このページでは怖い話の殿堂入り、作者ウニさんの書いた「師匠シリーズ」をまとめました。怖い話が好きな人ならいつか辿り着くと言っても過言ではない、怖い話の傑作です。
ここでは全く知らない方でも、できるだけ入りやすくまとめたいと思います。
師匠シリーズとは?
師匠シリーズとは、作者の「うに」さんが、2003年から2ch(5ch)やpixivに投稿しているオカルト短編小説シリーズです。ストーリーの基本は「主人公がオカルトの師匠と体験したことを物語る」という形式を取ります。
しかし、全体でシリーズが100話を超え、とっつきにくい方もいると思います。ですが師匠シリーズは怖いだけではなく、考えさせられる話や、感動する話、議論を呼ぶ話など、オカルトだけに収まらない魅力があります。読んで損はありません! ここでは分かりやすく解説したいと思います。もちろんネタバレにならない範囲で。
読む順序について
師匠シリーズを、2chに投稿した順に読むのか、作中の時系列順で読むのか、意見が分かれるところです。僕は投稿順をおすすめします。「話し手が自分の経験を思い出した順に書いている」というコンセプトなので、後から「あの話はあそこにリンクしていたのか!」という気付きがあるからです。
というわけで、ここでは投稿順一覧で掲載しました。
師匠シリーズの注意点
師匠シリーズの師匠は二人います。初めは「主人公(男)」が「師匠(男)」の思い出を語ります。後期は、さらに時間がさかのぼり、この師匠にとっての「師匠」、浦井加奈子さんという女性が登場。この加奈子さんとの思い出を「昔の師匠」が語ります。ややこしいですね。それを踏まえてさえいれば、どこから読んでも問題ない・・とは言えませんが、読める話もあります。
- 初期:オカルトサークルの師匠(男)の思い出を語る「主人公(男)」
- 後期:師匠にとっての『師匠』加奈子さんとの思い出を語る「語り手(※昔の師匠)」
また物語性が強いので、単発で意味がわかる怖い話を求めている方には不向きだと思います。逆に「あの話がここの伏線になっていたのか!」「あのキャラの発言がここに繋がっていた!」という気づきを楽しめる方には向いています。
ちなみに僕のなかの加奈子さんのイメージはBLACK LAGOONのレヴィです。
以上をふまえてどうぞ。
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師匠シリーズ 投稿順一覧
伝説の始まりの一話です。
概要:オカルト大好きな俺は、知り合いやサークルの後輩先輩に、節操無く「なんかない?怖い話」と聞きまくる癖がある。で、俺の歴代の彼女にも聞いてるわけだが、全員1回だけそういう心霊体験をしてるという。それが変な類似点があって…
概要:大学受験期にストレスからか、やたら金縛りにあってて、色々怖い目にあったことから、オカルトへの興味が高まっていた時期で、そんな話をしていると、ある先輩が「キミィ。いいよ」と乗ってきてくれた。
概要:僕のオカルト道の師匠は当時、家賃9000円の酷いアパートに住んでいた。鍵もドラム式で、掛けたり掛けなかったりだったらしい。
※始まって4話で師匠がおかしくなってしまいます。
概要:これは怪談じゃないが、話しておかなくてならない。僕のオカルト道の師匠が、急にサークルに顔を出さなくなった。師匠の同期の先輩が言うには、大学にも来てないとのこと。
※そして失踪へ
概要:師匠との話をまだいくつか書くつもりだが、俺が途中で飽きるかもしれんし、叩かれてへこんで止めるかもしれないので、先に一連の出来事の落ちである、師匠の失踪について書いておく。
※最後の一行は書籍で追加された一行です。
概要:強烈な体験がある。 夏だからーという安直な理由で、サークル仲間とオカルトスポットに行くことになった。 東山峠にある東山ホテルという廃屋だ。
※幽霊が気の毒になってしまう話。
概要:師匠には見えて僕には見えないことがしばしばあった。夏前ごろ、オカルト道の師匠に連れられて、コジョウイケトンネルに深夜ドライブを敢行した。
概要:俺にはオカルト道の師匠がいるのだが、やはり彼なりの霊の捉え方があって、しばしば『霊とはこういうもの』と講釈をしてくれた。
概要:僕の畏敬していた先輩の彼女は変な人だった。先輩は僕のオカルト道の師匠であったが、彼曰く「俺よりすごい」。仮に歩くさんとするが、学部はたしか文学部で、学科は忘れてしまった。
