんじゃ無いかと相変わらずの勘違いをする。
まあ、この病気は不治の病なんだろう。
304: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/11(金) 23:59:42.29 ID:TF9i6mg0
だが、なんだかんだ言っても気が合うのは板倉と森君だった。
三人でよく酒を飲みに行った。
三人で行くと、酒が弱い俺が吐いて
板倉が女の子を追い掛け、
森君が隣の席のサラリーマンにガンダムに付いて語るのがいつもの流れだった。
305: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:00:39.46 ID:hu4P1Ds0
ある日いつもの様に酒を飲んだ後にカラオケに行こうとして街中を歩く。
俺はかなり酔っ払っていた。
板倉と森君は酒が強いんだよ・・・
気分が悪くなった俺は路地裏に入り吐く。
ゲロゲロした後に少しすっきりした俺に森君が自販機でお茶を買ってくれた。
森君「大丈夫か?」
俺「ダメだー死ぬー」
そんな事を言っていると板倉が戻って来た。
306: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:02:08.52 ID:hu4P1Ds0
板倉「誰か女呼べよ野郎ばっかじゃ楽しくねー」
それは板倉が常に言う言葉だった。
が・・・時刻は午前1時をまわっていた。
この時間に電話して来る女なんかいねー。
俺らは自販機の横にしゃがみ込んでタバコを吸っていた。
具体的に時期は言わんが俺らはタバコを覚えた。
きっかけは板倉の「タバコ吸わね?」の一言だった。
最初はちょっと吸ってみるかな?
の始まりがいつの間にか本格的なニコチン中毒の誕生となった。
あの時板倉を殴ってでも止めれば良かったよ・・・
307: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:03:32.32 ID:hu4P1Ds0
俺ら三人はボーッと人の流れを見つめる。
大学時代、時間は腐る程あった。
だが、一個無い物があった・・・
板倉「ちょ、マジでどっか移動しようぜ何してんだ俺ら」
森君「所がですね、板倉さん・・・」
板倉「うん?」
森君「俺はあと800円しか無い。ちなみに板倉君は?」
板倉「・・・ろ、600円位・・・」
森君「残念です」
俺らは金が慢性的に無かった
308: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:04:23.70 ID:hu4P1Ds0
板倉「福田は?」
俺「さっきタバコ買って後300円」
板倉「お前、一番ねーじゃねーか!!」
俺「うっせー!!!ここまで来たら300円も600円も変わんねーわ!!!」
板倉「いーや変わります!!!倍だもんね!倍違うもんね!!!」
いつもの様に俺と板倉が小競り合いを始めた。
森君は慣れっこで無視。
309: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:05:17.43 ID:hu4P1Ds0
その時突然、
「福田ー」
そう女の声で言われた。
振り返るとそこには、大学の同じサークルの女達四人が立っていた。
「何してんのwwこんなとこでwwチョー受けるんだけどww」
一人のバカ女が言ってきた。
なんでウケるんだよ。
意味がわかんね。
310: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:06:28.27 ID:hu4P1Ds0
板倉が俺の横腹を小突く。
分かってる待て。
俺「よお」
バカ女「キモいww」
なんで?ねえなんでキモいの?
板倉がまた俺の横腹を小突く。
さっきより痛い。
分かってる待てってば。
カズミと言う同じサークルの子が
「何してるの?お友達?」
そう聞いてきた。
このカズミは良い子です。
俺ともサークルでよく喋る。
311: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:07:20.83 ID:hu4P1Ds0
板倉は我慢しきれず立ち上がり、
男前表情を作った。
板倉「板倉です・・・今日と言う日は二度と来ない・・・そして、今と言う時間は僕らの為にある・・・さて、どこに行こうか・・・?」
呪文を唱えだした。
バカ女「何言ってんのwwマジウケるんだけどww」
お前なんでもウケるんかよ。
312: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:08:40.37 ID:hu4P1Ds0
板倉「さあ、あのカラオケに行こう・・・!」
カシャーッ。森君が携帯で女の子の写メを撮り始めた。
バカ女「何?何撮ってんの???」
俺「あ、いや・・・」
カシャーッ。森君は撮り続ける。
もう、コイツは神の領域だよ。
板倉「良いからww良いからwwどこ行く?」
バカ女「は?」
場はカオスだった。
だが、こうなったら板倉達の独壇場だった。
女の子らは強引に板倉に連れて行かれる。
313: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:09:51.19 ID:hu4P1Ds0
カズミが俺に言って来た。
カズミ「なんかww凄いお友達だねww」
素直に笑ってた。
うん、コイツも少し天然なんだ。
カラオケに入る。だが、俺らは金がない。
俺は板倉に耳打ちした「いや、どうすんだよ金は?」
板倉はニヤリと笑い財布の中身をチラリと見せた。
板倉「カードがあるww」
俺「え?お前そんなん持ってんの?」
板倉「親父のだ、緊急事態の時だけ使う」
緊急事態・・・親父カワイソス。
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314: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:10:47.60 ID:hu4P1Ds0
ビールが運ばれて来て乾杯する。
板倉「自己紹介一気のコーナーwwwwww」
テンションたけえ。
だが、バカ女達は何故か
「イエーイww」と応えていた。
何このノリ。
なんか妙に盛り上がった。
板倉「バカ女ちゃんはあれ?男性経験何人?ウヒヒww」
エロ親父かよ。
315: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:12:00.89 ID:hu4P1Ds0
