後味の悪い話

【後味の悪い話】リック・アンド・モーティ「老人と便器」

※シュール注意

老人と便器

611: 本当にあった怖い名無し2019/12/23(月) 04:40:44.47ID:ChrZoW2g0
リック・アンド・モーティという海外のブラックユーモア満載なコメディアニメから、老人と便器というエピソード
主人公リックは孫を愛するお爺ちゃんだが、異次元や平行世界への行き来を可能とするポータルガンを発明したイカれた天才科学者
彼は「ウンコをするため」だけに宇宙に惑星を1つ所有していた。そこは、空にはオーロラと星々が煌めき、地平には朝日と巨大な宝石の山々が輝き、海、草原、森等の豊かな自然が美しく広がる芸術的な惑星
リックはその惑星の丘の上に便器を設置し、大自然を一望しながら優雅にウンコすることを楽しんでいた
ある日、リックは何者かが惑星に侵入して便器を使用した痕跡を発見し、自分以外の何者かに便器を使用された事に怒り狂い、犯人を突き止めるために調査を開始する
そしてトニーという名の宇宙人に行き着く
リックはトニーに銃を突き付ける
するとトニーは、死ぬ前に妻の写真を眺めさせてほしいと懇願し、懐から妻の写真を取り出して眺め始める
リックは、泥棒のような夫が死ねば妻も喜ぶだろう、と皮肉を言う
トニーは、妻は十年以上前に亡くなった、と答える
「私は死を恐れない。妻が死んでからの虚しい日々。誰にも邪魔されずに一人でウンコをするのには、君の便器はとても快適だった」
リックは「ちょっと待ってろ」と言ってポータルガンを使ってポータルを開くと、平行世界へと向かい、「妻を亡くさなかった場合の別の世界線のトニー」を羽交い締めにして無理矢理こちらの世界に連れてくる
リック「さっき言ったことを喋れ」
別の世界のトニー「十年前、妻は奇跡的に一命をとりとめた!」
リック「今日は何をした?」
別の世界のトニー「美しい惑星で素晴らしい便器を見付けたから気持ちよくウンコをした」
リックは別の世界線のトニーをボコボコにしてからポータルに放り込んで元の平行世界に送り返すと、こちらの世界のトニーにこう言う
「妻の死を言い訳にするな。妻の生死に関わらず、お前は私の便器で快適なウンコをすることに変わりは無いのだ。
お前の尻に合う便器はこの宇宙の何処かに存在するだろう。だがそれは私の便器ではない」
そしえリックはトニーを処刑すること無く立ち去った

612: 本当にあった怖い名無し2019/12/23(月) 04:43:32.55ID:ChrZoW2g0
リックは便器の惑星へと戻り、トニーの残した痕跡を消して気分よく祝杯を上げていた
すると、またもトニーが侵入して来てリックの便器でウンコをし始める
リック「何故また来た?殺されたいのか?」
トニー「君が私にかけてくれた言葉は、私が求めていた言葉だった。
 だが、あれは誰に対しての言葉なのか?
 あの言葉は本当は君自身に向けた言葉だったんじゃないのか?
 私は妻を失った。
 君も『何か』を失ったんだろう?」

そう、実はリックも悲劇的な過去を秘めている
ポータルガンを開発する狂気の科学者となるより以前、若き日のリックは、愛する妻と娘を持つ良き夫、良き父であり、偉大な発明をすることを夢見て研究に励む善良な科学者だった
しかし、とある痛ましい出来事によって愛するものを失い、リックの心は壊れてしまった
どれだけ時間がかかっても、どんな手段を使ってでも、愛するものを取り戻す
リックはそう心に決め、執念によってポータルガンの発明に成功し、「愛するものが存在する世界線」を探す旅に出たのだった

トニーはそんなリックの心の傷を悟っており、「執着を捨て、全てを受け入れれば自由になれる」とアドバイスをする
リックはトニーを殺害する

トニーは、気が付くと雲の上に居た。死んだ筈の妻が現れ、トニーは愛する妻との感動の再開を果たす
そこは天国であり、様々な便器が存在していた。ここでは好きな便器で好きなだけウンコが出来るのだ