概要:これは俺の体験の中で最も恐ろしかった話だ。大学1年の秋頃、俺のオカルト道の師匠はスランプに陥っていた。やる気がないというか、勘が冴えないというか。
概要:大学時代よく散歩をした公園にはハトがたくさんいた。 舗装された道に一体なにがそんなに落ちているのか、やたら歩き回っては地面をくちばしでつついて行く。 なかでもよく俺が腰掛けてぼーっとしていたベンチの近くに、いつもハトが群れをなしている一角があった。
概要:4日目の夜は満月だった。晩御飯を居候先で食べ終えた俺は、さっそくどこかに消えた師匠を放っておいて、居づらいその家から散歩に出た。
概要:ああ、夏が終わる前にすべての話を書いてしまいたい。 もう書かないと言った気がするが、そうして終わりたい。 俺、色々ヤバイことしたしヤバイ所にも行ったんだけど、幸いとり憑かれるなんてことはなかった。一度だけ除けば。
概要:そんな熱帯夜にある日、電話が掛かって来た。夜中の一時くらいで、誰だこんな時間に!と切れ気味で電話に出た。すると電話口からは、ゴボゴボゴボ・・・という水のような音がする。
概要:大学一年目のGWごろから、僕はあるネット上のフォーラムによく顔を出していた。 地元のオカルト好きが集まる所で、深夜でも常に人がいて結構盛況だった。
概要:子どものころバッタの首をもいだことがある。 もがれた首はキョロキョロと触覚を動かしていたが、胴体のほうもピョンピョンと跳び回り続けた。 怖くなった俺は、首を放り出して逃げだしてしまった。
※師匠シリーズらしい不思議な話
概要:大学2回生の夏休み。 オカルトマニアの先輩に「面白いものがあるから、おいで」と言われた。 師匠と仰ぐその人物にそんなことを言われたら行かざるを得ない。
概要:師匠は麻雀が弱い。もちろん麻雀の師匠ではない。霊感が異常に強い大学の先輩で、オカルト好きの俺は彼と、傍から見ると気色悪いであろう師弟関係を結んでいた。その師匠であるが、2,3回手合わせしただけでもその実力の程は知れた。
概要:別の世界へのドアを持っている人は確かにいると思う。日常の隣でそういう人が息づいているのを、僕らは大抵知らずに生きているし、生きていける。
概要:師匠は将棋が得意だ。もちろん将棋の師匠ではない。大学の先輩でオカルトマニアの変人である。俺もまたオカルトが好きだったので、師匠師匠と呼んでつきまとっていた。
概要:大学1回生の夏ごろ。京介さんというオカルト系のネット仲間の先輩に、不思議な話を聞いた。 市内のある女子高の敷地に夜中、一箇所だけ狭い範囲に雨が降ることがあるという。
概要:大学時代、霊感の異常に強いサークルの先輩に会ってから、やたら霊体験をするようになった俺は、オカルトにどっぷり浸かった学生生活を送っていた。
概要:ふと、師匠が「あれ?」と言うので顔を向けると、テレビにはダイバーによる、どこかの海の海底探査の様子が映っていた。
※上質な百合です。 怖い話というより物語としておすすめ
概要:女子生徒が重度の貧血で救急車で搬送されたのであるが、「同級生に血を吸われた」と証言して、地元の新聞がそれに食いつき、ちょっとした騒ぎになった。
概要:大学2回生の春ごろ、オカルト道の師匠である先輩の家にふらっと遊びに行った。ドアを開けると狭い部屋の真ん中で、なにやら難しい顔をして写真を見ている。「なんの写真ですか」
概要:大学2年の夏休みに、知り合いの田舎へついて行った。「ぜひ一緒に来い」と言うのでそうしたのだが、電車とバスを乗り継いで8時間もかかったのにはうんざりした。
概要:大学1回生の夏。『四次元坂』という、地元ではわりと有名な心霊スポットに挑んだ。 曰く、夜にその坂でギアをニュートラルに入れると、車が坂道を登って行くというのだ。
概要:オカルト系のネット仲間と、『合宿』と銘打ってオフ会を開いた。 山間のキャンプ地で、『出る』という噂のロッジに泊まることにしたのである。
概要:師匠が変なことを言うので、おもわず聞き返した。「だから鉄塔だって」 大学1回生の秋ごろだったと思う。
概要:その噂をはじめに聞いたのはネット上だったと思う。地元系のフォーラムに出入りしていると、虚々実々の噂話をたくさん頭に叩きこまれる。どれもこれもくだらない。その中に埋もれて『黒い手』の噂はあった。
概要:大学1回生の秋。オカルト系ネット仲間の京介さんの部屋に、借りていた魔除けのタリスマンを返しに行ったことがあった。