バカ女「えーwwwwひ・み・つww」
ウゼエ。
板倉「えー、じゃあ高校の時に付き合った人数は?」
バカ女「15人・・・ww」
全員「えー???!!!!」
バカ女「バカ女はモテモテww」
俺「何それ・・・ラグビーチームでも作る気だったの・・・?」
バカ女「はあ?」
なんかムカつかれた。
俺は板倉に膝をツネられた。痛いっす。
316: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:12:54.57 ID:hu4P1Ds0
なんか盛り上がっていたが俺は既に酒で頭が痛かった。
少しチューハイを飲んだだけで更に吐き気がする。
俺はトイレに行き吐いた。
吐いてからトイレを出た所でタバコを吸う。
もう帰りたい・・・そう思っていた。
なんで板倉達はあんな元気なんだ・・・
そう思っていると「フクちゃん」と声を掛けられた。
カズミであった・・・
317: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:14:16.66 ID:hu4P1Ds0
カズミはいつも俺の名字をちゃん付けで呼ぶ。
俺「ああ」
カズミ「大丈夫?」
俺「無理」
カズミ「フクちゃんお酒弱いもんね」
俺「カズミらは何してたの?今日は」
カズミ「普通に飲み会ww」
ここでカズミの特徴。
顔は普通。髪は茶色でショート。
割と地味な格好を好んでいた。
身長が高かった。俺と数センチしか変わらない。
スタイルは良かったねー。
319: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/12(土) 00:16:13.77 ID:iWBl/f2o
>スタイルは良かったねー。
なんか、実感がこもってる。
318: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:15:31.77 ID:hu4P1Ds0
カズミ「どうする?ここにいとく?」
俺「外行くわ」
俺はそう言ってフラフラしながら外に出る。
そして自販機でお茶を買い飲んで更に吐いた。
吐いている時、誰かが背中を摩ってくれる。カズミだった。
なんかねーほら、そんな事をされちゃうとね・・・
コイツ俺に惚れてんじゃねーの病が出て来た。
もはや重病だね。
それから自販機の横に座り二人で喋る。
なんか良いwwなんかあれだ、青春だよww
その日は始発で家に帰った。
321: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/12(土) 00:17:25.17 ID:AcA2mYIo
>>318
>その日は始発で家に帰った。
やったか!
抱いたんだな!
320: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 00:16:21.05 ID:hu4P1Ds0
すみません、書き溜め終わりましたので
寝ます
続きはまた明日書きますです・・・
おやすみなさい
323: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 11:07:34.01 ID:2eNDnESO
おはよう抱いてないよー
326: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:26:56.71 ID:2eNDnESO
翌日か翌々日に大学に行って授業を受けた。
俺結構真面目に授業受けてたんだよ。
授業の後に喫煙所でボーッとタバコを吸っていた。
そしたら
「フクちゃん」
と言う声。カズミだった。
俺「おう」
カズミ「この前はありがとうwwあ、これカラオケ代」
そう言ってカズミが俺に金を渡して来た。
あの日は板倉が親父さんのカードで支払いをした。
327: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:28:53.18 ID:2eNDnESO
が、翌日には板倉からの金払えの矢のような催促。
結局、男三人で割り勘だった。
俺「いやいや、別にイイよ」
カズミ「良くないよ、はいww」
カズミは無理矢理俺に渡して来る。
カズミは良い子だな、やっぱり。
俺「カズミは昼飯食べた?」
カズミ「ううん今から」
俺「じゃあ昼飯奢ってよ、それでチャラって事で」
カズミ「え?それじゃ少なくない?」
俺「良いからww」
また俺の格好付け病が始まった。
328: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:30:37.51 ID:2eNDnESO
昼飯をカズミと学食に食べに行く。
が、昼時で学食は人でごった返していた。
カズミ「一杯・・・」
俺「ああ、もう昼飯パンで良いわ俺」
俺がそう言うとカズミが
「ねえねえ、フクちゃん昼から授業は?」
俺「いや、まあ有るけど出なくても問題ない」
カズミ「ホント?じゃあお昼外で食べない?」
マジ?マジ?え?マジ?
俺はドキドキし始めた。
329: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:32:55.33 ID:2eNDnESO
俺らは学校から出て近くの繁華街に向かう。
カズミ「ねえねえフクちゃんは何が食べたい?」
俺「え?いや、なんでも良いよー」
俺は照れていた。
何度か学食では女の子と二人で食べた事が有るが、わざわざ街に出てご飯を食べるのは初めてだった。
カズミが俺の脇腹を指で突く。
カズミ「なんでも良いは困るのww決めてww」
俺「じゃあ・・・ラーメン」
カズミ「OKwwじゃあラーメン行こうww」
俺らはラーメンを食べた。
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330: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:35:16.43 ID:2eNDnESO
ラーメンを食べ終わった後にカズミが
「ねえフクちゃんボーリング行こうww」
ボーリング・・・
そうそれは俺は男としか行った事が無いもの・・・
まさか女の子と行く日が来るとは・・・
ボーリングをしましたよ。
ストライク取った時もハイタッチをしましたよ。
なんかもうね、最高に楽しかった。
331: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:38:14.62 ID:2eNDnESO
