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主婦(主人公)は、ニュース番組の報道画面に、なぜかいつも映りこんでいるおじさんを発見する。
どの報道画面をチェックしても、必ずそのおじさんが映っているのだ。
どんな報道画面かというと、事故現場からの中継映像だといつも決まっていた。
それを夫に話すが、夫はあまり興味を示してくれない。主婦はすっかり「おじさん」の謎にハマっていた。
数日後、主婦は近所で「おじさん」を見かける。
そこはガス爆発の事故現場で、マスコミがたくさん駆けつけて中継をしていた。
もちろん「おじさん」は、テレビの画面にしっかりと映り込もうとしていた。
最初は「おじさん」に夢中だった主婦も、
『あのおじさんは、決まってニュースの報道に映っている。
と、いう事は、あのおじさんが行く先々には、
必ず事故が起きるんだ』という考えを持ってから、だんだん「おじさん」を不気味に思い始める。
そしてある日、夫婦でドライブに出かけたが、後ろから、なんとあの「おじさん」がついてくる!!
主婦は必死に、あの「おじさん」から逃げるよう、夫に説得する。
逃げる途中、二人が吊り橋を車で渡ろうとすると、突然くす玉が割れ、目の前からパレードがやってくる。
「あなたは、この橋の1000人目の通過者です」と言われ、驚く夫婦。
テレビカメラでもその様子は報道され、大喜びしていた二人だったが、主婦はある事に気付く。
あの「おじさん」が、テレビカメラに映り込もうとしていないのだ!
カメラのレンズとは正反対、つまり、カメラマンの背中側に立って、二人を黙ってじーっと見ているのだ。
「おじさんの目的は、こんなニュースじゃないんだわ!きっと、もっと別のニュースなのよ! 早く逃げないと大変な事に!」
と、夫に説得するが、浮かれ気分の夫は、
「おじさんなんて、もうどうでもいいじゃないか~」と聞いてくれない。
その瞬間、吊り橋が突然崩れた。
崩れる瞬間、一瞬「おじさん」と目が合う主婦。
「おじさん」は、その光景から目をそらすかの様に、
静かに目を閉じた・・・