概要:その日は1次会の流れのまま、Coloさんの部屋でダラダラと酒を飲んでいた。山下さんという男の先輩が、『疲れてくると人間の顔が4パターンしか見えなくなくなる』という、不思議な現象にまつわる怖い話をしていたところまでは覚えている。
概要:大学2回生の夏。俺は大学の先輩と海へ行った。照りつける太陽とも水着の女性とも無縁の薄ら寒い夜の海へ。
概要:幽霊を見る。大怪我をする。変質者に襲われる。 どんな恐怖体験も、夜に見る悪夢一つに勝てない。 そんなことを思う。実は昨日の夜、こんな夢を見たばかりなのだ。
概要:ある夜である。 いきなり耳をつんざく悲鳴が聞こえた。 初代スーパーマリオのタイムアタックを延々とやっていた俺は、コントローラーを握ったまま部室の中を見回す。
概要:俺は心霊写真のようなものを友人にもらったので、それを専門家に見てもらおうと思った。 専門家と言っても俺のサークルの先輩であり、オカルトの道では師匠にあたる変人である。
概要:休日に僕は自転車で街に出ていた。まだその新しい街に慣れていないころで、古着屋など気の利いた店を知らない僕は、とりあえず中心街の大きな百貨店に入り、メンズ服などを物色しながらうろうろしていた。
概要:何時以来かという大学付属図書館に、参考資料を探しに行った。IDカードを通してゲートをくぐり、どうして皆こんなに勉強熱心なんだ、と思うほどの学生でごった返すフロアをうろうろする。
概要:住宅街の大通りから脇に入る狭い道があり、その手前に差し掛かった時に軽い耳鳴りに襲われた。 その直後、目の前の道路の上にぼんやりとした影が見えた気がした。
※文学的で好きな話です。
概要:俺は子供のころからわりと霊感が強い方で、いろいろと変な物を見ることが多かった。大学に入り俺以上に霊感の強い人に出会って、あれこれくっついて回っているうちに、以前にも増して不思議な体験をするようになった。
※ものすごく文学的で好きな話です。上質な百合、完結。 ※よく見たらまだ他の話にも出てきました。
概要:昨日から降っていた雨が朝がたに止み、道沿いにはキラキラと輝く水溜りがいくつもできていた。大学2回生の春。梅雨にはまだ少し早い。大気の層を透過してやわらかく降り注ぐ光。
概要:昼下がりに自転車をこいで幼稚園の前を通りがかった時、見覚えのある後ろ姿が目に入った。白のペンキで塗られた背の低い壁のそばに立って、向こう側をじっと見ている。
概要:大学3回生のころ、俺はダメ学生街道をひたすら突き進んでいた。 2回生からすでに大学の講義に出なくなりつつあったのだが、3年目に入り、まったく大学に足を踏み入れなくなった。
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概要:先日、ある店に入ろうとしたときに、自動ドアが開かないということがあった。さっき出たばかりのドアなのに、戻ろうとすると反応がない。
概要:そもそもの始まりは大学1回生の秋に、実に半端な長さの試験休みなるものがぽっこりと出現したことによる。その休みに、随分久しかった母方の田舎への帰省旅行を思いついたのだが…
概要:その日は朝から雨が降り続いていて、濡れたアスファルトの表面はもやのように煙っている。こんな日には憂鬱になる。気分が沈滞し、思考は深く沈んでいる。
概要:朝っぱらからサークルの部室で、コタツに入ったまま動けなくなり、俺は早々に今日の講義のサボタージュを決め込んでいた。何人かが入れ替わり立ち代りコンビニのビニール袋を手に現れては、コタツで暖まったあとに去って行った。
概要:その頃の僕は、以前から自分にあった霊感が、じわじわと染み出すようにその領域を広げていく感覚を、半ば畏れ、また半ばでは、身の震えるような妖しい快感を覚えていた。
概要:午後の気だるい講義が終わって、ざわつく音のなかノートを鞄に収めていると、同級生である友人が声を掛けてきた。「なあ、お前って、なんか怪談とか得意だったよな」
概要:大学2回生の春だった。 当時出入りしていた地元のオカルト系フォーラムの常連に、みかっちさんという女性がいた。
※すごく怖い話なんですが、トイレの床が汚くないかが気になります。
概要:休日に僕は一人で街に出て、デパートで一人暮らしに必要なこまごまとしたものを買った。レジを済ませてから、本屋にでも寄って帰ろうかなと思いつつトイレを探す。
※京極夏彦氏を彷彿させる、現実があやふやになる感じが絶妙な話です。