家に帰った時にカズミからメールが来た。
「今日は楽しかったね、またナイショで二人でボーリング行こう」
みたいな感じのメール。
俺はそのメールを保護にしてずっと見続けた。
そしてその晩夢にカズミが出て来た。
カズミと二人で手を繋いでる夢だった。
俺は例によって妄想にカズミが出る様になった。
今まで俺の妄想出演回数No.1はサトミだ。
だが、その日からカズミの出演が多くなる。
現金な奴だな俺は。
332: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:39:43.72 ID:2eNDnESO
それ以降、
大学でボーッとしているとカズミが後ろから俺の脇腹をチョンチョンと突いてきたり、
サークルの部会後に俺に話し掛けて来たり、
そしてよく目が合う様になる。
目が合うとカズミは目を逸らさない。
ニコッと笑う。
333: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:41:19.63 ID:2eNDnESO
ある時、サークルで旅行の計画があがった。
夜にカズミから電話があり、喋ってた。
カズミ「フクちゃんどうする?旅行行く?」
俺「うん、多分行く」
カズミ「あ、そうなんだ、フクちゃん行くなら私も行こうかな・・・」
そう言われた。
俺はカズミの気持ちを完全に分かっていた。
フフフ、モテる男は困るぜ・・・
334: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:42:31.78 ID:2eNDnESO
サークルでも俺とカズミがジャレ合っていると他の男から言われる
「お前ら付き合ってんの?どうなんだよww」
とね。
俺「いやいや、まあ良いじゃんww」
スマン。一度言ってみたい台詞だったんだよ。
基本モテない子なんで許してやって下さい。
335: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 16:44:20.41 ID:2eNDnESO
俺は板倉達に実質自慢の恋愛相談をする。
板倉「早くヤレ」
俺「いや、そー言うんじゃ無いからww」
何がそー言うんじゃ無いんだよ。
板倉「は?」
俺「いや、どーしよかww付き合ってやった方が良いかなーww」
森君「なにその上から目線」
板倉「良いからさっさっとヤッテて来い、そんで森君に盗撮して貰うから」
森君「良いよ、綺麗に撮ってやる」
俺「いやーアイツと俺はな・・・そー言う感じじゃ無いんだなー」
板倉「なんなんだよお前は・・・」
俺ちょーウゼー。
337: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:18:30.57 ID:2eNDnESO
実際にね。
俺はカズミと付き合いたかった。
「お前サトミはどうしたんだよ」
と言われそうだが、
モテない男はフラグが立てば付き合いたいと思うだろjk。
でも俺は今一歩踏み出せなかったんだ。
もしカズミは単純に俺の事を友達として好意を抱いているだけなら・・・
そんな怖さがあった。
モテない男は目の前のフラグに疑心暗鬼になる。
そしてそれを見逃すから更にモテない。
モテないスパイラルだねー。
338: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:25:26.43 ID:2eNDnESO
サークルの旅行に行く事になった。
予定は二泊三日だった。
まあ、旅行は普通に楽しかった。
だが、カズミが話し掛けて来ない。
俺がカズミの方を見ても女の子達と喋っている。
普段なら目が合う筈なのに・・・
俺は・・・
俺は・・・
欝になった。
339: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:26:57.23 ID:2eNDnESO
飲み会の際にワザと一気して注目を浴びる様にする。
周りは盛り上がるがカズミをチラリと見ると・・・
見てない。
俺は厨二病患者らしく一人で旅館のベランダで夜空を見ながらタバコを吸ってみた・・・
見てない。
俺はラブコメ漫画に有りがちな感じで
「なんなんだよ・・・そっちがその気なら・・・」
とか呟いたりもした・・・
キモッ。
340: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:28:33.82 ID:2eNDnESO
だが、カズミは俺を無視。
もう俺は旅行中ずっと欝だった。
板倉の言う様に早く仕留めれば良かった・・・
後悔が胸に押し寄せた。
あー俺の人生後悔ばっかで全然学習しねー・・・
最終日に新幹線の時間までアスレチックが有る簡易的な遊園地で過ごす。
皆で釣堀で釣りをする事になった。
341: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:30:22.39 ID:2eNDnESO
最初のポイントで釣れなかったので、皆が移動する。
俺は動くのが面倒臭く釣りも好きじゃ無いのでそのまま、最初のポイントで釣る事にした。
誰かが「福田動かねーの?」
と聞いて来た。
俺「あ、良いよ俺ここで釣るわ」
そう言って一人で残った。
みんなは対岸に行き釣りをしてる。
「はあー」
俺が溜め息をついていると、隣に人の気配がした。
カズミだった。
342: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:32:23.29 ID:2eNDnESO
俺は思わず焦った。
何故か逃げようとした。
だが逃げるのも変だし・・・
しばらく二人で黙って隣り合わせで釣りをする。
俺の頭の中では目まぐるしくコンピューターが動いていた。
なんで?なんでカズミはここに残った?
何これ?え?ドッキリ?
俺のコンピューターは役立たずなんの答えも出さない。
沈黙に耐えれなく成った俺は・・・
カズミに話し掛けた。
344: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:35:12.88 ID:2eNDnESO
俺「てか、釣れんなー」
カズミ「・・・うん、そーだね」
俺「カズミは・・・向こう行かないの・・・?」
カズミ「うん・・・ここで良い」
俺「あ、そう・・・」
会話が続かん
カズミ「・・・フクちゃんがいるから・・・」
え?
俺は心臓がバクバク。
なんだって・・・?
