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402: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/11/28(月) 14:43:42.67 ID:zF2BB7Qb0
応天の門
「染殿の后、鬼に乱心せらるるとの事」
平安時代、862年頃。
天才だがひねくれ者で引きこもり気味の文章生・菅原道真と、
名うてのプレイボーイ近衛少将・在原業平が様々な事件に関わる物語。(史実でも友達)
キャッチコピーは「平安クライムミステリー」w
当時の天皇は清和天皇。この作中では13歳のおっとりした優しい少年天皇である。
母の藤原明子(あきらけいこ、摂政・藤原良房の娘)は病気療養として染殿院に引きこもっている。
藤原良房の時代は、藤原氏がライバル貴族を蹴落として本格的に朝廷を牛耳りはじめた時代。
――
清和天皇はある夜、病み衰え「自分はもうだめだ」と嘆く母・明子の姿をみた。
引き離され、会うことのない母の生き霊ではないか、会わせてもらえない自分は
母に疎まれているのではと心配した天皇は、道真の父・菅原是善に母の様子を見てくれるよう頼む。
明子は、侍女に薬を飲まされては祈祷と称して僧達をあてがわれていた。
是善は、染殿院を通りかかった時に正気を失って快楽にふける明子を目撃した。
離れようとしたものの、異変を感じ悲鳴を聞いて染殿院の様子を伺うと、僧達と侍女は明子の父、
摂政・藤原良房の手下に惨殺されていた。弱味を掴んだと欲をかいたため、始末されたのだ。
403: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/11/28(月) 14:46:34.50 ID:zF2BB7Qb0
血の海の中で呆然とする明子の前で、良房は生き残りの僧を捕まえて「これがいいのか?」と聞く。
明子が「違う、これじゃない」というと、良房はためらいもなく僧を切り捨て
「何不自由ない生活を送らせてやるがここから出すわけにはいかない」と宣言する。
明子は錯乱しながら「ちがう、父上、私からから奪わないで、かえして」と絶叫する。
明子の精神疾患の原因は幼い息子と引き離されたことだった。
先日天皇の枕元に現れたのは、脱走してきた明子本人だったのだ。
父と娘の会話は噛み合わないまま染殿院には鍵がかけられ、
全てを目撃してしまった是善は、良房に道真やその兄の吉祥丸の話を持ち出して脅された。
道真の兄、吉祥丸は道真が幼い頃に死んだ。優しい兄だった。流行り病が原因で亡くなったと
道真は聞かされていたが、市井の事件に関わるうちにその死に藤原一門が関わっていると気付き、
是善に反発していた。
染殿の事件の後、家に戻った是善は道真に兄の死の真相を語る。
元服を控えた吉祥丸に藤原の後ろ楯をつけたかった是善は、息子を良房の甥の国経・遠経の元に
ご機嫌伺いに送り出した。
しかし、ある日吉祥丸は彼らの猟犬に襲われた。唐から輸入したというその犬は、狂犬病に感染していた。
必死に抵抗した結果、吉祥丸は犬を殺してしまい、自身も大ケガを負う。その傷と狂犬病がもとで、
彼は1カ月後に亡くなった。
藤原家からは「我が家の犬を殺したのは無礼だが、犯人が死んだので不問にする」という文が届いただけだった。
是善は「藤原に近付くな、あれは鬼の家だ」と忠告する。
道真は父上も鬼です、と吐き捨てた。
404: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/11/28(月) 14:50:51.64 ID:zF2BB7Qb0
幼い道真は病床の兄を見舞おうとして、兄に「来るな」と物を投げつけられ怪我をした。
(狂犬病の錯乱状態)
幼い頃から才能を妬まれることが多く、すっかり生意気なひねくれ者に育った道真は、
兄も本当は自分を疎んじていたのではないかとずっと思っていた。
だが、兄のつけていた日記を見つけた道真は、自分のためにも道を開こうとしていた兄の思いを知る。
日記には苦手意識をこらえつつ、「家のため、才能ある阿呼の将来ため」
と藤原の息子達の狩りや蹴鞠に付き合う吉祥丸の思いが綴られていた。
そして病に苦しみながら、たどたどしい文字と文で書かれた最後のページには
「父上 どうか願わくば 阿呼(道真の幼名)が同じ苦労をすることのないように」
と記されていた。
是善は清和天皇に明子について「祈祷で良くなっている」と嘘の報告をした。
側に控える藤原基経(良房の甥で跡継ぎ・彼が明子に僧をあてがった)は
「母上が天皇に会いたい気持ちが生き霊になったのでしょう」と澄ました顔で口添えする。
無邪気な少年天皇は報告に喜び、母だけでなく病の民のためにも供養塔を立てようと提案する。
是善は平伏しながら「道真、この恐ろしい場所に来てはならぬ」と思うのだった。
411: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/11/28(月) 22:17:40.50 ID:sRFTgx7j0
>>402
主人公が菅原道真とかもうバッドエンドが見えてるのも後味悪いな
413: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/11/28(月) 23:01:50.98 ID:x1T9UhzB0
人形浄瑠璃や歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」寺子屋の段
これまでのあらすじ
菅原道真が藤原時平の陰謀によって太宰府に流された後、
時平の命令で、時平の部下の松王丸と玄蕃というのが菅原道真の息子、菅秀才の首を取りに
菅原道真のかつての弟子、源蔵が開いていた寺子屋(秀才が匿われている)に来る。
源蔵は、恩人道真の息子を殺す訳にはいかない、と
その日寺子屋に入ったばかりの小太郎という子供を殺し、その首を、菅秀才の首と偽って松王丸に見せる。
松王丸は不遜な態度で「たしかに菅秀才の首だ」と玄蕃に言い、玄蕃と共に寺子屋を後にする。
その直後、殺した小太郎の母親が寺子屋に来たため、源蔵は口封じに斬りかかるが、母親は道具箱で受け止める。
そこへ松王丸が戻ってきたが、源蔵が驚く間もなく、松王丸は小太郎の母親に
「女房喜べ、倅はお役に立ったわい」と告げる。
実は松王丸と女房はかつて道真の恩を受けており、身代わりに殺されることを見越して、息子小太郎を源蔵の寺子屋に入れておいたのだった。
すべてを知った源蔵は「せまじきものは宮仕え」と嘆息する
って段があるけど、>>404「道真、この恐ろしい場所に来てはならぬ」ってセリフは「せまじきものは宮仕え」というこのセリフにかけたとか?
416: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/11/28(月) 23:23:06.89 ID:KXlppy6u0
>>413
おー、それは知らなかった
多分取り入れてあると思う
今昔物語とか宇治拾遺物語とか色々な所からネタ引っ張ってきてるから
タイトルからしてクライマックスは866年の応天門の変になると思うけど、
関係者してくる人達のエピソードがちょこちょこ入って
殺されたり流されたりするんだな…とちょっと切なくなる