概要:聞いた話である。「面白い話を仕入れたよ」師匠は声を顰めてそう言った。僕のオカルト道の師匠だ。面白い話などというものは、額面どおり受け取ってはならない。「県境の町に、古い商家の跡があってね。廃墟同然だけど、まだ建物は残ってるんだ。
※長編ですが、サスペンス要素もありめちゃくちゃ面白いです。映画化してもいいくらいです。
概要:怖い夢を見ていた気がする。薄っすらと目を開けて、シーツの白さにまた目を閉じる。鳥の鳴き声が聞こえない。息を吐いてからベッドから体を起こす。静かな朝だ。どんな夢だっただろうと思い出しながら、記憶を辿ろうとする。すると、『スズメは魂を見ることができる』という話がふと頭に浮かんだ。
概要:その日の放課後、私は3年生の教室へ向かった。ポルターガイスト現象の本を貸してくれた、先輩に会うためだ。
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概要:大学二回生の初夏だった。俺はオカルト道の師匠につれられて、山に向かっていた。「面白そうなものが手に入りそうだ」と言われて、ノコノコついて行ったのであるが、彼の『面白い』は普通の人とは使い方が違うので、俺は初めから身構えていたが、行き先がお寺だと知ってますます緊張してきた。
概要: 音響が静かにドアを開けていく。後に続く俺の目の前に、薄暗い室内が広がる。手前の部屋よりもカーテンが厚いのか。そこには、夜明けの空気が満ち始めていた。ガランとした部屋。異様な光景だった。
概要:師匠の部屋のドアを開けるなり俺は言った。「い、いました。いました。いましたよ」
概要:すでに大学のあらゆる講義に出席する気を失っていた俺は、それまで以上にバイトとギャンブルを生活の中心に据えていった。

概要:師匠から聞いた話だ。僕は加奈子さんという、オカルト道の師匠の家に向かっていた。特に用事はないが、近くまで来たので寄ってみようと思ったのだ。
概要:俺は凶悪な日差しが照りつける中を、歩いて学食に向かっていた。アスファルトが靴の裏に張り付くような感じがする。
概要:太陽の中に水しぶきが跳ねた。それが一瞬キラキラと輝き、眩しさに目を細める。空には雲が一つだけ浮かんでいる。
※誰の墓かはすぐにわかります。
概要:暑い。我慢ができなくなり、上着を脱いで腰に結んだ。一息ついて、山道を振り返る。林道が何度も折れ曲がりながら山裾へ伸びている。下の方にさっき降りたバス停が見えるかと思ったけれど、背の高いスギ林に隠されてしまっていた。
概要:師匠から聞いた話だ。長い髪が窓辺で揺れている。蝉の声だとかカエルの声だとか太陽の光だとか地面から照り返る熱だとか、そういうざわざわしたものをたくさん含んだ風が、先生の頬をくすぐって吹き抜けて行く。
概要:大学二回生の春だった。 近くを通ったので、オカルト道の師匠の家にふらりと立ち寄った。アパートのドアをノックしてから開けると、部屋の中では師匠が畳の上にあぐらをかいて、なにかをしきりに眺めている。近づいていくと、後ろ向きのままの師匠と目が合った。
概要:師匠から聞いた話だ。大学二回生の春の終わりだった。 僕は師匠のアパートのドアをノックした。オカルト道の師匠だ。待ったが応答がなかった。
概要:そのころ俺は、大学に入ってから始めたインターネットにはまっていて、特に地元のオカルト系フォーラムに入り浸っていた。
概要:女の子はその暗い廊下が好きではなかった。かび臭く嫌な匂いが壁や床に染み付いている気がして、そこを通るときにはどうしても息を殺してしまう。
概要:大学四回生の冬だった。俺は仲間三人と少し気の早い卒業旅行をした。交代しながら車を運転し、北陸まわりで関東へと入った。
概要:師匠から聞いた話だ。大学に入ったばかりの頃、学科のコースの先輩たち主催による新人歓迎会があった。
概要:大学一回生の冬。俺は当時参加していた地元系のオカルトフォーラムの集まりに呼ばれた。いや、正確には、見逃していたのかそのオフ会の情報を知らず、家でぼーっとしていたところに電話がかかってきたのだ。
※師匠が一線を越えてぶっ飛んでいることがよく分かるお話。
概要:師匠から聞いた話だ。大学一回生の春。僕は思いもよらないアウトドアな日々を送っていた。それは僕を連れ回した人が、家でじっとしてられないたちだったからに他ならない。
概要:大学一回生の冬だった。そのころアパートで一人暮らしをしていた俺は、寝る時に豆電球だけを点けるようにしていた。 実家にいたころは豆電球も点けないことが多かったが