その時、俺の竿の先の浮きが動いた。
そして、凄いアタリが来た。
345: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:37:30.85 ID:2eNDnESO
俺「ぐわあー!!来たー!!!」
カズミ「え!!!うわ、大丈夫?フクちゃん!!!」
俺「ひいいいい!!!」
俺はなんとか竿を立てる。
俺は釣りは好きじゃ無いが、一ヶ月間釣り人を相手してたので要領は分かる。
俺「カズミ、タモ取って!!」
カズミ「タモ?」
俺「あ、網ー!!!」
カズミがタモを取ってなんとか引き上げる。
メッチャデカイ鯉が釣れた。
カズミ「すごーーーーい!!!!」
カズミが嬌声をあげた。
俺ら二人は大興奮していた。
346: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:39:03.38 ID:2eNDnESO
鯉を釣り上げたので、釣堀のオッサンから釣堀回数券を二枚プレゼントされた。
てか、俺ら地元じゃ無いんですけど・・・
そこからは俺とカズミは普通に会話する様になった。
前みたいにじゃれ合う。
旅行は最後に来て楽しくなった。
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347: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:41:36.51 ID:2eNDnESO
帰りの新幹線は旅行会社のミスかなんかは知らんがダブルブッキングになり、
団体指定席が取られて無かったんだ。
車掌さんが空きを探してバラバラに座らされた。
俺は何故か一人ぼっちで隣に婆さんが座っていた。
婆さんは仕切りに俺に話し掛ける。
まあ、良いんだけどさ、他の奴らは比較的固まって座ってるから楽しそう。
しかも俺だけ別車両で一人。
婆さんは次の駅で降りた。
俺はホッとして一人目をつぶってウォークマンで音楽を聴く。
突然、俺の耳からイヤホンを抜かれた。
「何聴いてんのww」
カズミだった。
348: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:45:38.64 ID:2eNDnESO
俺「ドラゴンアッシュ」
カズミ「私も聴いて良い?」
俺「絶対ヤダww」
カズミ「えーーww」
俺「嘘だよww良いよww」
カズミは俺の隣に座り一緒に音楽を聴く。
窓の外に景色が凄い速さで通りすぎていく。
イヤホンを二人で付けると自然肩を寄せ合う形になった。
カズミ「お腹減ったねww」
俺「だなぁ」
カズミ「帰りにご飯食べて帰らない?」
その言葉に俺はカズミを見た。
349: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:53:10.73 ID:2eNDnESO
俺「なあ」
カズミ「うん?ww」
俺「なんで・・・喋ってくれなかったの・・・?」
俺は何を聞くんだ、そう思った。
カズミは少し下を向いた後に背もたれに頭を乗せて、
顔だけを向けて俺を見つめた。
カズミ「・・・諦めようかな・・・って思って・・・でも・・・無理だった・・・」
そう少し悲しそうな顔で言う。
俺は心臓が爆発するかと思う位、鼓動が激しかった。
350: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:55:09.28 ID:2eNDnESO
そしてゆっくりカズミがひじ掛けに置いてる手を握った。
カズミも俺の手を握り返す。
周りの乗客は眠っていた。
誰も俺らを見てない。
背もたれに乗せている頭を俺は少し動かしてカズミの方に顔を向ける。
カズミも背もたれに乗せながら伏し目がちにゆっくり顔を動かして・・・
俺らはキスをした。
生まれて初めてのキス。
それは軽い唇を合わせるだけのキスだった。
351: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:56:25.84 ID:2eNDnESO
唇を離した後にカズミが俺に照れた様に笑いかける。
カズミ「・・・これってさあ・・・良い・・・の?」
俺「うん・・・付き合ってくれ・・・!」
俺がそう言うとカズミは笑う。
俺らは再びキスした。
352: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 17:59:53.00 ID:2eNDnESO
旅行から帰って俺はすぐに板倉達に報告したww
板倉と森君はニヤける俺にコブラツイストと四の字固めをかける。
でも俺は全然平気だった。
ちなみに板倉は大学に入ってすぐに彼女が出来初体験を済ませました。
森君は高三の時に別の女子高の子と付き合っていた。
この時が調度大学一年の秋でした。
俺が一番遅かったねww
353: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:01:25.91 ID:2eNDnESO
翌日の朝、カズミからメールが来る。
「おはようダイスキ」
みたいなメール。
俺に彼女が出来た・・・それを実感した。
毎日学校で会って一緒に帰る。
土日は必ずどこかへ出掛けた。
当初はそれで幸せだったが、俺の中で出て来た欲望がありました・・・
脱童貞だった。
354: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:03:55.46 ID:2eNDnESO
俺はこのミッションをクリアすべく、俺の部屋にカズミを呼んだ。
部屋には板倉達が壁一面に長い紙に
『頑張れ福田穴を間違えるな!』
と言う言葉が書かれていた。
カズミが固まっていた。
俺は慌てて紙を破りごみ箱へポイッ!
俺「ハハハ・・・ちょっと友達が・・・」
カズミ「う、うん・・・ww」
気を取り直して一緒にDVDを見た。
ベッドに腰掛けて二人並んで見る。
俺は凄く緊張していたのを覚えている。
ゴムを隠した位置やどうやってやるかをシミュレーション・・・大丈夫イケる・・・!
