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概要
「懲役30日」(1998年)
世にも奇妙な物語、屈指の極悪エピソード。死刑制度が廃止された近未来。凶悪殺人犯が逮捕されるが、下された判決はなんと《懲役30日》。殺人犯は楽勝だと高を括るが、それは恐るべき拷問の始まりだった...今では到底オンエア不可能なトラウマ作品。その凄まじい結末に言葉を失う。孤独のグルメでお馴染みの松重豊さんがナチスを彷彿とさせる軍服姿のサディストな刑務官を演じる。
懲役30年 あらすじ
345: 本当にあった怖い名無し:2009/02/13(金) 02:58:36 ID:5mgfZjgj0
タイトル失念。多分「懲役30日」だったと思う…
舞台は死刑が廃止になった近未来の日本。
その日、ある凶悪犯の判決が下されようとしていた。
罪状は殺人。それも善良な一般市民7名の尊い命を奪ったという凄惨なもの。
被告である男は死刑確定と思い込んでおり、
裁判中も横暴に振る舞い、反省の言葉を口にするどころか、
被害者遺族を誹謗するような言葉を発したりしていた。
「被告を、懲役30日に処する」
裁判長が判決を読み上げるや否や、男は歓喜の雄叫びを挙げる。
7人も殺害したにもかかわらず、たった30日の服役。
もちろん男は控訴せず、検察もその判決に納得している様子だった。
男は恋人と面会すると、判決の内容を伝えた。
「ひと月したら戻れるから、それまで待っていてくれ」
男と女は互いに顔を見合わせながら不適な笑みを浮かべる。
346: 2:2009/02/13(金) 02:59:43 ID:5mgfZjgj0
そうして男の服役生活が始まる。
最初の日に何故か腕に注射を打たれたが、
特に体に異変もなく、男は気にしていなかった。
牢屋に戻った男に、突然4人の引き連れを従えた刑務官が現れる。
「今日から私がお前の世話をすることになった。よろしく頼む」
刑務官はそう言うと男を屋上に連れて行く。
不審に思いながらも、男は大人しく連れられて行った。
屋上に到着するや否や、男は引き連れたちに腕を捕まれ、
屋上の真ん中に用意された磔台に縛りつけられた。
「よし、靴を脱がせろ。犯罪者に靴を履く資格はない」
刑務官の言葉に、引き連れたちが男の靴を脱がせる。
長時間炎天下に晒された磔台の床は、裸足では火傷を負うほど高熱に熱せられていた。
「そうだお前、ここに来る前、ネックレスをしていたな。
取られて寂しいだろ。これは私からのプレゼントだ」
刑務官はそう言うと、黒い紐にたっぷりと水をかけ、男の首にきつく巻きつけた。
「日が暮れたら迎えに来てやる。それまで精々頑張ることだな」
そうして刑務官と引き連れは去っていった。
取り残された男は、うだるような暑さと、空腹、喉の渇き、
そして水分が蒸発するに従ってキリキリと男の首を締め上げる紐に苦しめられながらも、
何とかその日1日は耐え抜くことが出来た。
日が傾き始めると、刑務官と引き連れが現れ、男を解放してくれた。
「これからもっときつくなるから、覚悟しておけよ」
不適な笑みを浮かべながらそう言う刑務官に殺意を覚える男だったが、
あと29日耐えれば外に出られると自分に言い聞かせ、その日は布団のない牢屋で一夜を過ごした。
347: 3:2009/02/13(金) 03:00:07 ID:5mgfZjgj0
それから毎日、服務という名の拷問が繰り返された。
ある日は気を失うまで水に顔を沈められ、電気ショックで目を覚まさせられるという流れを延々と繰り返され、
ある日は刑務官や引き連れから顔が識別できなくなるほど殴る蹴るの暴行を受け、
またある日は冷水と熱湯を交互に浴びせかけられるなど、それはまるで地獄絵図のような凄惨たるものだった。
しかし男は毎日牢屋の壁に日数を刻んでは、出所出来る日を待ちわび、
刑務官への復讐を誓うことで何とか持ちこたえていたのだった。
そうして迎えた29日目の夜。
「明日で最後だ。シャバに出たら絶対あの野郎を殺してやる。どうせ捕まってもすぐ出られるのだから」
男は抑えきれない衝動を胸に、興奮でなかなか寝付けない夜を過ごした。
翌朝、いつも通り刑務官と引き連れが男を迎えに来た。しかし少し様子が違う。
「今日で最後の日だな。お前に選別の品がある。来なさい」
男が訝しげに思いながらも最後だからと大人しく刑務官に連れられていくと、
刑務官はひとつの部屋の前で立ち止まった。
「最後の服務だ」そう言って刑務官が扉を開けると、目の前には電気椅子が用意されていた。
男は顔面蒼白となり、悲鳴を上げながら必死に抵抗を試みたが、
引き連れたちに押さえつけられ、電気椅子に座らされてしまう。
「この30日間、なかなか楽しかったよ。地獄で俺を恨むなよ、じゃあな」
そう言って、刑務官は電気椅子のスイッチを入れた。
「うわああああああああああああ!!!!!!」
348: 4:2009/02/13(金) 03:01:49 ID:5mgfZjgj0
激しい雄叫びを挙げながら男が目を覚ますと、
そこは最初の日に注射を打たれたベッドの上だった。
いつ間にか男はベッドに縛り付けられ、身動きが取れないようになっている。
全身汗だくになりながら呆然とする男の顔を、白衣に包まれた男が覗き込んでいた。
「あなたは知らないかもしれませんが、日本は死刑制度が廃止になりました。
その代替刑として採用されたのが、これなんですよ」
白衣に包まれた男は、注射器で妙な液体を吸い上げながら続けた。
「この薬品は脳細胞に作用して、30日間拷問を受ける夢を見させる効能を持っている。
しかし、現実世界では5分しか経っていない。
つまり、5分の間に30日間拷問を受け続けた精神的・肉体的苦痛を被験者に味わわせることができるんです。
この意味が分かりますか?」
男が呆気に取られていると、白衣に包まれた男は嘲笑うかのように鼻を鳴らした。
「あなたに下された判決は懲役30日。
それは、24時間体制で5分ごとにこの薬品を、30日間投与されるというものなのです。
つまり体感時間で言うと、25万9200日間。ざっと710年ほどになりましょうか」
男の顔がみるみるうちに歪んでいく。
「では、続きを始めしょうか」
白衣の男が注射の針を男に向けた。
「い、いやだ、やめてくれ! やめてくれええええ!!!!!」
349: 5:2009/02/13(金) 03:04:11 ID:5mgfZjgj0
― 30日後 ―
刑務所の前で真っ赤なスポーツカーにもたれながら、男を待つ女。
「あいつ、遅いなぁ…」
煙草を吹かしながら時計に目配せしている女の後ろを、
白髪頭で虚ろな目をした男が、トボトボと通り過ぎていった。
(おわり)
長くなってスマソ。
自分は途中から犯人の男に感情移入してしまって、
刑務官の男が憎く感じてしまったので、
結局刑務官なんてもともと存在してなくて、
再びあの悪夢が繰り返されてしまうのかと思うと後味悪かった。
353: 本当にあった怖い名無し:2009/02/13(金) 04:32:21 ID:eJMK+UhVO
うあああ…710年間拷問は……710年間服役ならまだしも………
耐えきったってのがまた…死んだ方がすっきりする