613: 本当にあった怖い名無し2019/12/23(月) 04:45:11.58ID:ChrZoW2g0
トニーは目を覚ます。リックに殺されて天国に行ったというのは夢だった
リックはトニーを眠らせ、本人が望む幸福な夢が見れる薬をトニーに投与したのだ
リック「気がすんだら帰れ」
トニー「また君に会いたい」
リック「殺すぞ」
トニー「僕たちはきっと友達になれる」

その後、リックは自分の便器に何やら罠のような装置を取り付けると、下剤入りチョコレートを持ってトニーのもとを訪ねる
どうやらリックの狙いは、トニーに下剤入を盛り、あの便器に座らせることのようだ
しかし、トニーは既に死んでいた
トニーは残りの人生を楽しみを探すことに費やそうとしたらしく、退職してレジャーに向かったが、事故にあって命を落としたのだ
リックはトニーの葬儀に出席すると、トニーの父に宇宙人の通貨で80億もの大金を香典として渡し、お悔やみを申し上げる
トニーの父は「あなたも友人を失ってお辛いでしょう」とリックの肩に手を触れようとするが、リックは「ファックユー!友達なんかじゃない!」とトニーの父の手を振り払って走り去る
便器の惑星へと戻ったリックは、意気消沈しながら便器に座る
すると、事前に仕掛けていた装置が発動する
それは罠ではなく、サプライズのための装置だった
花火が打ち上げられ、大勢のホログラムのリックが現れて口々にトニーを讃える
「トニー、お前にこの惑星をやろう。これからはここで好きなだけウンコするといい。
 だが、これからはお前はけっして一人っきりじゃないぞ。大勢の私がお前のウンコを応援してやる
 お前はこの惑星の王だ。トニーに1000年の栄光あれ!」

614: 本当にあった怖い名無し2019/12/23(月) 08:06:34.20ID:MWEke2uW0
ツンデレ拗らせてるな

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リックの過去

621: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 01:51:40.67ID:KFaPUFb90
リック・アンド・モーティから、リックの秘密の過去が垣間見える話
リックは狂人だが宇宙一の頭脳を持つ天才科学者であり、ポータルガンを開発出来る者は宇宙広しと言えど彼一人だけだった
銀河系を支配する悪しき銀河連合が長年に渡って地球とポータルガンを狙っており、とうとう地球は侵略され、捕らえられたリックは尋問にかけられることになる
リックは眠らされて脳内に侵入され、夢の中で宇宙人の尋問官から「ポータルガンを発明した瞬間の記憶を見せろ」と迫られる
暫くは抵抗を続けたリックだったが、愛する孫を人質に取られ、観念して仕方無く過去の記憶を尋問官に見せることになる

リックの脳内で、リックと尋問官の意識はリックの1985年の記憶の世界へとする
当時のアメリカでは映画バック・トゥ・ザ・フューチャーが大ヒット上映中であり、それを記念してチキンナゲットの「四川省ソース味」が期間限定で販売されていた
記憶の世界ではあるが、尋問官は四川省ソース味のチキンナゲットを食べて舌鼓を打つ
そしてリックと尋問官は若き日のリックを発見する
まだポータルガンを開発していない頃の若きリックは、ワープ装置の開発に着手していたが、上手くいかず失敗を繰り返していた
そこへポータルが開き、マッドマックスを彷彿とさせるチョイ悪風ファッションのリックが平行世界から現れる
チョイ悪リックは若きリックのワープ装置を見て「ワープなど宇宙人がとっくの昔に発明している」と鼻で笑い、「だが、お前はこれからワープすら時代遅れにする代物を発明するのだ」と言い、ポータルガンを若きリックに見せ付ける
チョイ悪リックはさらにこう続ける
「ポータルガンがあれば、どこへでも行けて、好きな奴に会える。
 もう頭の悪い他人と関わらなくてもいいのだ。
 平行世界からリックを集めて同盟を作り、我々リックだけの世界を作ろうではないか」