355: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:05:58.85 ID:2eNDnESO
見終わった後にカズミが料理を作ってくれた。
もうすっかり夫婦気分だったww
その後お酒を飲んだ。
何を喋っていたかは忘れた。
ただ俺らはキスしまくった。
もちろんベロチュウ。
そして俺は鼻息荒くカズミをベッドに押し倒した。
そしたらカズミが
「・・・フクちゃん」
そう言った。
カズミ「フクちゃんは・・・初めて・・・だよね?」
そう言われてドキッとした
356: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:08:15.87 ID:2eNDnESO
が、隠しても仕方ないので頷く。
カズミ「ゴメン・・・私は初めてじゃ無くて・・・ゴメン」
そう謝って来た。
俺は首をふる。
俺「良いよww俺はそんなん気にしない」
ぶっちゃけ凄く気にしたよ。
でも仕方ないしね。
俺らは抱き合った。
初めて見る女の子の体に興奮した。
柔らかい。
首筋良い匂い。
ゴムが上手く付けれない。俺は焦った。
かなりの格闘の末に装着。
が、俺のがグレた。
また更に焦るが・・・orz
357: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:10:12.82 ID:2eNDnESO
俺「ゴメン・・・」
そう言うとカズミが
「大丈夫だよ・・・気にしないでww」
そう言ってくれて嬉しかった。
しばらく二人でベッドの中で喋りながらカズミの体をさわっていると・・・
息子が更正した。
「父ちゃんゴメン、俺頑張るよ」
そう頼もしく語りかけているかの様だった。
俺は無事初体験終了した。
358: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:11:41.25 ID:2eNDnESO
俺らはそれから会えば関係をもった。
猿みたいww
でも二人で色んな所に遊びに行った。
下らない嫉妬をしたり、されたりして喧嘩もした。
でも幸せだったな・・・
これが大学一年の時の話です。
前置きが長くて申し訳無いけど・・・
これから本編の大学二年の時の話に入ります
360: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 18:14:26.79 ID:2eNDnESO
凄く早足で来ました。
今からはちょっと本腰いれます。
361: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/12(土) 18:15:20.16 ID:Cf8BjDso
待ってるぜ
しかし今はどうかは分からんけど、いい思い出持ってるなぁ
羨ましいぜ
あーあ……
363: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/12(土) 19:26:09.88 ID:i56Ildc0
映画化はいつですか?
374: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 21:41:57.10 ID:V1dqxgM0
カズミと付き合いだした俺は心に余裕が持てる様になった
彼女がいない時は
「モテ無い」
の一言に結構ムッとしてたのですが、そんな一言もヘッチャラに成った自分がいた
もちろん板倉と森君とも相変わらずの付き合いがあった
だが、ひとつ違うところは、板倉や森君と彼女を交えた付き合いをする様になってきた事だった
375: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 21:46:28.17 ID:V1dqxgM0
中学や高校時代の俺たちには考えられない事態になっていた
そして、俺は妄想癖が段々少なくなってきた
リアルが充実してたら妄想をする意味が無いからだろうか
そして、それに伴いサトミへの想いが無くって来たのだろうか?
カズミに対して俺は誠心誠意付き合った
想いも本当だったと思う
だが、俺にはカズミに秘密にしている事があった
俺の部屋の奥底には、未だに有ったんだよ
渡せなかったラブレターが
色あせてしまったラブレターが
376: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 21:49:24.53 ID:V1dqxgM0
大学二年になり、あっと言う間に春が過ぎた
本当にあっと言う間だった。そして季節は梅雨を迎えた
俺はある日一人で街にいた
確かカズミがバイトを終わるのを待つ為に一人でブラブラしていたと思う
本屋に入った。
そこで適当に雑誌を見ていた
377: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 21:52:28.15 ID:V1dqxgM0
顔を上げて欠伸をした時に、俺の前を何かが過ぎった
?
なんだ?
何かが俺の脳に引っかかりを見せた
なんだろう?
俺は雑誌を見ていた顔を再び上げて本屋の窓から見える風景を見た
人混みが目の前にある
その人混みの向こうに・・・見覚えのある姿があった
サトミ・・・・・?
378: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 21:54:48.61 ID:V1dqxgM0
俺は慌てて雑誌を直して、本屋を出た
そして、さっきサトミを見た場所を探す
自分でも意味が分からなかった
何故今更サトミを探すのか
だけど体が反応したんだよ
俺は・・・未だに・・・サトミの影を追っていたのかもしれない
なんか少し綺麗な表現が続くねww
379: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 21:57:27.13 ID:V1dqxgM0
でも、サトミの姿はいくら探しても無かった
見間違いかも知れない
俺は、再び本屋に入り先ほどの位置で窓の外を見る
サトミの姿は見えない
やはり見間違いだったのか?
だが、俺は何故かサトミがいた周辺を探す
そして、近くの駅の方に歩く
いない。今度は駅とは逆の方向を探す。その時は最早走っていた
サトミの姿を探し回った
380: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:00:29.65 ID:V1dqxgM0
俺は汗をダラダラかいてサトミの姿を探し回った
だが、見つからない。その時携帯が鳴っているのに気が付いた
カズミ「もしもし」
俺「おう・・・」
相手はカズミだった
カズミ「何回かけても繋がないけど、何してたの?」
俺「え?マジ?全然気が付かなかった」
カズミ「もお・・・バイト今終わりました」
俺「あ、お疲れええっと・・・」
俺は気が付くとカズミのバイト先から全然違う場所にいた
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381: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:02:12.74 ID:V1dqxgM0
俺「ごめん、ちょっと買い物してたら・・・なんか全然違う場所にいるわww」
カズミ「何してんの?」
俺「すぐ行く」
カズミ「徘徊老人みたいだね」
俺「飯はまだかのお」
カズミ「ハイハイ、んじゃ待ってるから」
俺はマジで何してたんだろ
382: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:04:08.99 ID:V1dqxgM0
その日はカズミと飯を食って、俺の家に行った
そしていつもの様に関係を持つ
けどね、俺は本当にカズミに申し訳無いんだが・・・心ここに有らずだった
俺は、カズミと普通に喋ったり、抱いたりしながら・・・
サトミの事を考えていた
ずっと頭から離れなかった
383: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:07:34.60 ID:V1dqxgM0
確かその翌日だったか、夜中に森君が一人で俺の家に来た
森君は家にケーブルテレビを引いたらアニメを見すぎて大学に行けないとぼやいていた
知らんがな
俺「森君さあ」
森君「うん?」
俺「あの・・・高2の時に出会ったさ、女の子達覚えてる・・・?」
森君「高2・・・あの海の時の?」
俺「そうそう」
森君「あの俺がモテモテだった時の・・・?」
何故か森君の眼鏡がキラリと光った
384: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:10:53.86 ID:V1dqxgM0
俺「それは・・・どうか覚えてないけど・・」
森君「いや、俺はモテモテだったよ」
なんでそこを強調する
俺「なんでも良いけどさ、あの子らの連絡先覚えてる?」
森君「うん?どうしたの?なんで?」
俺「あ、いやさ・・・」
俺は森君にサトミらしき姿を見た事を伝えた
俺「だからさ、石原がどこの大学に行ったかをね、聞きたいんだよ・・・ひょっとしてさ、この近辺の大学かも知れないじゃん」
385: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:12:49.04 ID:V1dqxgM0
俺がそう言うと森君は頷いた。だが・・・
森君「で?」
俺「え?」
森君「それ知ってどうすんの?」
俺「あ、いや・・・」
森君「カズミちゃんは?」
俺「・・・うん?」
森君「福田君の彼女は・・・カズミちゃんだよね?」
あんた正論だよ
386: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:15:24.38 ID:V1dqxgM0
森君「もうさ、忘れちゃいな。カズミちゃん良い子じゃん」
俺「うん・・・」
俺も胸がズキンと痛んだ
だがね、俺は最低な奴かも知れないが
サトミの居場所を知りたかった
ひょっとして近場の大学にいるかも知れない
その思いが強くなっていた
この時は森君は固いなー
そんな馬鹿な事しか思わなかった
391: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/12(土) 22:30:52.17 ID:NRc17uU0
探すか…One more time, One more chanceだな(T_T)
『秒速5センチメートル』見た事ある?
389: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 22:12:49.04 ID:V1dqxgM0
>>391
見た事無いです
393: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/12(土) 23:02:57.10 ID:QbBa8LI0
>>391ノシ
俺も同じこと考えてたwwww
…ハァ
394: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 00:34:54.96 ID:x.RusFU0
うわー!!!
おいついたあああああ
さてOne more time, One more chance聞きながら
読み返すか
396: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 05:25:27.95 ID:KYU0SwSO
おはようございます
てか、眠いー
働き過ぎで死ぬかもー
この話は完全実話なので、皆さんが思う様なドラマチックな話に成らなかったらすみません
さて、今日も仕事の合間をぬって書きますので
駅には誰もいない
401: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:37:55.60 ID:KYU0SwSO
それからの俺は再び妄想にサトミの姿を出す様に成ってしまった。
カズミとデートをしていても、これがサトミなら・・・
と考える様に成ってしまった。
本当に俺は最低だ。
ある日カズミに言われた。
カズミ「最近さあ、なんか・・・隠して無い・・・?」
そう言われた。
俺は焦った、分かりやすい奴だったと自分でも思う。
俺「ええ?ああ・・・そうか・・・?」
もう何言ってんのよ俺・・・
402: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:39:29.21 ID:KYU0SwSO
俺はなんで自分がこんなにサトミにこだわっているかが分からなかった。
所詮初恋の相手じゃ無いか・・・
そう頭では分かっていた。
この時の俺はマジで病気だよ。
街に行くと辺りをキョロキョロする。
なんかテレビで街の風景を映す時もサトミの姿を探し出す。
キモい、て言うか怖いです。
404: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:41:19.45 ID:KYU0SwSO
ある日の事だった
いつもの三人で居酒屋に行って酒を飲んだ。
店を出て家に帰る途中だった。
俺は酔ってサトミの話をした。
板倉「お前マジストーカーだわww」
俺「ストーカーじゃねー!純愛だ馬鹿」
板倉「イタいww」
そんな話をしている時にずっと黙っていた森君が口を開いた。
森君「良い加減にしろよ」
そう呟いた。
俺「な、なんだよ・・・」
森君「石原さんは昔の話だろ???いつまで引っ張ってんだよ???」
405: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:42:40.65 ID:KYU0SwSO
俺「いや・・・いつまで、つーか・・・」
森君「良いか?石原さんは福田君の告白になんの返答もしなかった人だぞ???そんな奴の事なんかどうでも良いだろうが!!!!」
森君は正論を吐いた。
板倉「うん、そうだね」
板倉が曖昧な表現をした。少し焦った顔をしていた。
406: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:45:09.34 ID:KYU0SwSO
俺「いや・・・でも、それはなんか理由があんじゃねーの?」
俺はイライラして来た。
板倉「あ、それも有るかもね」
森君「理由てなんだよww石原さんはそんな人なんだよww」
板倉「かもな・・・」
俺はイライラがマックスに来た。
俺「お前が石原の何を知ってんだよ!!!」
森君「お前こそ表面だけだろうが!!!」
板倉「まあまあ・・・アイスでも食わね?」
俺「あん???!!!」
森君「所詮は石原さんに騙されてたんだろ!!!」
俺はキレた。
森君の顔を殴った。眼鏡が吹っ飛ぶ。
407: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:47:28.86 ID:KYU0SwSO
板倉「ちょ、ちょお前は・・・いきなり殴んな!」
板倉がなんか慌ててた。
よろけた森君が体勢を整え直して俺を殴り返して来た。
口の中に血の味が広がった。
俺らは取っ組み合い、道端で転がり出した。
板倉「よし!!!よし、もう良いぞ!!!ほら!アイスいる奴!奢ってやる!」
板倉が声を上げるが俺らは止まらない。
408: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:48:55.41 ID:KYU0SwSO
俺がマウントポジションを取った時に森君が叫んだ。
森君「石原、石原って・・・お前の彼女は・・・カズミちゃんだろうが!!!!!」
その言葉に俺の目の前にカズミの姿が浮かんだ。
そして一瞬動きが止まる。
その瞬間に森君が俺の体をどかせた。
俺はそのままその場に座り込んだ。
森君「自分の彼女がどんな気持ちか考えずに・・・勝手な事言うな!!!!」
俺はその場で何も反応出来ずにただ座り込んでいた。