622: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 01:57:09.21ID:KFaPUFb90
そんな歪んだ展望を語るチョイ悪リックの姿を見た若きリックは、逆に熱意が冷めて発明を辞めることにし、これからは愛する妻と娘と過ごす時間を大切にして生きていくことを宣言する
チョイ悪リックはつまらなそうに捨て台詞を吐くと、ポータルを使って姿を消した
若きリックは妻と娘を連れてアイスクリームを買いに行こうとする
(ここで、その記憶の光景を見ていた現在のリックの意識体が「やめてくれ」と呟きながら両手で顔を覆ってその場に膝を付く)
次の瞬間、小さなポータルが開いてチョイ悪リックの手が現れると、リックの妻と娘の足下に爆発物を落とす
爆発によってリックの研究室は吹き飛び、リックが顔を上げると、無惨にも変わり果てた妻と娘の亡骸が散乱していた
そのまま若きリックは一心不乱で狂ったように道路に数式を書き始めると、周囲のガラクタを寄せ集め、ポータルガンを完成させた
そして若きリックは愛する妻と娘が生きている平行世界を探し求める果てしない旅に出たのだった
尋問官は「こんな即興でガラクタからポータルガンを作ってしまうとは、やはり天才だったか」と驚きながらも、道路に書かれたポータルガンの設計図を記録し、そのデータを銀河連合の本部へと送信する
しかし、宇宙一の頭脳を持つ狂気の天才科学者であるリックは、記憶すら捏造することが出来るのだ
尋問官がポータルガンの設計図だと思って送信したデータはウイルスであり、それによってリックは収容施設から脱走することに成功
さらに銀河連合の中枢に忍び込んで物価をゼロにすることで銀河連合の社会を崩壊させる
この騒動の煽りを受けて、前々からリックを疎んで家から追い出そうとしていた義理の息子(娘の夫)は、妻(リックの娘)と離婚して家から出ていくことになる
こうして地球と銀河の平和は守られ、リックには愛する孫と一緒に暮らせる元の日常が戻ってきた

623: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 02:00:15.56ID:KFaPUFb90
と見せかけ、ラストでリックが発狂して本性を現す
実は今回の銀河連合絡み一連の事件は全てリックの計算通りであり、どさくさに紛れて義理の息子を家族から孤立させて離婚させて家から追い出すことが狙いだったのだ
これで義理の息子に邪魔されることなく好きなように孫を自分の助手としてこき使い、平行世界を冒険することが出来る
その真の目的は、「四川省ソース味のチキンナゲットが存在する世界線を見つけ出すこと」
リックがポータルガンを発明した本当の理由とは、期間限定だった四川省ソース味のチキンナゲットをもう一度味わうためだった

624: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 02:06:22.60ID:KFaPUFb90
リックの過去の記憶がどこまで本当かは分からない
という後味の悪いお話

625: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 06:20:39.77ID:jdFM3UT/0
その情報本当に書く意味があるのかってのが最後にバーンと生きてくるの面白いな
しかし後味悪くはないような気もする

626: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 07:41:20.51ID:Hh0Gkpe40
孫だけかな後味悪いの

627: 本当にあった怖い名無し2019/12/24(火) 12:28:34.52ID:KFaPUFb90
ちなみに「平行世界なんて巡らなくてもタイムマシンを発明すれば良くね?」と思う人もいるかもしれないが、それに対する解答も作中でなされている
リックは、自分の頭脳と技術をもってしてもタイムマシンは発明出来ないと語っていた
しかしあるエピソードでは、とある惑星の宇宙人たちがタイムマシンを発明するのだが、映画のターミネーターの様な状況に陥る
未来を変えるために暗殺者が過去に送り込まれ、その暗殺者から要人を守るための戦士も過去に送り込まれるのだが、
さらにその戦士を殺すために別の暗殺者が過去に送り込まて来て、さらにさらにその戦士を殺す暗殺者を倒すためにシュワルツェネッガー風の戦士も過去に送り込まて来て…
というのが無限ループして、いたちごっこのように未来から来た奴らの死体が山積みになっていく
リックはタイムマシンを「宇宙で最も愚かな発明」と呼び、解決策として異次元の時間警察(毛の生えたキン○マみたいな謎の生命体)に通報をする
時間警察はその惑星の原始時代までタイムスリップし、道具を使うことを覚えたばかりの知恵のある原始宇宙人をボコボコに殴り殺して終わる

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