409: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:50:29.91 ID:KYU0SwSO
森君はそのまま舌打ちだけしてその場を離れる。
板倉は慌てて森君の名前を呼ぶが森君は反応しない。
板倉「うわ・・・なんか青春ドラマみてぇ」
下らん感想を言い出した。
俺「・・・お前も行けよ・・・」
板倉「うわ、その台詞も青春ドラマみてぇ」
俺「うるせーな!早くどっか行け!!!」
板倉「ハイハイ・・・次会ったら、こんなもんじゃ済ませないからな!」
なんでお前がその台詞を言うんだ・・・
410: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:52:37.49 ID:KYU0SwSO
俺は通行人の目を気にしながら立ち上がった。
痛い・・・口を切ってた。
でももっと痛いのは・・・
俺の・・・胸だった・・・
詩人でスマン
俺はすぐに家に帰る気に成れずに一人で牛丼を食べて帰った。
家に帰ると鍵が開いていた。
部屋ではカズミがテレビを見ている。
この頃には俺はカズミに鍵を渡していた。
板倉と森君は勝手に合い鍵を作ったけどね。
411: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:54:00.21 ID:KYU0SwSO
カズミは俺の顔を見るなり少し笑った。
カズミ「男前に成ったねww」
俺「生れつきだっつーの」
カズミはバンドエイドを手に取り俺に貼る。
俺「用意が良いな」
カズミ「でしょう?私予知能力があるからww」
俺「宝くじ当ててくれい」
カズミ「さっき板倉君が家に来てバンドエイド置いて行ってくれたよww」
板倉・・・少し泣きそうになった。
413: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:55:51.51 ID:KYU0SwSO
カズミ「森君と喧嘩したんだって?」
俺「まあ・・・」
俺は少しドキドキした。
まさか、サトミの事とは言えない。
カズミ「原因はラーメンの豚骨か醤油で揉めたんだってね」
板倉さんアンタ何言ってんの・・・
俺「うん、まあ・・・」
カズミ「馬鹿じゃないの?」
まあね。俺は黙り込んでいた。
カズミ「で、フクちゃんは本当はどっちが好きなの・・・?」
はい???俺の額から冷や汗。
414: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:57:44.37 ID:KYU0SwSO
俺「え・・・?」
カズミはキョトンとしてる。
カズミ「ラーメン。豚骨と醤油」
ああ・・・ビックリしましたよ。
俺「そりゃ豚骨細麺っしょww」
カズミは鼻で笑うと
「馬鹿じゃないの?」
と言っていた。確かにね
俺は申し訳無い気分で一杯であった。
その晩俺はイロイロ冷静に考えた。
結局は・・・俺が全面的に悪かったんだ。
415: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 10:59:30.77 ID:KYU0SwSO
翌日、俺は学校をサボり森君の学校まで行く。
そして森君に電話した。
森君はすぐに出た。
森君「・・・もしもし」
俺「口痛くね?」
俺は突然そう言った。
森君はちょっと間を開けた後に
「板倉君よりは福田君の方がパンチ力あるわww」
俺「てか、板倉は弱すぎだしねww」
森君「すぐ泣くしww」
俺「あるあるww」
俺らは笑った。
416: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 11:01:00.63 ID:KYU0SwSO
俺「なあ、今森君の大学の前なんだけど」
森君「え?何?今度は俺をストーキング?」
俺「うっせーww昼飯食いに行こうぜww」
森君「OK、今行くよww」
俺「あ、それからさ・・・」
森君「うん?」
俺「俺の・・・勝ちで良いよな?」
森君「・・・いや、俺の勝ちww」
俺「お前は強情だww」
俺らは飯を食いに行った。
本当は「ゴメン」と言いたかったが、なんか気恥ずかしかったんだ。
417: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 11:02:25.78 ID:KYU0SwSO
次に俺はカズミにメールした
「仲直りした。豚骨醤油が最高と言う事になった」
カズミからの返信
「良かったね。これからも喧嘩したらちゃんと仲直りするんだよ」
俺はもう一個メールした。
「夏休みに二人で旅行行かね?」
カズミ「行きたーい、絶対行く!」
俺「じゃあ、俺の婆ちゃんの家に行かね?んで釣りしよ!海水浴場も側だし」
カズミ「私行っても大丈夫?」
俺「大丈夫。船にも乗せて貰える。イルカを見せてやる」
418: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 11:03:26.82 ID:KYU0SwSO
俺はカズミ一筋で行く事に決めた。
サトミの影を振りほどく為にカズミをあの思い出の地に連れていく事に決めたんだ。
だけどね
この約束は守られる事は無かったよ。
423: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 13:09:04.57 ID:ui2Y4jA0
いつでも~探しているよ~♪
どっかに~き~みの姿を♪
交差点でも 夢の中でも♪
こんなとこにいるはずもないのに♪
『秒速5センチメートル』の実写版か?
422: VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 12:00:44.32 ID:3NPFRqgo
ああ気になって夜しか眠れん
しかし板倉いい奴だなぁ。喧嘩の理由のセンスも抜群だww
429: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:16:13.97 ID:M90hE/M0
6月の中旬だった。
その日は朝から雨が降っていて俺は学校に行くのが面倒臭かった。
出席も取らない授業だし、テストも簡単だったから行かないでおこう
そう一旦は決めた。
だが、何故かその日に限ってカズミからメールが来て
「お昼ご飯を○○のタラコスパゲティーが食べたい」
と言われた。○○とは大学の近くにあるパスタ屋だった。
俺はならば昼前に行こうと思い一旦二度寝してから学校に向かった。
430: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:17:12.02 ID:M90hE/M0
シトシト雨が降っており、カバンが濡れてウザかったのを覚えている。
いつもの時間と違うので、電車は空いている。
まだ時間があったので、普段乗る事が無い、普通電車に乗った・・・
車内はガラガラであった。
座席の端っこに座りたかったので連結部分に一番近い座席が丸々空いているのを見つけると、
座席に深々と座る。
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431: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:18:09.61 ID:M90hE/M0
目の前の座席には女の子が一人いただけだった
。眠い・・・結構眠ったのに、まだ眠い・・・
俺は寝ようと思い一旦前を向いて欠伸した後に目を閉じて頭を下げた。
目の前の女の子が何故か俺を凝視しているのが、目を閉じる一瞬前に気が付いた。
何だよ・・・
・・・
・・・
432: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:19:21.71 ID:M90hE/M0
俺は目を開いて顔を上げた
目の前の女の子が俺をジッと見ている・・・
俺も見つめていた・・・
なんかその辺りの記憶が曖昧に成ってる。
俺が声をかけたのか、それとも向こうからなのか・・・
ただ、一つ覚えているのは・・・
目を見開いて凝視していた顔が俺と目が合った瞬間に変わった・・・
サトミの笑顔だけだった・・・
433: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:20:13.96 ID:M90hE/M0
サトミはまた綺麗に成っていた。
だが、不思議な事にドキドキはしなかった。
それ以上に長い長い旅をした後に、家に帰って来た・・・
そんな安らぎを覚えた。凄く、凄く癒された。
434: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:22:01.09 ID:M90hE/M0
サトミ「久しぶり・・・」
俺「久しぶり・・・」
俺らは隣同士に座り直していた。
サトミ「大学・・・?今から?」
俺「うん・・・石原は?」
サトミ「私は、出掛けてた帰り・・・ww」
俺「そう・・・」
俺らは顔を見合わせて笑った。
俺「なんで笑うww」
サトミ「そっちこそww」
俺「え?今も実家?」
サトミ「うんww福田君は?」
俺「俺一人暮らしww」
俺らは近況を話した。サトミの大学は某有名大学だった。
昔から天然だけど勉強は出来たんだよな。
435: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:23:33.41 ID:M90hE/M0
サトミも本当に偶然にこの電車に乗ったそうだ。
いつの間にか俺の大学がある駅に着くアナウンスを車掌が流した。
俺「ヤベッ、降りなきゃ」
サトミ「あ、そう・・・」
俺は考えるより先に自然に言葉が出た。
俺「あ、石原携帯教えてよ」
サトミ「うんww良い?えっと・・・」
俺「OK、一回鳴らすよ」
俺はサトミの携帯を鳴らす。
サトミは何故か電話に出た。
サトミ「はい・・・」
俺「嫌々wwwwww俺、俺ww」
サトミ「あ、そう言う事かww」
相変わらず天然だった。
436: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:24:24.48 ID:M90hE/M0
俺は駅に着き降りる間際でサトミに言った
「電話するよ!じゃあまた!」
俺が駅に降りるとサトミは車内から手を振ってくれていた・・・
こうして俺達は二回目の再会をした・・・
本当に偶然に出会えたんだ・・
438: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:25:45.89 ID:M90hE/M0
その日俺はカズミとご飯を食べていてもボーッとするかと思いきや、普通に過ごせた。
普通に会話して冗談を言って・・・
普通にキスした。
だが、完全に頭の中はサトミで一杯だった。
その日の晩に家に帰ると俺は早速サトミに電話をしたかった。
久しぶりに電話を前に緊張していた。
そう言えば俺は振られたんだった・・・
だが、それ以上にサトミと会いたい・・・
その気持ちが強かった。
俺は携帯を手に取り・・・サトミにかけた。
5コール位後にサトミが出た。
439: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:26:49.00 ID:M90hE/M0
サトミ「もしもーしww」
声が明るい。
俺「あ、石原?福田です」
サトミ「今日はどうもですww」
サトミの声だった。三年振りに電話で話す。ドキドキしていた。
緊張じゃ無くてワクワク感の方が強かった。
俺らはまたもや近況を話し合った。
そして高二の夏の話題が上がる。
俺は一番聞きたかった事を聞いてみた・・・
441: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:27:58.64 ID:M90hE/M0
俺「てかさ、なんで電話くれなかったんだよww」
笑いながら、あくまで昔の笑い話ですよ的な感じで明るく聞いた。
俺も少し大人になった。
サトミ「え~???私あの時五回位福田君に電話したよ~」
はい?
俺「マジ???」
サトミ「うん、いつもお祖父ちゃんが出て、『今はいません』て言われたし・・・一応、電話が有った事をお伝えください、って言ったんだけど・・・」
442: 福田 ◆vZuPaMM3aQ :2009/09/13(日) 22:29:18.18 ID:M90hE/M0
そうなのか・・・けどね・・・
俺「あのさあ」
サトミ「うん?」
俺「俺んち・・・祖父ちゃんいないんだ・・・」
サトミ「ええ????!!!!」
サトミは多分俺の番号を間違えていたみたいだった・・・
が、
サトミ「じゃ、じゃあ・・・」
俺「うんwwそうだな・・・」
サトミ「・・・幽霊・・・??」
俺はタバコを吹き飛ばした。
相変わらずの天然ぶりで何よりだ。